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響いた!ユーフォニアム~9年の軌跡~1期第8話
©武田綾乃・京都アニメーション
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久美子はん!付き合っとるんどすか!?被告人は否認しまぁす!
ということで8話は色恋からです。付き合っていないと否定した後に葉月の目が大きくなる演出、またまた技巧が光りますねぇ。
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詰問され、ちょっと気になって入る、あがた祭りに一緒に行きたいなど素直に答える葉月。葉月のこの真っ直ぐさが素晴らしい。北宇治吹奏楽部に唯一の素材じゃないでしょうか。この真っ直ぐさが久美子を始め、今後入部する下級生にも精神的な支えになっているんです。唯一無二の存在ですね。
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あがた祭りの解説が久美子ナレーションで入る。
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香織を誘う優子だが、あすかと晴香と行くのでと断られる。憧れとはいえ上級生を誘う優子、メンタルSSか。
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邪魔だってさぁ~ うっさぁ~い!
ここすき。
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久美子を見つめる麗奈でアバン終了。OPへ。ラブの波動があちこちに渦巻いてきました…
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りこと後藤のコイバナ。後藤の「付き合ってないのか、俺達」がクールでいいですよね~。恋愛なんて門外漢とおもいきや、ちゃんとしている!
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みどりから先輩はどうなんですか?とあすか。いや~実際モテモテですよね、こんなのが同級生にいたら。香織も絶対モテる。
まぁこのあたりの百合というか同性愛描写は、そうです!と明言はされていないけどグレーゾーンという感じになっていますよね。対象的に別作者ですがヴァイオレット・エヴァーガーデンのイザベラヨークは恋をしていたと明言されましたが。今回のケースはなんでしょう、精神的に大人な人への憧れというか。女性は男性より同性同士の距離が近いので、恋なのか友情なのか、線を引きづらいですよね。香織からあすかに情熱的な手紙がしたためられたりペアリングしたり同棲したりしながらも、ソウルメイトのような域は出ていないのかな?と感じています。男親との確執があると云々、あすかはなんだかんだ男が出来て香織は一人になり、35歳くらいから婚活しそう…いやまぁ筆者的にはずっといっしょに暮らしてほしいですよ。
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葉月ちゃんはですねーと口を滑らせそうになりチョップをくらうみどり。かわいい。
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演奏で重要なところを訊かれ、いつもの調子で世界観全開のあすか。
滝は「今の田中さんの舞はなかなかのものでした。あのように自由奔放で恥ずかしげもなく、ここの音は軽やかにそして勇ましく。」と評する。
こういう少年漫画的な演出、大好物です笑 ふざけてるようで実はかなりの強者。あの滝がここまで褒めるということは、相当な実力者なのでしょう。当然裏には凄まじい研鑽があってのことです。
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麗奈と目が合う秀一。
いや~これを言うと反感を買いそうではあるんですが、割と筆者は麗秀押しであります。麗奈と秀一って結構二人きりで仲が良いシーンがあるんですよね。もちろん作品的にもそれは秀一と久美子の関係ありきで麗奈はサポーターと分かっているんですが、それでも。麗奈の恋は叶うはずがないし、秀一と久美子は20代後半で別れそう(偏見)なので、久しぶりに会ったふたりが…みたいなね。この時の秀一は何を思ったんでしょうねぇ。学年でも目を引くほどの美少女と目が合えば、そりゃ色々勘違いもするでしょうし、久美子でなく麗奈にしようかななんて色気を出しているのかも。秀一にしたってイケメンですから他にもモテてそうです。というか女性社会の吹部で秀一の存在はかなり危険ですよね笑
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このパンチめっちゃすき!!!この、あれ!あれです!男同士のコミュケーションを女の子にやるのすき!!!!!!
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吹部談義をするふたり。ふと思い出しましたがあの版権絵好きなんですよ、ここには貼れないですが、久美子と秀一がお互いの楽器を交換しているやつ。こういう雰囲気で遊んでいたのかなぁと妄想してしまいますね。
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もっとうまくなりたいね。
久美子の心境が段々変化していきましたね。この秀一の挿絵、一瞬ですがとてもいい表情です。吹けないところをあすかに指導してもらったり、技術的な壁にぶつかりつつある久美子。奏者としての矜持が生まれ始めています。
月並みですが、挑戦して壁にぶつかって乗り越えるというのは本当にかけがえのない経験値になると思います。
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秀一「あがた祭り一緒にいかね?」 久美子「は、なんで?」
眩しい!眩しすぎる!このド直球な青春要素もまたユーフォの味ですよねぇ。そしていいや、考えといてと言い去る秀一。分かる、万一断られるのが怖いから回答を先送りしたいんですよね。
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思考回路が混線する久美子。思考回路…ときたところで「ショートか!?」と思いましたけど、まぁ流石にパロるのは少々リスキーですか…
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現状を整理する久美子。秀一の誘いに乗ると、葉月とみどりに不義理を働くことに…!これはまずい!
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練習中に秀一くんと、チョオオオ!裏の事情は知らず盛り上がる二人。か、かなしい、、
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練習中に秀一と目があい、そそくさと部室をあとにする久美子。この仕草が秀一には、外に来いというメッセージに見えてしまう。なんという思春期脳!初々しいですねぇ。
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秀一が部室を出たタイミングを見計らってヨシ!する葉月。がんばれ葉月ちゃん!
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勘違いした秀一と久美子。合図しただろ?してないよ?の応酬がもはや熟年夫婦や!「なんでそれが合図になるんだよぉ」の言い方すき。
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あがた祭りの話を振られ、とっさに部室から出てきた人の手を掴み「この人といくんだよね!」と久美子。しかしそれは麗奈だった。なんという運命力。
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意を決した葉月ちゃんが秀一を誘う。
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久美子にいってきなよと言われ、いいのかよと返す秀一。再度久美子に念を押され、あっそと秀一。秀一としてはとりあえずライバルが男じゃなくて女でよかった、というところでしょうか。それでも一緒に行きたかったでしょうねぇ。
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玄関で麗奈に会う久美子。「ねぇ、何時にどこ集合?」と乗り気の麗奈。
なんだかんだ究極にストイックではないところがかえって超人ぽいというか、たまに息抜きするのも大切といったところなんでしょうかね。
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Bパートへ。先生から高校生らしくあるんだぞと説諭。
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練習が早く終わり、浮ついた面々。そして貴重な優子×みぞれ。南中カルテット好きです。
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りこ「どうかな?」
後藤「かわいい」
りこ「ありがと」
はい、特にコメントはないです笑
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やっぱりこの三人で祭へ。めっちゃ声かけられそう。
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なんだかんだ一緒に来てるじゃないですか~
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コントラバス星ではクローン技術が発達している。妹のコハクちゃんです。
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葉月ちゃん、今日めちゃくちゃかわいいですよ!
これから大一番に打って出る戦友を鼓舞。みどりの人間性には本当に頭が上がらないですよね。
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秀一と合流する葉月。にしてもこれ久美子へのアテツケと女の子と出かけるというイベントの希少性を秀一はとったのだと思いますが、にしては舞台が学校のみんなが来る祭というのは少々リスキーですよね。若干の違和感があるシーンでもあります。
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世間に抗い山登りをする久美子と麗奈。麗奈はん、それ山登りの服やあらへん。
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きました、運命の流れ。しかも原曲です。この曲が流れる時はほぼ演出上重要なシーンがくる合図ですよ。
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麗奈「制服着て学校行って部活行って家戻って…なんかたまにそういうの全部捨てて、18切符でどっか旅立ちたくなる。」
久美子「それはちょっと分かる気がする。」
麗奈「これはその旅代わりみたいなモン」
久美子「ずいぶんスケールちっちゃくなっちゃったね」
いい…いいなぁこのシーン。いや曲の魔力であって大げさかもしれないですが。それでも久美子と麗奈が一気に距離を詰めたエピソードではあるし、こんな破天荒な行動に共感することでお互いの親和性を感じたんでしょうね。
いやーわかりますよねぇこのセリフ。私もたまに思いつきで海に行ったりすることがあります。ルーチンに乗るだけというのは簡単なんですが、なんか見えざる大きな力に従ってるだけなような気がして。某社会学者が人生を豊かにするコツとして「ランダム性を日常にもたらすこと」だと言ってました。人は心地よいものだけで身の回りを固めると、かえって落ち着かないそうです。これ結構身に覚えがある方いるんじゃないでしょうかね。
この時の麗奈がそういった心情だったかどうかはわからないですが、学校生活だけで身を固めている日常に鬱屈としていたのは事実だと思います。それでは演奏も上達しないと感じたのでしょう。
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持つ楽器を交代しようという麗奈。髪を結わえる作画がぬるぬるです。
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久美子に足痛くないの?と訊かれ、「痛い。でも痛いの嫌いじゃないから」と答える麗奈。久美子は「なんかエロい」と返答する。そして…
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ッヘンタァイ…
その顔で言うかい!
そして運命の流れも同時に終わる。いやー久美子と麗奈の心の距離が近づくシーンだけに、確かに運命が動いたといえるんじゃないでしょうか。そして仮に久美子と麗奈が仲良くならなかったら、と考えるとユーフォはどう進むでしょう?
カオス理論じゃないですが、まぁ平たく言って久美子がそこまで演奏の腕というものを追い求めなかったかもしれませんよね。当然ラストのカタルシスもない。そう考えるとあの部室の前で腕を掴んだイベントが運命の分岐点だったわけですね。大げさに聞こえるかもしれないですけど、結構マジです。運命というか、運というか、自分がハンドルを握れない領域というのは絶対にある。
そしてですね、非常に興味深いことにこの後のあすかのセリフに、「楽器も音楽も全部自分次第でどうにでもなるのに、神様に祈るなんてもったいないよ」というものがあるんです。この演出恐ろしくないですか?運命の流れの後にこのセリフですよ?じゃあ何なら神に祈って然るべきなのか、というのが問われているんです。演奏の上達は練習の多寡と才能、そして環境で決まる。その環境とはなにか?それこそが運であり運命です。あすかは何を祈ったんでしょう、親のことや下手な部員のことでしょうか。この自分で決められないまさに神のサイコロは人生の至るところにあり、また北宇治吹奏楽部にも当然あるんですよね。その描写!血の滲む努力で覆せない摂理!その無情さがユーフォの醍醐味であり、まさに運命の流れという稀代の名曲が示していることだと思うのです。まだ言及したくないですが、真由の登場だってね、運命ですよ…だめだ、筆が止まらないのでこのへんにします笑
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わたし、塚本のこと好きなんだけど!
160kmストレート火の玉ボール!葉月ちゃんかっこよすぎるよ。
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ごめん…
秀一は首を縦には振りませんでした。いやーここの間がすごい。葉月ちゃんの瞬きと景色のカットインがすばらしい。1年生編は2クールなのでこういった描写が多くて本当に見どころが多くていいですよね。
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あたしが久美子との間とりもつわ!チューバは影で支えるのが仕事なのだよ!
どこまでまっすぐなんでしょうね。常に全力投球、泣く時は泣き、辛い時は辛いといい、辛そうな部員は声をかけて助ける。ある意味では久美子より主人公しているような気さえします。葉月ちゃんに幸多からんことを…
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麗奈「久美子と遊んでみたかったの。久美子って性格悪いでしょ。中3のコンクールの時、本気で全国いけると思ってたのって訊いたんだよ?」
久美子「いや、アレは純粋に気になったっていうか。ていうかそれやっぱり悪口…」
麗奈「違う。これは愛の告白。」
久美子「どう考えても、違うでしょ。」
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麗奈「当たり前に出来上がってる人の流れに、抵抗したいの。全部は難しいけど。でもわかるでしょ、そういう意味不明な気持ち」
久美子「わかるよ、高坂さんの気持ち」
麗奈「…麗奈」
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麗奈「私、特別になりたいの。他の奴らと同じになりたくない。だから私はトランペットをやってるの。特別になるために。」
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久美子「トランペットをやったら、特別になれるの?」
麗奈「なれる。もっと練習してもっとうまくなればもっと特別になれる。自分が特別だと思ってるだけのやつじゃない。ホンモノの特別になる」
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麗奈「やっぱり久美子は、性格わるい」
…はい。シリーズでも屈指の名シーンというか、印象的なシーンですし、特別になるというのはユーフォの数あるテーマのひとつでもあります。
特別といっても難しいですよね。大体の人間は社会に出れば埋もれるわけで、まだ一地方で埋もれている麗奈がどこまで勝負できるのかはわかりません。筆者的には麗奈の特別になりたいというのは、滝との恋の成就の当て馬でありバロメーターなんだと思うんです。麗奈は賢いので、普通の社会観念からいって高校生の自分と先生が結ばれることなんてほとんどありえないと気づいてる。もしあり得るとしても、その難易度は世界で通用するトランペッターになるよりも高いと感じているのでしょう。少なくとも在学中は恋が実ることはないですから、その間はとにかく奏者として成功し特別になれるかどうかが、滝との恋が成就するかどうかの一指標になると考えているんだと思っています。でもそんな麗奈が部員と融和するさまも、また本人の成長でありユーフォの見どころなんですよね。
一方で奏者としてはどこまで望んでいるのでしょう。これくらいの年代の子はどこか自分だけは違う、という感覚みたいなのを持ってるってあるある=麻疹みたいなものじゃないですかね。地頭、学力、運動神経、何かちょっとでも他人よりできることがあるとひょっとして日本中を相手にしてもやれちゃうんじゃ、みたいな。でも大学に行ったり社会にでると大したことがないことに気づいてしまうんです。ただそういう人間って灯台になるんですよね。精神支柱じゃないですけど、部活でめっちゃうまい人がいると試合で安心しませんでした?自分は結構心当たりがあります。
元は麗奈が主人公の予定だったけど、全体を俯瞰するキャラが必要ということで久美子が用立てられたと作者が言っていました。実際久美子でよかったなと個人的には思います。ユーフォは群像劇なので、いろいろなところにアンテナを張ってる久美子の方が適任だと、完結したことでなお一層強く感じます。一方で麗奈の描写を増やして、挫折は観てみたかったなぁとも思います。留学とかプロ編のスピンオフやってほしいですよね。久美子にとっての真由のようなライバルが絶対にいるはずなので。
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久美子「何やるの?」
麗奈「中3の時やったやつ。送別会の」
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世界中の優しいものを 全部集めてみたとしても
あなたの手に 包まれてる
この場所には敵わない
あなたが今 笑ってくれる
それだけで生きてゆける
あなたの手に 包まれてる
この場所には敵わない
愛を見つけた場所
©奥華子
きたー!「愛を見つけた場所」!しかも特殊EDですよ!こういう演出にめっちゃ弱いんですよね。ちなみに吹奏楽監修の大和田さんが一番好きな曲らしいですね。個人的に奥華子さんは昔から聴いていたので、流れてきた時はイントロでピンときて興奮したのを覚えています。この歌詞もまたすばらしい。秀一への恋心を抱いている葉月と、また麗奈と久美子の関係性にマッチしてるんですよね。思春期は相手への好きという感情がlikeなのかloveなのかproudなのかわからないといいますが、その辺りの感情もよく表現できてると思います。
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祭を楽しむ面々。そして…
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n回目の号泣…😭😭😭
ここ直前の葉月の仕草的に、「たこ焼きとか焼きそばとかめっちゃ食べたよ!ちょーうまかった!」みたいな感じなんですよね。で、ここのみどりですけど、個人的には「…ダメだったんですね」だと思うんです。デリカシーがないんじゃないですよ、気丈に振る舞う葉月が今夜ベッドで苦しまないように解放してくれる最大限に気遣われた優しい言葉なんですよ。そしてこれを言える二人の関係性!それこそが一生残る何にも代えがたい宝物なんじゃないですか。あなたの手に包まれているこの場所なんじゃないですか。全国金よりも尊いものをもう持ってるんじゃないですか。少年少女達は部活動を通して、寒風吹き荒ぶ社会の荒波をわたっていく術を身に付けていく物語なんだと、感じたのでありました。
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では、オーディションを始めます。そして次の曲が始まるのです。
編集後記
な、ながかった…今回6700文字です…
いや~流石に関係性が深掘られてきて、言及する箇所が多くなってきましたね。でもそれだけに執筆も面白くなってきました。葉月の失恋、久美子と麗奈の和解、2つの重厚なストーリーがうまく交差していましたね。この8話は本当に演出が印象的な話で、当時始めて見た時も衝撃を受けたのを覚えています。さてさて次はいよいよオーディション関連の話がスタートです。これからも目が離せないですよ。