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2024年、下落した企業から選ぶ!?いずれも老舗の米国優良企業です!
今年最後のnoteです。2024年取り上げた企業の中で、株価的には、少し残念な結果ながらも来年に期待したい、米国企業、アメ株をピックアップ。奇しくも、不動産を除く、エネルギー、ヘルスケア、素材の3セクターに属する企業となりました。投資のひとつの考え方である『逆張り』(売り込まれすぎなどに逆らって投資を行う手法)的な発想で見ていただければ幸いです。
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2024年の騰落率
最終日前日、12月30日までの、セクター別騰落率です。情報技術やコミュニュケーション・サービスと比較するのは、酷ですが、S&P500(全体)に比べても、3つのセクターは、大きな隔たりがあります。
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取り上げた企業は以下の、3社です。タイトルに企業名、ティッカー・シンボル、年初来の騰落率(12/30まで)と並んでいます。
シェブロン(CVX)▼4.08%
2024年のエネルギーセクターの株価は全体的に低迷し、シェブロン(CVX)もその例外ではありませんでした。
原油価格の低迷: 2023年の9月にはWTI(原油先物)で1バレル90ドル近くあったものが、2024年入り、60ドル台に2度下落するなど、冴えない動き。米国での大幅な供給増加や、中国と欧州における需要低迷への懸念が原因でした。
需要見通しの悪化: OPECが2024年と2025年の石油需要見通しを下方修正したことも、エネルギー株の下落に拍車をかけました。
供給過剰の懸念: OPECおよび非OPEC諸国からの原油生産増加により、市場供給過剰の可能性が高まりました。
投資家の関心低下: 景気敏感セクターである銀行株や小型株が米経済のソフトランディング期待を背景に買われる中、エネルギー株は出遅れました。
シェブロン(CVX)も、上記の要因により投資家から敬遠され、S&P500が上昇する中で下落しました。しかし、
シェブロンは2028年までに100~150億ドルの資産を売却するという計画を打ち出し、さらには、2026年末までに20~30億ドルの構造的コスト削減を目指しています。一方、米国メキシコ湾におけるアンカー、ジャック/セント・マロ、タヒチ油田の主要プロジェクトの立ち上げ等により、原油の生産増加をはかっています。
トランプ政策による追い風も
トランプ新政権では、エネルギー政策に大きな変化が期待されています。世界の潮流が自然エネルギーに向かう中で、化石燃料への巻き返しが起こると、米国産原油(シェールガス、オイル)を扱う、シェブロンをはじめとする米国のエネルギー企業に追い風になる可能性が高まります。
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ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)▼8.55%
J&Jは、日本では、古くは「バンドエイド」、近年ではコンタクトレンズの「アキュビュー」のブランドで知られていますが、6つの主要な治療領域に注力する、医薬品セグメントは同社の最大の事業であり、医療機器の分野でも強みを持つ米国企業です。2024年苦戦した理由は、
新型コロナ関連製品の需要減少: 新型コロナウイルス感染症の鎮静化により、ワクチンや治療薬の売上が急減。年初の予想を上回るものでした。
バイオ医薬品ベンチャーの資金繰り悪化: 不安定な金利動向等で、一部のバイオ医薬品ベンチャーの資金繰りが悪化し、医薬品受託製造企業や遺伝子解析機器メーカーの業績にマイナスの影響を与えました。
新薬開発の不確実性: 一部の製薬会社で新薬の治験結果が期待を下回ったことが、セクター全体の投資家心理に影響を与えました。
医薬品の高騰や医療保険への不信から、ヘルスケア企業への風当たりは強く、トランプ大統領の業界への厳しい規制もささやかれはじめています。しかし、人間の生存には不可欠な存在であり、新薬の治験結果や承認などでは、様変わりするセクターでもあります。その代表格でもある、ジョンソン・エンド・ジョンソンからはやはり、目が離せません。
ニューモント(NEM)▼10.6%
ニューモント(NEM)は、世界最大級の金鉱山会社。主に金の採掘・生産を行い、副産物として銅、銀、亜鉛、鉛も生産しています。北米、南米、オーストラリア、アフリカなど世界各地で事業を展開し、年間約540万オンスの金を生産。2023年にはニュークレストを買収し、業界最大手の地位を確立しました。
素材セクターの低迷要因
中国経済の減速: 中国の経済成長が鈍化し、素材需要が予想を下回りました。
インフレ懸念: インフレ圧力が継続し、原材料コストの上昇が企業の利益率を圧迫しました。
景気後退への懸念: 経済の先行き不透明感が高まり、投資家のリスク回避姿勢が強まりました。
ニューモント(NEM)の株価低迷の理由
金価格の変動: 金鉱山会社であるニューモントの業績は金価格に大きく影響されます。金価格の上昇が限定的だったことが株価に影響。
生産コストの上昇: エネルギーコストや労働コストの上昇が利益率を圧迫。
投資家心理: 景気後退への懸念から、投資家がより安全な資産へシフトし、素材株から資金が流出しました。
規制リスク: 環境規制の強化や採掘権に関する不確実性が、投資家心理に影響を与えました。
不安な時代になると、通貨に変わる代替資産として金が買われる傾向にあります。
欧州でも、アジアでも政権が安定しない中で、先行きに不安が広がり、金への需要が高まる可能性が出てきます。潤沢な株式市場に流れていた資金が、
一部でも金などに向かうと、金価格が上昇し、ニューモントのビジネスに大きなチャンスを与えることになるかもしれません。
まとめ
所属するセクターの動向から、2024年株価が低迷している企業3 つを再度チェックしてみましたが、元々ジョンソン・エンド・ジョンソンは62年、シェブロンは37年連続増配を達成し、ニューモントも50年以上配当を続けている、財務内容が盤石な老舗優良企業です。
短期的にハイテク、半導体関連株の先行きに不透明感が出てくると、循環物色、出遅れなどを理由に注目されるのが、今回取り上げた企業です。何かしらのヒントになれば良いのですが・・・
良いお年を。
*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。