詰甘
先週から退職届を提出できずにいた。
提出したい旨を連絡したら、その他の確認があるから待ってと言われ、しばらく待ちの状態が続いていた。
それから一週間経ち、いつ渡せるんだろう、またこちらから打診してみようかと悩んでいたときに上司から連絡がきた。
退職届に記載する提出日、最終日に返却するもの、サインする書類についての内容だった。
このチャットがきたとき思わずにやけてしまった。
それは、ようやく退職届が渡せること。そして、話が進んでいることから嬉しさが込み上げてのものだった。
「浮かれるな、まだ終わっていない。」
自分に言い聞かせながらも、やはり笑みが浮かんでいた。
仕事終わりに提出することになり、オフィスからロビーに移動した。
業後だったのもあり帰宅する人が多いと思っていたら、誰もいなくて自分達の声が響くぐらい静かだった。
近くのソファーに座り、かばんから退職届を取り出し上司に渡す。
人生初の退職届を渡すという体験はもっと緊張するものかと思ったが、意外とそこまでの緊張もなかった。
その場で書類を確認してもらったのだが、ここでまさかのことが起きる。
退職届の提出の場合、「退職いたします」と言い切る書き方が正しいのだが、「お願い申し上げます」と書いていたのだ。
ああ、何やっているのだ。とんだマヌケ。詰めが甘い。
時間を作っていただいたのに大変申し訳ない。
結局、書き直すことになり、本日、無事に渡すことができた。
初めての退職届を渡す体験は、気の抜けた感じになってしまったが、終わりよればなんとやらと言うし、ひとつ勉強になったと良いように捉えるか。