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9月FOMCのおさらい:大幅な利下げを決めたFRB。その真意は?

利下げは2020年3月以来、4年半ぶり。FRBは、新型コロナの感染拡大による供給不足などを理由に記録的なインフレを抑え込むための異例の利上げを続け、それを維持してきましたが、インフレとの戦いが落ち着き、米国の金融政策は大きな転換点を迎えたと言えるのではないでしょうか?

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0.5%の利下げ

9月17日・18日に開催されたFOMCでは政策金利であるFFレートの誘導目標レンジを0.50%引き下げ、5.25-5.50%から4.75-5.00%へ変更。利下げ自体は予想内でしたが、利下げ幅については意見が分かれていました。

パウエルFRB議長:0.50%の利下げについて①インフレ率が2%に減速していく自信の高まり②景気を引き締めすぎないための配慮が背景にあると説明。インフレの減速が見込まれる中、景気と雇用の下支えを強化する姿勢を示しました。

<通常の0.25%ではなく、なぜ0.5%に>
労働市場の減速に言及しつつ、
「遅れを取らないという我々の決意の表れだと思う」とパウエル議長は述べましたが、労働市場の悪化を防ぎ、現在の堅調な米国経済の維持と、マーケットへの配慮が大幅利下げの真意と言われています。

●今回のFOMCで公表された*経済見通し(SEP==Summary of Economic Projectionsでは、雇用環境の悪化が予想されつつも、景気は底堅く、インフレは2%に向けて減速するとのシナリオを維持。

ドットチャート(政策金利、FF金利の見通し)では、2024年内の利下げ幅が拡大する一方、早期の利下げに*慎重な参加者も多く、意見が割れていたようです。

*理事の一人は0.25%の利下げを主張して反対票を投じ、パウエル議長も「誰も今回の利下げを新しいペースだとみていない」と述べ連続の大幅な利下げには慎重な姿勢を示していました。


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SEPとは

FOMCは年8回開催、そのうち4回(3月、6月、9月、12月)のFOMC会合で経済見通し(SEP)が発表されます。今回のSEPでも以下のような記述があります。

*Summary of Economic Projections(SEP)

『2024年9月17~18日に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)会合に合わせ、会合参加者は、2024年から2027年までの各年および長期的な実質国内総生産(GDP)成長率、失業率、インフレ率について、最も可能性の高い結果の予測を提出した。各参加者の予測は、会合時点で入手可能な情報に加え、適切な金融政策(フェデラルファンド金利のパスとその長期的な値を含む)に対する評価、および経済結果に影響を与える可能性の高いその他の要因に関する仮定に基づいている。

長期予測は、適切な金融政策の下で、経済にさらなるショックがない場合に、各変数が時間とともに収束すると予想される値に関する各参加者の評価を表している。「適切な金融政策」とは、最大限の雇用と物価の安定を促進するという法定マンデートの各自の解釈を最もよく満たす経済活動とインフレの結果を促進する可能性が最も高いと各参加者が考える将来の政策の道筋と定義される。』

今回の経済見通し、SEP

()内は6月時点の見通し

年内あと2回のFOMC

注目されたドットチャートは、2024年末の中央値が4.4%となっていますので、通常幅(0.25%)で年内にあと2回分の利下げの可能性が示された形です。残されたFOMCのスケジュールは以下のようになっています。

  • 11月6-7日

  • 12月17-18日

まとめ

インフレとの戦いがひと段落し、米国の金融政策は大きく変わろうとしています。金利低下を材料に、マーケットは概ね好感していますが、一方で、大統領選挙の行方や米中関係の複雑化、さらには中東情勢の不透明性など短期的には、外部要因に不安要素を抱えています。いずれにしても、FRBの動向からは目が離せない状況は続きます。

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

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