シン・トランプの経済政策
近年日本では、かつてのヒーロー達が『シン』というかたちでリブートされています。リブート(reboot)とは、既存の作品シリーズを一新し、新たな解釈や設定で作り直し、過去の作品との連続性を捨て、新たなスタートを切ることです。トランプ新政権では、どんなリブートな経済政策をしようとしているのでしょうか?それとも・・・
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MAGA(マガまたはマーガ)とは
強い米国を取り戻す
"Make America Great Again" (アメリカを再び偉大にしよう)の頭文字を取った略語。この略語はドナルド・トランプ次期大統領の選挙スローガンとして有名になり、今では、彼の支持者や政治運動を指す言葉としても使われています。トランプ新政権が掲げる政策の全ての根底には「強いアメリカ」を取り戻すという考え方があります。
新政権の経済政策の柱は、『減税』?
主な減税政策、財政政策
トランプ減税(2017年の「減税・雇用法」)の延長・修正:GDP比1.5%
富裕層・法人税減税残業代への免税:GDP比0.5%
社会保障給付への免税:GDP比0.4%
新規減税だけでも5.1兆ドル(GDP比1.4%)に相当。
超党派の*「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」によれば、減税総額は今後10年間で10.4兆ドル(およそ1,612兆円 /GDP比:2.8%)に達すると試算。財源として関税収入を挙げていますが、歳入増は3.7兆ドル(GDP比1.0%)と減税規模を下回っています。
金融政策
FRBの独立性は、経済の安定にとって重要な要素ですが、米国政府との微妙なバランスの上に成り立っています。トランプ第一政権(2017~21年)の時には、トランプ自身に近い経営者などの指名が議会承認までに及ばず、断念した経緯がありましたが、今回は政治的な関与(利下げ要求など)が、通りやすい環境があります。
通商政策
国内製造業への回帰を促す、保護貿易的政策。
『対中関税60%』
『全輸入品に対する一律10%関税』等が提唱されています。
移民政策
「合法・不法を問わない移民流入の抑制」を掲げ、仕事や予算を米国民に取り戻すことを主張しています。
政策が実施された場合の懸念材料
財政政策
減税は、企業、消費活動を活発化させる反面、その財源を国債発行に頼らざるを得ず、金利の上昇という副作用をもたらします。
保護貿易政策:
関税引き上げにより、消費者は海外からのモノやサービスに対し、コストを払うことなり、国内製造業回帰を促進される一方で、輸入物価の上昇や消費の減少を招く可能性。
移民抑制策:
仕事や予算をアメリカ国民に取り戻すことに成功できたとしても、接客業や建設業などでの人手不足が深刻化する可能性が指摘されています。
今回の大統領選もこちらでチェックしてました!
インフレとの再戦?
新型コロナによる経済の落ち込みを避けるため、米国は巨額の財政出動をしました。その後は供給サイドの停滞も重なり、物不足からバイデン政権担当期間はインフレが急激に進みました。それに対し、FRBは、連続の政策金利引き上げで対抗したことは、記憶に新しいところです。
一時的とは言え、お金が入り、国民は喜びますが世の中が正常に戻り、今度は物価が上がり、困るとなるわけですから、人間とはわがままな生き物ですね。(ハリス氏が負けた理由の一つ民主党政権下のインフレがあったとも言われています。)
いずれにしても、金融政策をつかさどる、中央銀行のFRBの最大目標の一つが物価安定であり、さらに、経済の足を引っ張り、金利上昇が株価上昇を抑えることは、多くの人が知ることですので、高インフレはなんとも避けたい。
しかし、トランプ次期政権が取り組もとしている多くの
減税、財政政策→国債発行増→債券売り→金利上昇
通商政策→関税引き上げ→輸入物価上昇→インフレ
移民政策→移民規制→人手不足→賃金上昇→インフレ
環境政策→(化石燃料推進→シェールオイル、ガス生産増大?→エネルギー価格下落
→インフレ抑制に一助の期待も→
オイル・ガスのビジネス維持のために、価格下落は業界の同意得られない可能性)
と政策が将来的な、インフレ予想につながるものばかり。せっかく、FRBの見事な金融政策の舵取りで、理想的なインフレに落ち着きそうなってきたのに。
厄介なのは、
今後FRBは、通常のインフレ抑制対策に加え、世論を味方につけた、大幅な利下げを求める傾向が強い、新しい大統領による政治的関与?にも気を使わなければならないことです。
まとめ
次期トランンプ政権は、結局のところ前バイデン政権と前々政権(第一次トランプ政権)の政策を引き継ぎまたは、焼き直しにならざるを得ないかもしれません。それでも米国民はトランプ氏に期待をかけ、彼を選びました。
トランプを愛する、サポーターは、暗殺未遂を乗り越えどんな困難にも勇気をもって取り組む彼の姿にバージョンアップされた、シン・トランプの姿を見たのかもしれません。-*個人的な感想です。
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