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ベクトン・ディッキンソン(BDX)の最新決算:四半期、通期業績。医療技術の未来を切り開くBDの戦略【7-9月/Q4,2024】

ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー(BDX)以下BDは、医療技術分野で世界をリードする企業として知られています。2024年度第4四半期および通期の業績が11/7に発表され、一部投資家から注目を集めています。BDの最新業績を深掘りし、その成長を支える戦略を見ていきましょう!

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BDの7-9月/第4四半期の業績は?

売上高:54億3,700万ドル(前年同期比 +6.9%)
オーガニック売上高<為替や事業売買等の影響を除く>
(同+6.2%、市場予想6.6%)中国市場の低迷やライフサイエンス部門の一時的需要低下の影響で、市場予想には届かず。
営業利益:6億5,000万ドル
純利益:
4億2,100万ドル
1株利益-EPS:1.45ドル(前年同期比2.7倍)  
調整後EPS:3.81ドル(同 +11.4%)  

売上高が安定的に成長。利益率の改善がなされ財務体質の強化ができています。

部門別

<為替や事業売買等の影響を除くオーガニック売上高ベースで>

  • BDメディカル<カテーテルや薬剤投与機器など扱う>
    :28億3,700万ドル(前年同期比+11.5%増)
    【減量薬関連事業と買収したエドワーズライセンスの事業と相乗効果が大きい「アラリス」が好調。アラリスは主に手術室や集中治療室などの重要な医療環境で使用される、先進的な輸液システム。】

  • BDライフサイエンス<遺伝子検査機器等>
    :13億4,000万ドル(同+1.4%)
    【バイオサイエンス事業で市場需要低下の影響で売上減】

  • BDインターベンショナル<外科手術器等>
    :12億6,000万ドル(同+5.4%)
    【医療分野に焦点を当てた器具事業の10%増が牽引】
    *インターベンショナル-心臓、血管、肝臓、脳、消化器、泌尿器などの病気に対して、カテーテル(直径2~3mm程度のチューブ)を皮膚に開けた小さな穴から血管に挿入して行う治療法の総称を指します。

地域別売上

米国:31億1,700万ドル
国際:23億2,000万ドル

通期の業績は

2024年9月までを会計年度の1年とするBD。通期の業績も合わせて発表になっています。

売上高:201億7,800万ドル(前年同期比 +4.2%)
営業利益:24億2,500万ドル
 1株利益-EPS:5.93ドル
EPS:5.93ドル(前年同期比 +16.3%)  
調整後EPS:13.14ドル(同 +7.6%)
フリーキャッシュフロー:31億1,900万ドル(前年同期比 +47.4%)

売上高の増加、調整後EPSとフリーキャッシュフローの大幅な改善が見られます。BDが効率的な資本配分を実行し、収益性を高める戦略に成功している証です。

成長を支える戦略とは?

BDが好調な業績を維持できる理由は、以下のような戦略にあります。
1. ポートフォリオの最適化
2024年度に集中治療や高度医療の分野での競争力を大きく向上させる、エドワーズライフサイエンス社のクリティカルケア製品群を買収するなど、BDは、成長性の高い分野への投資を積極的に行っています。
2. 技術革新の推進
生物製剤、人工知能(AI)、自動化技術を活用した新しいソリューションを開発することで患者ケアの質を向上。業績を押し上げる重要な要素となっています。
3. BDエクセレンスシステムの活用
業務の効率化と利益率の改善を実現するため、BDエクセレンスシステムを導入。継続的な業務改善とコスト削減を可能にし、長期的な競争力を高めています。

BDによる、2025年度に向けたガイダンス(見通し)は?

BDは2025年度の成長に自信を示すガイダンスは、
売上高の成長率(オーガニックベース)+4.0%〜4.5%増(前年比)
EPS(調整後):14.25ドル〜14.60ドル(前年比 8.5~11%増)

売上高は市場予想を下回るも、調整後EPSは上回っています。BDは、持続的な成長を目指し、収益性の高い製品やサービスに注力する方針を掲げています。

 今後のBDは?

BDは、医療技術分野におけるグローバルリーダーとして、持続可能な成長を実現しています。成長市場への進出、技術革新、効率的な資本配分が挙げられ、収益性とキャッシュフローの向上により、株主還元にも力を入れています。

連続増配は52年

50年以上の連続増配をしている企業は米国でも、貴重な存在です。財務基盤のしっかりとした老舗優良企業として、今後も連続増配の記録更新が期待されています。

配当利回りの目安

  • 直近配当実績:0.95ドル(8月)

  • 年間配当金:0.95×4=3.8ドル

  • 株価:225.48ドル(11/25終値)

  • 配当利回りの目安:3.8÷225.48×100=1.69%

*手数料、税金等は考慮に入れていません。配当利回りは購入時の株価によって変わります。

About ベクトン・ディッキンソン

  • 設立:1897年

  • 上場:1963年

  • ビジネス概要:注射器、カテーテル等の医療用品がメイン。採血や検体採取、検査機器、コロナ・インフルの同時検査試薬でも活躍。

  • セクター:ヘルスケア(Health Care)

  • ティッカー・シンボル:BDX

  • 年間売上高:201億7,800万ドル(約3.1兆円,会計年度2024年9月)

  • 株式時価総額:643億ドル(約9.97兆円,11/25時点)

  • ライバル企業:ダナハー(Danaher,DHR)

  • 日本での同業種:テルモ(4543)

  • 従業員:75,000人

  • 本社:米国ニュージャージー州

投資金額目安

225.48ドル(11/25終値)×155円×1株=34,950円〜
*手数料は入れていません。為替(ドル・円)、株価は変化します。

まとめ

医療技術分野のリーダーとして名高いベクトン・ディッキンソン(BDX)は、ポートフォリの最適化や技術革新の推進を会社として掲げ、近年その地位を揺るぎないものにしようとしています。

堅実な財務基盤と成長戦略に支えられた業績は、投資家にとって安心感を与える一方で、未来への期待も膨らませています。今後もBDXは医療技術の進化を牽引し続けることで、業界全体の発展に貢献することが期待されています。

よくある質問 Q&A

Q1. BDはどんな会社ですか?
A1. BD(ベクトン・ディッキンソン)は、医療技術分野で世界をリードする企業で、医療機器や診断システムを提供しています。

Q2. BDの強みは何ですか?
A2. BDの強みは、成長性のあるポートフォリオへの投資、技術革新、効率的な運営システムにあります。

Q3. 投資家にとってBDは魅力的ですか? 
A3. はい。BDは収益性の向上とキャッシュフローの増加により、安定した株主還元が期待できる企業です。

Q4. 2025年度の見通しはどうですか?
A4. BDは、約10%のEPS成長率を目標に掲げており、さらなる収益向上が期待されています。

Q5. BDの今後の注目ポイントは? 
A5. 生物製剤やAI、自動化技術を活用した製品開発、新規市場への進出が注目されています。

これまでのBDは・・↓

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。

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