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クアルコム最新決算:豊富なラインナップとAI時代への飛躍!【7-9月/Q4,2024】


米国カリフォルニア州サンディエゴに本社を置くクアルコム(QCOM)は、2024年9月29日を期末とする第4四半期および通期の決算を発表。同社は、携帯端末メーカーからの3G/4G/5G関連特許料収入と、通信制御半導体およびアプリケーションプロセッサーの販売など半導体関連事業を柱としています。今回の決算では、自動車向け半導体が過去最高の売り上げを記録、携帯端末向けも伸びていることが確認されています。

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第4四半期の業績はどう?

クアルコムの第4四半期の業績は以下の通りです。

  • 売上高:102億4,400万ドル(前年同期比18.7%増)
    半導体関連事業:86億7,800万ドル
    特許ライセン事業:15億2,100万ドル

  • 営業利益:25億9,700万ドル(同+83%)

  • 純利益:29億2,000万ドル(同+96%)

  • 1株当たり利益(EPS):2.59ドル(同+96%)
    調整後(EPS):2.69ドル(同+33%)

アナリスト予想を上回るものであり、同社の強固な市場ポジションと製品戦略の成功を示しています。

半導体関連事業の用途別売上高

-携帯端末向け、IoT向けがそれぞれ二桁の前年同期比増。
-PCやXR(ARやVRを含む)向け新製品の出荷増加や流通在庫の正常化が寄与。
-自動車向け売上は68%増で5四半期連続の最高売上を達成、新車への搭載が増加しシェアも拡大。

通期業績はどう?

2024年度通期<9月本決算>の業績は以下の通りとなっていますが、同社の持続的な成長と収益性の向上を示すものとなっています。

  • 売上高:389億6,200万ドル(前年同期比8.8%増)
    半導体関連事業:331億9,600万ドル
    特許ライセン事業:55億7,200万ドル

  • 営業利益:100億7,100万ドル(前年同期比29.3%増)

  • 純利益:101億4,200万ドル(同+40.2%増)

  • 1株当たり利益(EPS):8.97ドル(前年同期比39.8%増)
    調整後EPS:10.22ドル

クアルコムの事業構造は・・

クアルコムは、モバイル通信技術の分野で世界をリードする企業です。同社の事業は主に2つの柱で構成されています。

QCT (Qualcomm CDMA Technologies)

QCTはクアルコムの半導体事業を担当する部門。

  • 通信用モデムチップやアプリケーション・プロセッサーなどの設計・販売。

  • スマートフォン向けのSnapdragonプロセッサなどの製品を開発・提供。

  • 3G/4G/5G対応の通信制御半導体やSoC製品を手がけています。

  • 半導体用途別では、自動車向けにさらなる成長が期待。

QTL (Qualcomm Technology Licensing)

QTLはクアルコムの特許ライセンス事業を担当する部門。

  • 3G、4G、5Gなどの携帯電話通信規格に関する特許のライセンス供与。

  • 携帯端末メーカーから特許使用料を徴収する重要な収入源。

  • クアルコムの特許ポートフォリオの大半を管理。

半導体関連(QCT)と特許ライセンス収入(QTL)がクアルコムの柱の事業として、収益を上げる独自のビジネスモデルを構築しています。

AI時代に向けて

Snapdragon SummitとEmbedded World

クアルコムは10月開催されたSnapdragon Summit(スナップドラゴン・サミット)やEmbedded World(エンベデッド・ワールド)で、以下の製品を発表しました。

  • Snapdragon 8 Eliteモバイルプラットフォーム世界最速のモバイルCPUを搭載し、パーソナライズされたマルチモーダルなオンデバイス生成AIを実現します。

  • 新世代のAI対応PC:高性能と長時間バッテリー寿命を兼ね備え、AIファーストの体験を提供します。

  • 自動車向けソリューション:高度な運転支援システム(ADAS)やインフォテインメントシステムを強化する新製品が登場。

発表された製品は、クアルコムの技術的リーダーシップをさらに強化し、携帯電話、PC、自動車、産業用IoTの各分野での地位を確立するものです。

トップのコメント

"第4四半期は好調な業績で会計年度を締めくくることができ、EPSは前年同期比で30%以上増加しました。Snapdragon SummitとEmbedded Worldで発表した製品は、当社の技術的リーダーシップをさらに強化し、携帯電話、PC、自動車、産業用IoTの各分野で当社の地位を確立するものです。11月19日のインベスター・デイで、当社の成長と多角化の取り組みに関する最新情報を提供できることを楽しみにしています。"

クリスチアーノ・アモン社長兼CEO

10-12月会社計画(/Q1,2025)

同社は2024年の携帯端末市場の出荷台数を従来の横ばいから、見通しを一桁台前半の増加に引き上げています。また、次期(10-12月)の会社計画の売上高は105-113億ドル、調整後EPSを2.85-3.05ドルといずれも市場予想を上回るものとなっています。

About クアルコム

  • 設立: 1985年
    -アーウィン・M・ジェイコブスとアンドリュー・ビタビによって設立。

  • 上場年: 1991年12月
    -1991年12月にナスダック市場に上場。

  • ティッカー・シンボル:QCOM

  • セクター:情報技術(Information Technology)

  • 年間売上高: 389億ドル(2024年9月末を1年とする通期)

  • 株式時価総額:1,870億ドル(約28.7兆円,11/11時点)

  • 従業員数: 26,000人

22年連続増配

配当利回り目安

  • 配当実績:0.85ドル(9月)

  • 年間配当予定:0.85ドル×4=3.4ドル

  • 株価:168.29ドル(11/11終値)

  • 配当利回り目安:3.4÷168.29×100=2.02%

*手数料、税金等は考慮に入れていません。配当利回りは購入時の株価によって変わります。

投資金額目安

  • 株価:168.29ドル

  • 最低投資金額目安
    168.29ドル×154円×1株=25,917円~
    *手数料は考慮に入れていません。為替、購入時の株価によって変わります。

まとめ

クアルコムは、今四半期および通期で堅調な業績を達成し、AI時代への適応と多角化戦略を推進し、特に、AI対応PCや自動車向けソリューションの分野での需要増に向け、積極的なビジネス展開を図っています。今後も豊富なラインナップ、技術革新、市場拡大を通じて、さらなる成長が期待されています。

これまでのクアルコムは・・・

よくある質問(Q&A)

Q1: クアルコムの主な事業内容は何ですか?

A1: クアルコムは、3G/4G/5G関連の特許料収入と、通信制御半導体およびアプリケーションプロセッサーの販売を主な事業としています。

Q2: 最近の決算で注目すべき点は何ですか?

A2: 第4四半期の売上高は102.4億ドルで前年同期比18%増、EPSは2.69ドルで30%以上増加しました。これらはアナリスト予想を上回る結果です。

Q3: クアルコムの今後の成長分野はどこですか?

A3: AI対応PC、自動車向けソリューション、産業用IoTなど、多角化戦略を通じて新たな市場での成長を目指しています。

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。


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