見出し画像

肥満症治療薬市場は、2強の時代?

今後の大きな流れ、テーマを探して見るのも、米国株投資をする上で、ヒントになるかもしれません。今回は、肥満治療薬について。

当ページのリンクには広告が含まれています。


糖尿病治療薬市場

ノボノルディスク<NVO=ADR>は糖尿病治療薬の世界市場シェアで30%以上を占め、首位、イーライリリー<LLY>は2位(シェアは20%ほど)につけており、両社で市場の過半数を占めていると言われています。

ノボ ノルディスク (NVO)

デンマークに本社を置く世界有数のヘルスケア企業。1923年創業。1921年にデンマークのノーベル賞受賞者アウグスト クロウとその妻マリーがインスリンの発見に興味を持ち、1923年3月に彼らが製造したインスリンを使用した患者さんの治療が初めて行われたことがきっかけとされています。

イーライリリー(LLY)

1876年創業の米国インディアナポリスに本社を置く研究開発型グローバル製薬企業。糖尿病、がん、神経変性疾患、疼痛、自己免疫疾患の5つの領域に特化し、革新的医薬品の開発を進めています。「研究開発こそ企業の魂である」という理念のもと、売上の約25%を研究開発に投資し、120カ国以上に医薬品を提供しています。

インクレチンとは

インクレチンは、食事後に消化管から分泌されるホルモン群の総称で、以下の役割があります。

  • 血糖値調整
    インクレチンは、膵臓のβ細胞を刺激してインスリン分泌を促進することで、食後の血糖値上昇を抑えます。

  • グルカゴン抑制
    血糖値を上げるホルモン「グルカゴン」の分泌を抑え、さらに血糖値を安定化させます。

代表的なインクレチンには以下の2つがあります:

  1. GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)

    • インスリン分泌を促進し、食欲を抑える効果も。糖尿病治療薬で活用されています。

  2. GIP(胃抑制ペプチド)

    • インスリン分泌促進に関与しますが、単独での作用はGLP-1に比べて弱いとされています。

インクレチンを活性化させる薬剤(例:GLP-1受容体作動薬)は、2型糖尿病等で大きな進展を遂げています。

肥満症治療薬市場

肥満症治療薬市場での、両社活躍の経緯は

  • ノボノルディスク:

    • 2021年に肥満症治療薬「ウゴービ」をFDAから承認取得し、米国で販売開始。

    • 需要が急増し、生産が追いつかないほどの人気。

  • イーライリリー:

    • 2022年に2型糖尿病治療薬「マンジャロ」を発売。

    • 2023年12月に肥満症治療薬「ゼプバウンド」の米国内販売を開始。

両社の肥満症治療薬は、GLP-1受容体作動薬をベースにしており、高い減量効果が注目されています。

S&P500の次に・・・

2社の争い

肥満症治療薬は、2021年にノボノルディスク(NVO=ADR)の「ウゴービ」が承認されたことで、美容やダイエット目的の“やせ薬”として米国を中心に爆発的な人気を博しました。

さらに、2023年11月には米イーライリリー(LLY)の「ゼップバウンド」が肥満症治療薬として米国で承認され、市場の注目を集め、現在に至っています。

これらの薬は、もともと糖尿病治療薬として開発されたもので、副作用の可能性も一部で指摘されていますが、需要は高く、2030年には市場規模が770億ドルから1,000億ドル(およそ12兆円〜15.5兆円)に達すると予測されています。

イーライリリーとノボノルディスクファーマは、糖尿病治療薬市場において世界的に上位を占める製薬企業ですが、近年、両社は肥満症治療薬市場でも激しい競争を展開しています。

ご存知の通り、新薬の開発、製品化、販売ラインにのせ増産体制を整えるには、時間と多大な設備投資を必要とするため、2社に続く企業が出てくるまでは数年を要すると思われます。

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。




いいなと思ったら応援しよう!