【試写レポ】『ドゥーム・パトロール』THE RIVER独占オンライン試写会【23_2022】
ごきげんよう。雨宮はなです。
今回はTHE RIVERさんの抽選に当選し、『ドゥーム・パトロール』のオンライン試写会に参加しました!
鑑賞の対象はシーズン1の第1話と第2話です。
※若干のネタバレを含みますが、物語に関係するものはありません。
社会的”問題”ヒーロー
「世界にあふれる新たなヒーローたち。正直、うんざりするよな」と皮肉を軽い口調で語りかけてくる”NOBODY(誰でもない)”のモノローグで物語は始まります。そんな彼を含め、出てくるキャラクターたちがわかりやすいほど、現代では課題扱いされている設定でした。NOBODY曰く「人生の落伍者」で、そろいも揃ってまさに勢ぞろい。博士でさえ、その要員でしょう。チーム編成はお手本に則った感じ。
ロボットマン:パワー系。「有害な男らしさ」「身体障碍」代表。1988年
ネガティブマン:二枚目系。「LGBTQ」代表。1961年
エラスティ・ウーマン:「外見至上主義」「承認欲求」「女性らしさ」代表1955年
クレイジー・ジェーン:「精神疾患」代表→”64の性格”で便利に扱いたい問題を拡張していくとみられる
サイボーグ:「毒親」「非自然主義」代表。
Mr.ノーバディ:(たぶん)中ボス
天才科学者のチーフ:ダメ親父
”「ナントカ」代表”としていますが、あくまで個人の見解です。私が観た限り、こう受け取れたというだけのものなのであしからず。
3人のキャラクターは「どうしてこうなった」の回想エピソードにテロップで「19〷年」と提示してくれるので、どんな時代(思考)の人間かというのが掴みやすかったです。職業も上手く絡めてキャラクター設定がされていて興味深い。
宗教色も強い
宗教に全く詳しくない私でさえ、「ロバは宗教に絡めて選ばれた動物だ」というのはわかります。このロバはMr.ノーバディのアイテム的なポジションで異世界への扉だったり、メッセンジャーだったりと大切な役割を持っています。
キリスト教の話では、救い主イエス・キリストはロバの子どもに乗ってエルサレムの都へと向かいます。ロバには「愚か」という意味(ヘブル語、アラビア語)があり、とても忍耐強い動物で人々の役に立つという認識だそう。完全な使いっ走りだから、爆発四散するような扱いなのですね。
色も白を選んでいることから、「無垢」や「清純」といった意味をもたせていそうでした。神聖な感じはそのあたりにしか感じられませんでした。なんたって、放屁でメッセージを残すんですから。
ミスフィッツたちは愛されるか
彼らを表すのに何がしっくりくるかと考えたのですが「ミスフィッツ(社会不適合者)」だと思いました。そのまんま過ぎて、改めて言うことでもなんでもないのは鑑賞を終えた人にはわかってもらえると思います。
「ミスフィッツたちが理解者の下で守られていたのだけど、外に飛び出してみた!」
「保護者から引き離されて、自立/自律する必要ができた!」
「そのために自分を理解し、受け入れ、そして立ち向かえ!」
というのが第一話と第二話の流れだと思います。ものすごくありふれているけど、キャラクターたちが抱えているものがいかんせん、私たちに近い。だから嫌悪も愛されもするでしょう。おとぎ話の中で実際にあることをそのまま描いているような、そんなDC作品でした。
さいごに
ロボットマンの怪力もエラスティ・ウーマンの崩れた体も、使い様によって良くも悪くもなるものです。外見だって「いつまでも若く美しい状態から変化しない」のは喜べることとは限りません。
彼らのもつスーパーパワーはギフトなのか、障碍なのか。そしてそれは、彼らに限ったことではなく、自分とその周りを見直す必要があるということを教えてくれるのでした。
私たちが直面する現実のおとぎ話『ドゥーム・パトロール』は、U-NEXTにて独占配信中!
そして、4月20日(水)よりディスクレンタル・販売開始!