喜劇のヒロインがいい
ジャーナリングというものがある。
「とりあえず、紙に今の気持ち書き殴ろっか?」みたいなやつである。
私は口数は少ないが、頭の中はなかなかに忙しい。愚痴が8割、言い訳が8割だ。闇のパンク状態である。
休職して2週間が経つ。ストレスフリーとは言えども、しばしば「私は要らないものでは?」という概念と戦っている。これを書きながらも時々、上司の声で「結局何が言いたいの?」と聞こえてくるような気もする。
家でじっとしてるからダメなんだと思って、「家にいると死にそうなので、金は要らんから、手伝わせてくれ」と頼み込んでカフェを手伝っている。最初は目の前の仕事をひたすらにこなして、疲れて眠る生活にメキメキと回復できていたものの、慣れてくれば失敗はするし、仕事外のコミュニケーションで失敗もするので、するとグンと落ち込む。
そうすると、情緒のジェットコースターにしがみつくしかなくて自分から動けなくなってしまう。
「ご自愛の方法」「対人が苦手でもいい」「モヤモヤが晴れるコツ」
そんな感じの自己啓発本を今年に入ってから何冊も買った。
うつ病になりやすいパターンというのがいくつかあって、ことある毎に当てはまった。
当てはまりすぎるので対処方法もありすぎて、もう頭に入らなくなった。
そしたら気づいたら稽古場の事務室の床で寝ていた。
布団が変わると途端に寝れなくなるタイプなので、居眠りとか早々しないのだけど、
脳は休むには寝るしかないので、本当に疲れると強制終了させるために気絶すると聞いたことがある。
闇のパンク状態が行きすぎてショートしたらしい。
頭に全部入れようとしている時点でうつパターンの渦中だ。
覚えていたやつだけやればいいんだ。
と、思ってノートに頭に浮かぶものを全部書き込んだ。
すぐにノート3ページが埋まった。
本を読んでいても、全然関係ない思考が頭を巡ってページは進んでいるのに、何にも頭に残っていないことがしょっちゅうある。
だから、本を読みながらも書いた。全然ページは進まないけど、内容は入ってくる気がした。
自分がどうなりたいか、どうしたいかが分からない。
言葉にするのに時間がかかる。
疲れているからだと、ここ数ヶ月間帰ってからはひたすら寝ていた。
洗い物も風呂も全部ほっぽり出して、飯かっ食らったら布団にいた。
疲れているから、書けないと思っていたけど、書こうとするから書けなかったのかもしれない。
「どうして私だけ不幸なんだ?」
「悲劇のヒロイン気取りか?」
「あなたは人のせいにするの?」
ずっとそんな言葉ばかりが廻りそうになるのだけれど、
悲劇のヒロインは、語りようによっては笑い者だ。
だったら私はそっちの方がいい。
今の私を喜劇にするために、私は私のために書けるだろうか。
気絶したら、ずっとイライラしていたことがどうでも良くなっていたことに気づく。
気絶万歳。できるならしたくはないけれど。
ゆで卵を作る、と書かれたメモを横目に今日は眠る。
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