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第百三十五夜 『舟を編む』

「文章を書き続けるのってなかなかスイッチを入れるのが難しいです。」

「私は毎日、カフェでお昼に書くようにしてますよ。あとは夜家でですかね。」

人により創作というのはそこに入るまでの所作が違うのである。
彼は毎日ポエムを書いている。それは日課であり習慣化されたものである。

一方、私はこの千夜一夜物語を執筆するにあたって、割と自分の食指が動くのを待つタイプなのである。書ける日は日に3つでも4つでも物語が書けるものの、書けない日は1文字だって書けない。

しかし、そのオンオフの条件は明確に理解している。

仕事の予定が詰まって、日に商談が複数件あった時などはまず書けない。

仕事のスイッチが入っていると書けないのである。

そのためジムの後、寝る前、朝起きてすぐなど仕事のスイッチが入る前に執筆に入る。

そのため彼の執筆方法である毎日、ランチの時間にポエムを書くという方法は、全く理解ができないのである。

「書く文章の違いもそう言ったところから出てくるのかもしれませんね。」

「そうですね。でも私が直接書くと炎上してしまうでしょう。だから千夜一夜物語はあなたに任せたいんです。」

「それは言えてますね。」

彼の書く文章は時に過激で攻撃的であることもある。際どい描写どころか直接的な描写や表現が多い。
それを大衆の面前に晒すことは危険かもしれない。

私はそれらを濾過して物語に認める。
そうして、アメリの千夜一夜物語は抽出されていくのである。

物語の続きはまた次の夜に…良い夢を。

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