メドトロニック(MDT)の5-7月決算:成長する医療技術のリーダー【5-7月/Q1,2025】
メドトロニックは何をしている?
医療機器メーカー大手、メドトロニック(Medtronic plc, MDT)は、アイルランドのガルウェイに本社を置き、心血管疾患、神経疾患、糖尿病などの分野における革新的な治療法を提供。1950年代にペースメーカー(電池式体外型心臓ペースメーカー)の開発で先駆、この分野で世界首位。M&Aにも積極的で、現在では広範な医療機器とサービスを展開する多国籍企業に成長しています。
第1四半期(5-7月/Q1, 2025)の決算は?
メドトロニックの1年間の会計年度は、4月まで。今四半期からは、2025年度の4月までの1年間となります。
発表した2025会計年度第1四半期(2024年5月〜7月)の決算は、以下のような成果を収めました。
調整後売上高: 80億400万ドル(既存事業ベース5.3%増)
部門別
心臓血管:30億ドル
神経科学:23億ドル
メディカル・サージカル(医療外科):19億ドル
糖尿病:6.5億ドル粗利益率:65.9%
営業利益率:24.4%
売上高に対する研究開発費用の割合:8.4%
純利益(GAAP基準): 10億4,200万ドル
純利益(非GAAP基準): 15億9,200万ドル
GAAPベースの1株当たり利益(EPS): 0.80ドル
非GAAPベースの1株当たり利益(EPS): 1.23ドル(前年同期比36%増)
心臓アブレーション、神経調節、スパイン(脊椎)、ストラクチュラルハート(構造的心疾患)、糖尿病分野での堅調な成長が大きく寄与しています。
メドトロニックの製品とサービスは?
心臓アブレーション・ソリューション
不整脈治療用の最先端技術を提供。新製品や手法の普及により、安定した需要を確保しています。神経調節
慢性疼痛や運動障害を治療する神経刺激装置。糖尿病治療
インスリンポンプや持続血糖測定(CGM)機器が市場で評価を得ており、売上の拡大が期待されています。ストラクチュラルハート(構造的心疾患)およびスパイン(脊椎)治療
ミニマルインベイシブ技術(低侵襲手術)の採用が進み、患者の負担を軽減しながら治療成績を向上させています。
ガイダンスを上方修正した理由は?
メドトロニックは、2025会計年度の売上成長率とEPS(1株当たり利益)のガイダンス(会社見通し)を上方修正しました。以下の要因を同社はあげています。
市場シェア拡大
新製品の投入や既存製品のアップデートにより、競合他社との差別化を図っています。地域別の成長
特にアジア市場での需要が堅調で、売上のグローバル成長を牽引。オペレーショナル効率の向上
サプライチェーン管理の改善や運営コスト削減が利益率の向上に。
メドトロニックの中長期的な戦略は?
メドトロニックは、今後も以下の戦略を通じて持続的な成長を目指します。
R&D(研究開発)への継続的な投資
革新的な医療技術を開発し、市場でのリーダーシップを強化。患者中心のアプローチ
患者の生活の質を向上させる製品設計やサービスを展開。ESG(環境・社会・ガバナンス)戦略
環境保全や社会的責任を重視した企業活動を推進しています。
About メドトロニック
創業年: 1949年
上場年: 1977年
ティッカー・シンボル:MDT
S&P500セクター: ヘルスケア
業務内容:
心臓ペースメーカーを中心とした医療機器の開発・製造・販売
循環器領域、外科領域と低侵襲治療・診断領域、神経科学領域、糖尿病領域の4つの事業を展開
年間売上高:323億6,400万ドル(約4兆8,600億円)<2024年会計年度>
時価総額:988億ドル(7/15時点)
ライバル企業: アボット・ラボラトリーズ(ABT),ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)など
日本での同業種:オリンパス(7733),テルモ(4543)
従業員数: 約95,000人 (160近くの国に480以上の拠点)
本社:アイルランド、ダブリン
まとめ
メドトロニックは、医療技術分野で世界をリードする企業として堅実な業績を上げています。Q1 /2025の決算は、売上高の成長、利益の増加、新製品の成功が際立っており、今後も期待が持てる内容でした。同社は革新的な製品やサービスを提供し続けることで、患者と医療従事者に貢献しつつ、投資家にとっても魅力的な企業であり続けることが期待されています。
よくある質問 Q&A
Q1: メドトロニックの主な競合企業は?
A1: ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、アボット・ラボラトリーズ(Abbott)、ボストン・サイエンティフィック(Boston Scientific)などが挙げられます。
Q2: メドトロニックの配当金政策は?
A2: メドトロニックは安定した配当を提供しており、増配傾向が続いています。投資家にとって配当利回りの面でも魅力があります。
Q3: 現在の株価は割安か?
A3: 最新の財務指標や株価水準に基づき判断する必要がありますが、EPS成長やガイダンス上方修正を考慮すると、将来性が評価される可能性があります。
Q4: メドトロニックの今後の課題は?
A4: 競争激化や規制の変化、サプライチェーンリスクが課題となり得ますが、同社はこれらに柔軟に対応する体制を整えています。
Q5: メドトロニックの製品が他社と異なる点は?
A5: 同社の製品は技術革新と患者中心設計を重視しており、医療従事者と患者からの信頼が高いことが特徴です。