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響いた!ユーフォニアム~9年の軌跡~1期第2話
©武田綾乃・京都アニメーション
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対麗奈のイメトレを始める久美子。当然まだこの段階では雪が溶けてないので、麗奈とは勝手に冷戦が続いていると思っているんですね。ハグーがかわいい。
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「わたしがあやまるのかー」
人生のあるあるというか真理というか。自分が思ってるほど、相手は自分のことを気にかけていないものですよね。ご多分に漏れず本件でも、後でわかることだが麗奈は久美子について性格わるいなー程度にしか思ってなかったのです。ユーフォの魅力のひとつに、こんな「人生あるある」が多数登場するという点があると感じます。
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ユーフォとの邂逅。希望者がいないとのことで、なんとなしに始めたというのがきっかけ。これから襲い来る艱難辛苦を、まだ知るよしもない。
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ちなみになぜユーフォニアムなのか?という問には、楽団におけるユーフォのポジションが、部における久美子のポジションと似てるというのが個人的にしっくりきます。あとトロンボーンと調和するというのがあるらしく、ニヤリとしました。
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そしてパート紹介開始。そして私が一番好きなキャラ、中世古香織の登場だ。とにかく人間臭く、またある種視聴者が作品の中に入り込んだかのようなキャラであり、作品で伝説となった回の当事者でもあります。とにかくこの等身大の"噛ませ犬"が、たまらなく好きです。
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晴香とあすかの夫婦漫才。この軽妙なやり取りでキャラを印象付けといて、後々ひっくり返すとは京アニ恐るべし。全く関係ないけど女性陣の男遍歴というか、告られた話を集めた話がみたい(切実)
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ツダケン枠兼貴重な男枠。りこと付き合っていて、この二人はもう二人だけの世界を築いていて作品中でも異色を放ってますね。村人Aみたいな。
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サファイア、発進ーーーー
ここでサファイアの経歴が明らかになり、吹奏楽名門校の聖女出身であることが判明する。そんな彼女がなぜ弱小の北宇治に?それは小説だと語られているが、まだ今は伏せておくとします。なんにせよ北宇治は強力なカードを手に入れました。もうこの時点で強者の目をしている…
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低音パートへ勧誘するあすか。久美子は高校では別の楽器も考えていたため、経験者であることは伏せています。ユーフォを変えたいのは姉との確執、麗奈への遠慮、いろいろ想いがあってのことでしょう。サファイアは好きな楽器をやるのがいいと、久美子をフォローするのであった。
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電流、走る。
きました、名シーン。これなんですよね、京アニの演出の恐ろしいところ。和気藹々としたパート勧誘の場面から一点、雷鳴を鳴り響かせるんです。
それは麗奈が、自身のトランペットの腕前を披露した瞬間でした。すぐさま部内の実力者や上級生はハッとするのです、今年の北宇治はもしかしたら…と。みんなの表情から、それぞれこの時何を思ったのか、完結したいまなら色々と想像できる点がまた面白いですね。
なんというかこの少年漫画の強キャラが登場するシーンを彷彿とさせる演出。私はユーフォはスラダンの吹奏楽版だと思ってるので、本当にここは鳥肌がたったのを覚えていますし、あと何回あるかわからない「このアニメは本気だ」と思わせてくれたシーンです。
ユーフォはこの平時のシーンから急にシリアスになる展開が本当にうまい。これは京アニの為せる技だと思っています。
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間違えてチューバのマウスピースを買った葉月ちゃんかわいい。あすかはそんな葉月ちゃんの肺活量に目をつける。陸上部出身なのでフィジカルには自信があります。
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幼馴染との邂逅。2年離れており、久美子はちゃんづけで呼んでいますね。この葵も本当にいい味を出すキャラです。
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リーク界隈の葵にユーフォ経験者であることがバレ、尋問室へ…
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魔王降臨。櫻井枠であり、また貴重な男枠。彼の人生もまた、後々視聴者の心を打つのであった。
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これが去年の目標でしたよね。
北宇治は全国を建前上目指しています。しかし晴香はスローガンみたいなものですしと注釈をいれ、すると滝は目標をバツ印で消してしまう。たまらず残念がる久美子。
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自主性を重んじる滝は、方針を部員に決めさせようとする。まぁ確かに民主的というか、自分も同じ立場ならそう言ってしまうかもしれません。難しいディレクションですよね。
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これだけ人数がいて決められる訳ないと、多数決を提案するあすか。いいですね~この狂犬ぷり。柔和なイメージを裏切るこのスッパリとした性格。このあたりからあすかのことが気になり始めました。…そしてどうぞと答える滝。
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全国出場の側で手を挙げることに戸惑う久美子。しかし中学の時の麗奈との軋轢(思い込み)が二の足を踏ませる。一方の麗奈は当然挙手。
いよいよこのユーフォニアムが、さまざまな感情が渦巻くドロドロの3年間へと進み始めるのです。
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反対に全国を目指さない側でただひとり手を挙げる葵。この舞台装置が、遅効性の毒のように三期の最後に効いてくるんですよね。葵はものすごく我々大衆寄りの人間です。多くの人間は色々と理由をつけていろんなことを諦めますからね。ここで手を上げた葵が、誇らしくもかわいくも思えるのです。
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声が小せぇ!と部員を一喝する滝。待っているのは天国か地獄か…
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葵:きっと、そうするしかないんだよ。みんななんとなく本音を見せないようにしながら、一番問題のない方向を探ってまとまっていく。学校も吹部も、先生も生徒も。
久美子:どうして?
葵:そうしないとぶつかっちゃうからだよ。ぶつかってみんな傷ついちゃう。
久美子:あおいちゃん…
葵:ん?
久美子:じゃあなんで手を上げたの?全国行くか訊かれた時に。
葵:そうね、アリバイづくりかな。
久美子:アリバイ?
葵:私、そろそろいくね。久美子ちゃんも気をつけた方がいいよ。三年なんてあっという間だから…
きました…😭
すいません、ここから長いです。
私の中で、ユーフォが古今無比の名作への階段へと登り始めた瞬間です。
恐ろしくないですか?三期のラスト2話を見終わったあと、真っ先に思い出したのがこのシーンなんです。アリバイっていうのは、言い訳や口実ということですからね。正直ユーフォのメインテーマが言い訳や口実であり、そこをどう現実が上回るか、打ち克つかという話だと思ってます。だってみんなそうでしょう、実像と虚像を持ってますから。でも葵ちゃんは作中でほぼ唯一表裏を早くから見せ、いち早くモラトリアムから脱出した存在でもあるんですよ。物語の冒頭で主人公がいったセリフなどが、終盤で回収されるみたいな洋画の演出ありますよね。あれに似た感覚を覚えたシーンです。とにかくどのキャラが何をするにおいても、このアリバイづくりというワードがどこまでも呪いのようにつきまとう訳です。なんという恐ろしい演出ですか、これ。
そして!私のナンバーワンユーフォ楽曲の「運命の流れ」のノンアレンジ?原曲?の初だしでもあるんですよ!「運命の流れ」ですよ、タイトルが。そしてこれが作中で最後に使われるのがどのシーンかわかりますか、"あそこ"ですよ。そしてそのシーンはユーフォのメインテーマである"アリバイ"の総括が行われるシーンであり、また久美子が葵よろしく、モラトリアムから脱するシーンなんですよ???あ~言っちゃった…もうここで言っちゃった…温めておいたのに…
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この葵と久美子のシーンは問いかけであり暗示なんですよね。久美子と視聴者への。そしてアンサーは最後にくる。なんて壮大な仕掛けなんだと、三期終了後に本当に感心しました。花田十輝恐るべし。まだまだこのシーンは語りたいですが、そろそろお開きにしましょう…
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高校もユーフォだね。
そう、麗奈は中学のことなんて気にもとめてなかったんです。人生あるある。久美子も杞憂だったと胸をなでおろしました。このトゲのないぽかんとした顔かわいい。
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そして魔王の暗黒微笑で完。しかも運命の流れのフル尺がぴったり終わる演出…にくい…にくすぎる…
編集後記
ということで二話でした。総括するとユーフォが名作の片鱗を見せた回でしょうか。ただの萌えアニメじゃないと、そう視聴者に爪を立てた回でしたね。例のシーンは筆がのりにのりました。永遠に心に残る、ユーフォのフックとなるシーンでしたね。では三話をおたのしみに。