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第二百二十夜 『蒲団』

「欲求の強さは、その人のエネルギーに直結していると思いませんか。」


彼からきたポエムを読みながら私はそんなことをSに言う。

普段、食事に節制している彼も、お酒が入るとそのリミットが外れ大食漢となることがある。


見ていて私では食べきれないんじゃないかと言う量を食べる。それでいて、飲む。


「欲の強さですか。」


「先日、Tクリニックの委員長の食事の動画がSNSで流れてきたんだけど、がんを患い、結構な高齢にも関わらず、相当な量の食事を摂っていたんだよね。食欲に限らず、制欲だろうが、物欲だろうが、人間の欲求と言うものはイコールでエネルギーに成り得るんだろうな。」


私とSは所謂「ゆとり世代」と言われ、その後ろに「さとり世代」やら、「Z世代」など様々なレッテルを貼られながら、若者はいつの時代も生きるのである。


「一般に我々は物欲がない世代と言われてますからね。」


「通貨危機だとか、日本は終わりだなんて吹聴する輩もいるけど、世界で見たら十分すぎるくらいの国だし、基準値が高すぎて、生まれた瞬間に欲のほとんどが満たせる環境が用意されているからね。特殊なケースはあるものの。日本人は豊かな部類だよ。」


「良い時代ですね。」


「彼みたいな物言いだね。」


「そういうつもりではなかったんですけどね。」


Sは笑いながら返す。


実際、どの国の国民に聞いても自分の国に不満を持つ人は多数派らしい。

今の生活への不満を国や自分よりも大きい母体のせいにしたいのだろう。


しかし、それらの不満をフラットに平すことができる傑物などまず出てこないだろう。


いわんや出てきたとして、それは極端な社会主義国家に進むか、資本主義国家を加速させるかの2択となる。


その時、不平不満を言っていた人間は突きつけられるのである。社会主義であれば平等の元の貧しさを享受せよ、資本主義であれば自分でどうにかしろと。


現代の日本においては、ある程度のお金を生み出すことができるようになれば、非常に住みやすい環境が整っている。


アメリはそういった環境で誰もが、努力次第で今よりも資産を築ける社会を環境を整えなくてはいけない。


一つはFPとしての資産形成のお手伝いで。


一つは本業から雇用を創出することで。


一つは副業を支援し、新たなライフシフトを支援することで。


不平不満というのはトドのつまり、欲求の行き場のなくなった状態である。

それらの欲求をエネルギーにできる環境をわかりやすく提供できれば、世の中はより良くなるのではないだろうか。


物語の続きはまた次の夜に…
良い夢を。


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