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第百八十六夜 『老後の資金がありません!』
「老後2000万円問題という言葉が聞き慣れてきた方も多いのではないでしょうか。」
私はかつてFPの資産形成セミナーの導入でこんな台詞を幾度となく繰り返した。
『老後2000万円問題』は実に今年で5周年だというのだから驚きである。
『人生100年時代』を迎え、老後を今までの20年間から30年間と仮定し直した際に2000万円ほど不足が出るというその言葉はセンセーショナルに巷を沸かせた。
誰しもが老後に不安を持つきっかけとなり、同時にファイナンシャルプランナーという職業が人気の資格ランキングに入るようになっていった。
FPの資格自体には専任業務があるわけでもないのにだ。
さて、ゴールデンウィークが明け、連休を優雅に過ごした会社員が目にしたものは絶望だろうか。それとも。
『老後4000万円問題』。
この言葉がメディアでまたもセンセーショナルなデビューを果たしたのである。
「そもそも、老後2000万円問題とはどういった条件かご存知でしょうか…」
「公益財団法人である生命保険文化センターの出している調べでは…」
「不足額は単純に見積もっても5400万円…」
「不足額はあくまで条件として、現行の年金制度が破綻しない前提です…」
「物価も変動します。物価の変動に備えた資産をポートフォリオに入れていますか…」
繰り返そう。これらは私が5年前からセミナーの中で発言している内容である。
そして、同時期に同セミナーを登壇したFPであれば誰しもが理解していた内容である。
今からでも遅くはない。
まずは現在地を確かめるのである。
不足額を知るべきなのである。
我々FPはライフシミュレーションを通して、将来の不安を可視化することを。
相談者はその不安を解消するための策を選ぶことを。
一刻でも早く日本国民が世帯毎のライフシミュレーションを。
お金の健康診断を当たり前にする世の中を。
実現すべきなのである。
それがFPの責務なのではないだろうか。
物語の続きはまた次の夜に… 良い夢を。