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第三百八夜 『田舎のネズミと町のネズミ』
イソップ寓話。
ペリーインデックス352番。
往々にして物語。とりわけ童話や寓話、御伽噺にフェアリーテイル。古くから伝えられている物語には教訓が込められている。
この物語も多分に漏れず、教訓を得る寓話だろう。
幸せの基準は人それぞれである。
外敵のいない田舎で暮らすネズミは、町に住まうネズミにとって退屈な生活を送っているように見えるだろうし、逆に危険を顧みず町での生活を送っているネズミを、田舎のネズミは理解できないだろう。
これらの教訓話は生存者バイアスがかかっているものの、やはり、時代が移り変わろうとも人が受ける教訓は変わらないというある種の普遍性を物語にしているわけだ。
尊師の兵法を政治家が学ぶように、それぞれの国の寓話にはそれぞれ残す意義があるから伝承されていく。
FPという仕事柄、我々が扱う幸せの尺度は「資産」、換言すれば「お金」なのであるが、やはりそのゴールも千差万別なのである。
資産という手段を用いて何をするのか、それはその人の人生の目的において大きく位置づけを変える。
ライフシミュレーションや資産形成はなんのために行うのか。
とどのつまりが、自身の目的を達成するために必要なのである。
ある人は老後資金を。
ある人は開業資金に。
ある人は趣味に没頭するために。
研究のため。
少しでも多く家族に残すため。
自身の好奇心を満たすため。
三者三様。
十人十色。
千差万別。
当たり前のことであるが、全く同じ目的の人などいないのだろう。
だからこそ、FPという仕事はおもしろい。
多種多様な選択を、伴走者として追随していくことができるのである。
私は人の人生を一つの小説、物語だと思っている。
そして、自身の仕事はその物語のいくつかのチャプターに出てくる登場人物となることである。
こうしてさまざまな人の物語に進出鬼没に現れる登場人物であり、その物語の終演までの手助けをする裏方に徹し、物語の締めくくりをハッピーエンドにするお手伝いができること。
実はFPという仕事はそれができる仕事の一つなのである。
物語の続きはまた次の夜に…良い夢を。