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米国大手銀行の決算をチェックする前に、知っておきたいポイント!米銀の強みは?
インフレに振り回され、厳しい金利環境が続いていた米国。金融、特に銀行セクターは難しい舵取りを迫られていましたが、ようやく落ち着きを取り戻しつつあります。10-12月の四半期決算では、コスト削減やマーケットの好転もあり、業績が回復が実感できる状況にあります。このnoteでは、米大手銀行チェックする上でのポイントを簡単にまとめておきます。
5つの大手米銀
米大手銀行として次の5つをあげておきます。
JPモルガン・チェース(JPM)
ゴールドマン・サックス(GS)
バンク・オブ・アメリカ(BAC)
シティグループ(C)
ウェルズ・ファーゴ(WFC)
各銀行の特徴は?
JPモルガン・チェースは、総合的な金融サービスを提供する世界最大級の銀行。
ゴールドマン・サックスは投資銀行業務に特化し、特に資本市場で強み。
バンク・オブ・アメリカは、幅広い個人および法人向けサービスを提供。
そして、
シティグループは、グローバルなネットワークを活かした国際業務に強みを持ち、
ウェルズ・ファーゴは、住宅ローンや個人向けサービスに強みがある地域密着型の銀行です。
金利収入とそれ以外
金利収入は、主に貸出や債券などから得られる収益で、非金利収入は、投資銀行業務や手数料、トレーディング収益などが含まれます。JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカは比較的バランスよく両方の収益を持ち、ゴールドマン・サックスは非金利収入が大きい傾向にあります。シティグループは国際業務が多いため非金利収入も重要で、ウェルズ・ファーゴは伝統的な銀行業務による金利収入が中心です。
貸倒引当金について
貸倒引当金は、銀行が貸し出しに対するリスクをカバーするために積み立てる準備金のことです。JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、シティグループは、貸し出し規模が大きいため、相応に高い引当金を設定しています。ゴールドマン・サックスは投資銀行業務が主なので比較的少ない傾向があり、ウェルズ・ファーゴは住宅ローンを多く扱うため、引当金も重要視されています。それぞれの引当金の水準は、業務の特性やリスク管理方針によって異なります。
バーゼル規制
Tier 1 自己資本比率は、銀行の資本の質と量を測る指標です。JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックス、バンク・オブ・アメリカ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴは、バーゼル規制に基づき、一定以上のTier 1 比率を維持するよう求められています。通常、これらの大手銀行は安定した資本基盤を持ち、Tier 1 比率も比較的高水準に保たれていることが多いです。具体的な数値は各四半期の報告書で確認できます。
まとめ
トランプ政権の追い風
トランプ政権下では、米国の金融規制の緩和が注目されています。具体的には、バーゼルⅢ最終化規制の緩和や適用時期の延期、商業用不動産のガイドラインの柔軟化が挙げられます。
銀行の貸出増加による、GDPの押し上げ効果も見込まれています。2024年のセクター別の成績が、S&P500を上回り、4番目に良いパフォーマンスをあげていたのは、すでにその効果を見込んでいたからかもしれません。
2025年は、大手銀行を中心に、さらなる業績の拡大が期待されています。
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