ブランドロイヤリティを一気に高める体験型マーケティングとは?
初めまして。アメマ速報の近藤です。
現在アメリカのマーケティング施策で流行っている体験型マーケティングに関してお話したいと思います。SEO、SNSなどウェブを使ったデジタルマーケティングは一般の人にも身近な存在になりました。中小企業で働くマーケティング知識が一切ない社員でもフェイスブックやインスタグラムで簡単にSNS広告を出せる時代になりました。グーグル、フェイスブックなど大手テック企業はユーザー情報をデータ化しアルゴリズムを作ることにより、広告商品に興味を持ちそうなユーザーに効果的にターゲティングできます。
フェイスブックによる個人情報流出事件
しかし2018年に起きたフェイスブックによる個人情報流出事件により、一般の人々はテック企業に対する自身の個人情報開示に抵抗感を覚えるようになります。今までであれば、フェイスブックやインスタグラムのフィードに、自分の興味・関心ごとに関連した情報が出れば「うわー今こんな商品探してたんだよねー」みたいにポジティブに受け取っていましたが最近では「どこまで私の情報を分析しているんだろう・・・気味悪・・・」という全く逆の反応になりました。なんでも欲しい情報・物が手に入るオンラインという夢の世界を我々はようやく冷静に観察できるようになりました。
体験型マーケティング(Experiential Marketing)とは
体験型マーケティング(Experiential Marketing)とはオンラインとは全く反対のマーケティング施策です。一番わかりやすい体験型マーケティングの事例は、スーパーでの試食です。食品・飲料メーカーは自社の商品を消費者に実際に食べてもらうことで商品の良さを知ってもらい売上アップにつなげます。あと最近だとコンプレックスなどのコンベンション、コーチェラなどの音楽フェスも体験型マーケティングを施策する場として注目されています。ではブランド側が効果的にブランドロイヤリティを上げるためには、まず、どのような施策を考えていくのが重要か説明します。
体験型マーケティングにおいて一番重要なのは、ブランドを消費者の世界へ誘導することです。そのためには消費者が何を考えているか「聞く耳」を持たなければいけません。彼らが得たい体験を提供することにより、ブランドロイヤリティを高めることができるのです。逆に、ブランド側が彼らの興味がないサービスを押し売りをしてしまうとすぐに離れてしまいます。
「オーディエンスの“ココロ”を動かすことができることはなんだろう?」
この考えを常にマーケター側は考えなければいけません。
VANSの例
体験型マーケティングにおいて、参加した消費者がいかに「特別感」を感じ自身のパーソナルな体験へと昇華できることがゴールの指標になります
スニーカーメーカーのVANSはHouse Of Vansと呼ばれるイベントを世界各地で定期的に開催しています(アメリカではシカゴ開催)。
House of Vansでは彼らのコアターゲットである「若者・アクティブ・エクストリームスポーツ」というキーワードにドンピシャなコンテンツを提供しており、イベント開催地のローカルコミュニティを巻き込んで、「アート」・「音楽」・「スケボー」・「BMX」・「カルチャー/ファッション」などに関連したイベントを定期的に開催しています。VANSのスニーカーが好きそうな人たちが喜ぶ体験を提供しているのです。
マーケティング予算が潤沢にあるブランドであれば、Vansのように自分たちのターゲットにあった戦略を考えることができるかもしれません。そして予算がないブランドにありがちな戦略が「限られた予算内でできるだけ幅広いジャンルの消費者をつかもう」とすることです。このようなマインドセットだと、マーケティング内容もブランドから消費者への一方通行になりがちになりブランドロイヤリティを上げるどころか、下げる可能性もあります。
限られた予算でいかに「得るか=GET」ではなく、消費者に「与える=GIVE」ことを考えましょう。
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Naked Juiceの例
アメリカのオーガニックジュースブランド、Naked Juiceはイギリスでのシェアを伸ばすために25〜40歳で非常に行動力のある人たちを対象にイベント「Naked Juice Colourtopia」を施策しました。ブランドが得た消費者のインサイトによると、彼らは常に自分たちを表現する場と何か新しい体験を求めていることがわかりました。結果、音楽フェスティバルであるイギリスのLatitudeやWildernessが施策を行う会場として最適でした。会場ではNaked Juiceが飲めるブースを設置、現在海外で流行っている「大人の塗り絵」を有名イラストレーターとコラボし、参加者が色ぬりに参加できるアクティベーションを行ったのです。
「試飲」x「塗り絵」の組み合わせるだけで、消費者がインスタグラムにポストしたくなるような素晴らしい体験を作り出すことができるのです。ここが体験型マーケティングのミソで、会場で得た体験を消費者にいかに拡散してもらうかを考えることが重要です。オンラインの良いところもうまく取り入れることで「オンラインTOオフライン」&「オフラインTOオンライン」をうまくエコシステムとして完結させることができます。
消費者ファーストな視点を常に忘れず施策を行うことが、体験型マーケティングでは特に重要なのです。
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