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響いた!ユーフォニアム~9年の軌跡~1期第5話

©武田綾乃・京都アニメーション

『響け!ユーフォニアム5話』より

五話は身体測定のシーンからスタート。葉月が肺活量のチェックを受け、男子並と評される。すごい葉月ちゃん…
高校から吹奏楽をはじめて、まわりの教えを素直に実行して本当にいい子でまっすぐなんです。久美子の隣にいてくれるのが葉月で本当によかった。

『響け!ユーフォニアム5話』より

胸囲測定をうける久美子は愕然とした。驚異の胸囲というわけですね。大丈夫だ、まだ三年ある!

『響け!ユーフォニアム5話』より

傷心の久美子の前を通り過ぎるあすか。神は三物を与えたもうたのです。

『響け!ユーフォニアム5話』より

サンフェスの衣装を渡される久美子たち。久美子はまだ、未踏の丘陵を夢見るのであったーーー

『響け!ユーフォニアム5話』より

互いを褒め合う香織とあすか。この頃はまだこの二人の特異な関係性を感じていませんでした。はい、ということでユーフォにおけるこの二人の関係性はビッグトピックなのではないでしょうか。後に登場する靴紐事件といい、この二人の関係は目を見張るものがありますので、折に触れて語りたいなと思います。

『響け!ユーフォニアム5話』より

行進の練習でグラウンドへ。葵…先輩が日焼け止めをくれる。特に必要がない演出だけに、不気味ですが…?

『響け!ユーフォニアム5話』より

練習開始。ちゃんとモブも描きわけてあってすごい。改めてユーフォの作画カロリーって高いことがわかりますよね。

『響け!ユーフォニアム5話』より

ドラムメジャーの練習に勤しむあすか。本当にこの人はどれだけスペックが高いんだ。夏紀から、部員はあすかを部長にしたかったが本人は承服せず、晴香がなし崩し的になったことを聞かされる。向き不向きと好き嫌いは別、と夏紀。これ至言ですよね。ゲームが好きだからゲームクリエイターになれるか、音楽が好きだからバンドで食っていけるかといったら必ずしもそうではないわけで。あすかはバランサーとしての立ち回りを演じますが、リーダーには向かないと気づいている。麗奈でなく久美子が部長になったことと無関係ではないですよね。スポークスマンとしての素質はあすかにはない、いや意識して演じることは容易いけど、すっぱり線を引い た。
このへんの立ち回りが見え隠れするようになってこの回から、彼女が魅力がグンと上がっていきました。

『響け!ユーフォニアム5話』より

見返りがあるとがんばるようになる、返報性の原理が働き始める部員たち。実際学生のうちにこういった経験をするというのは、杓子定規なようだけど大切ですよね。がんばれなかったとしても、自分は頑張れない人間だと気づけることもまた収穫で、職業決定に資するものになります。がんばれればその後の人生でもがんばれる。結果がどう転ぼうが、失敗や経験は母になるわけですね。

『響け!ユーフォニアム5話』より

練習で疲れあくびをする久美子の隣にいる麗奈。幽霊の正体みたり。

『響け!ユーフォニアム5話』より

どう思う?滝先生。
きました、ドデカ地雷。

『響け!ユーフォニアム5話』より

かっこいい…?

『響け!ユーフォニアム5話』より

滝先生の風聞について、いつものクセでディス方向に展開してしまう久美子。まぁでも実際、そんないきなり全国なんていけるわけないですよね。

『響け!ユーフォニアム5話』より

黄前さんらしいね。
きましたね。5話のみならずユーフォ全体でも話題になる麗奈の艶やかで流麗な、見るものの目を奪うシーンです。コンテは三好一郎名義でクレジットされていますが、京アニの伝説アニメーターであり元取締役でもある木上 益治さんです。いわずとしれた「うまくなりたい!」の疾走シーンや、ヴァイオレットエヴァーガーデンのアンマグノリア回、フルメタの夏姉妹の殺陣やAKIRAなどでも手腕を振るわれました。まさにアニメ界の至宝で、後進育成にも余念のない方でした。しかしあの忌まわしい事件に倒れ、亡くなられました。遺された偉大な作品群に敬意を表するとともに、深く哀悼の意を捧げたいと思います。

このシーンで、麗奈から久美子へ何か厚い信頼のようなものの礎ができたのかなと感じます。じゃあ私こっちだから、という声もどこか上ずっています。みどりのようなトランペット星の宇宙人のようで、どこか地に足ついた等身大の女子高生のような面も時々伺わせるんですよね。
久美子と麗奈の関係性のターニングポイントとなる、重要なシーンをこのような素敵な演出でみれたことは、本当に嬉しかったです。

『響け!ユーフォニアム5話』より

ということでサンフェス当日です。重い荷物を秀一が葉月からヒョイと受け取る。こんなん惚れてまうやろー!

『響け!ユーフォニアム5話』より

移動のバスで秀一の隣になり舌打ちする久美子。かわいいですね~。
秀一はめっちゃうれしかったでしょうねぇ。

『響け!ユーフォニアム5話』より

本番前にカツをいれる美知恵。ちなみに声優はセーラーマーキュリーの久川綾さんだ。にしても、まるで運動部を相手にするような根性論を捲し立てる姿がおもしろい。

『響け!ユーフォニアム5話』より

遅刻グセのある滝。

『響け!ユーフォニアム5話』より

私からは、とくにありません。
激励はなく、みなさんの演奏が楽しみとだけ伝える。まぁ変に緊張させないいい声掛けなのかも?実力以上のものがでるわけでもないし練習の成果がそのまま現れるので、そういうものなのでしょうね。

『響け!ユーフォニアム5話』より

関西大会常連の洛秋と、マーチング最強の立華がお目見え。なんと演技の順番は立華→北宇治→洛秋の順番だそうで、ビビる部員たち。

『響け!ユーフォニアム5話』より

立華に進んだ旧友の梓に会う久美子。質問攻めにされたあと、なぜ北宇治に?と問われる。久美子は「知ってる人があまりいない高校に行って新しくスタートしたかった、それだけ」と答える。
きましたね~ここもかなり好きなシーンです。なぜかって、2話で散々語った自己欺瞞のアリバイとわずかな成長が見れるシーンだからです。久美子が北宇治に進んだ理由は一点だと思っていて、それはつまり、姉との確執やなんとなく続けてきたけど結果が振るわなかったユーフォや吹奏楽というものをやらない理由として、弱小校の北宇治に身をおいておけば逃げではなく環境のせいにできるということです。3期終盤ほどじゃないですが、この時点でも奏者としてのプライドがある一方で現実もみてるんですよね、そこまで大成しっこないと。いろいろなしがらみがあるけどそれを自分の中で消化できるほど心が成長していないんですよ、中3~高1なんて。でもこの数ヶ月でちょっと成長したんです!だからこそ絞り出した、「リセットしたかった」なんですよね😭
もう~~久美子抱きしめたい!!本当に等身大で桜木花道みたいな、不器用だけどやれることに一生懸命な主人公です。久美子がユーフォの主人公で、本当によかった。

『響け!ユーフォニアム5話』より

後悔していない。
いい、あまりにもいい。なぜ後悔してないか、そんなの言及するのは野暮です。なんでもいいじゃないか青春なんだから。みどりや葉月との日々が楽しい、ユーフォがうまくなる日々が楽しい。そんな当たり前を後悔せず楽しめてることが、ただただ嬉しいのです。

『響け!ユーフォニアム5話』より

立華の演技が始まる。颯爽としたステップに一糸乱れぬ演奏。まさに超高校級です。

『響け!ユーフォニアム5話』より

すっかり会場の空気にアテられる部員たち。すると…

『響け!ユーフォニアム5話』より

紫電一閃、麗奈がトランペットをヒュルラ~と奏でる。ここの描き分け要チェックです!わかりますよね?ほとんどの部員は「おいおい今音出す?!」なのにあすかは麗奈の底しれぬ胆力(全国行くにはコイツがいるという確信)への脱帽感を、あすかは自分を脅かす存在への畏敬が確かに表れているんです。このあすかの顔!おふざけモードでも真面目モードとも違う、作中でこんな顔、他に1,2回したかどうかですよ。ユーフォって少年漫画の王道を行ってるんですよね。こんなの、主人公かライバルが覚醒して師匠がビビるシーンじゃないですか(その力がやばいと気づいてる人と気づいてない人がいるやつ)。京アニさん、毎話毎話なんて演出を仕込んでいるのか。

『響け!ユーフォニアム5話』より

音楽は競うものじゃないが、北宇治の実力をしらない観衆に力をみせつけてこい!
麗奈の一閃と滝の激励が、部員たちの士気を確かに高揚し、迷いはすっかり晴れたのでありました。

『響け!ユーフォニアム5話』より

曲は往年の名曲RYDEEN。すばらしい演奏とステップなどで、観衆の目は釘付けになる。地獄の日々が結実し、かくして初陣は上々の出来となったのでありました。

『響け!ユーフォニアム5話』より

久美子の燃え尽きたシーンで終了。もやが一枚晴れた感覚だったのでしょうか。まだまだこの先艱難辛苦が待ち受けますが、今はこの達成感に浸るだけというのも悪くない。

編集後記
ということで5話でした。久美子の内面を窺い知れたり演奏を聴けたり、ユーフォがまた名作の階段を上がった回だったと思います。こうして振り返ると、丁寧にキャラクターの成長が描かれてて本当に素晴らしい作品ですよね。キャラとキャラの心情が織りなす複層構造が、他になかなか類を見ないと思います。それでは、また次回。














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