アドビ(ADBE)最新決算:過去最高を記録!AI経済の拡大とともに、次のステージへ。【9-11月/Q4,2024】
アドビ(ADBE)は、従来のパッケージソフトウェア販売モデルから、SaaS(Software as a Service)ビジネスモデルへの転換に成功した代表的な企業の一つといって良いでしょう。第4四半期および通期(2024会計年度)の決算では、売上高や営業キャッシュフローなど多くの指標で過去最高を記録し、AI経済の拡大とともに邁進する、力強い成長力を証明しました。このnoteでは、アドビ最新決算と経営陣の自信の源を探ります。
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第4四半期および2024年度の決算結果は?
アドビは、今4四半期および通期で以下の素晴らしい業績を達成しました。
売上高:56億600万ドル(前年同期比+11%)
-サブスクリプション:53億6,500万ドル
-プロダクト:8,100万ドル
-サービス他:1億6,000万ドル営業利益:19億5,700万ドル
純利益:16億8,300万ドル
EPS:3.79ドル
調整後EPS:4.81ドル
第4四半期の営業キャッシュフロー:29億2000万ドル(過去最高)
*RPO(残存履行義務):199億6,000万ドル(前年比16%増)
アドビの成長を支える「Creative Cloud」「Document Cloud」「Experience Cloud」(下記解説があります。)が、AI時代における*ミッションクリティカル(*欠けると業務遂行に致命的な影響を与える重要な要素)な役割を果たしていることを示しています。
2024年通期
売上高:215億500万ドル
営業利益:67億4100万ドル
純利益:55億5600万ドル
EPS:12.36ドル
調整後EPS:18.42ドル
次期(12-2月期/Q1,2025)の会社計画
売上高:56.3億-56.8億ドル
調整後EPS:4.95-5.0ドル
2025会計年度通期計画
233億-235.5億ドル
調整後EPS:20.2-20.5ドル
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AIを活かす
1. AI技術の活用で市場をリード?
アドビはAIの導入を加速させており「Adobe Sensei」を活用したAI機能が、デザインからドキュメント管理、マーケティングまで幅広くサポートしています。
Adobe Senseiは
アドビが開発した人工知能(AI)とマシンラーニング(機械学習)技術を活用したプラットフォーム。主な特徴と機能は以下の通りです。
クリエイティブ支援: 画像検索、フォント認識、顔認識、要素に基づいたラベル付けなどの機能を提供し、デザイナーの作業効率を向上させます。
マーケティング最適化: 顧客分析、データ分析の簡素化、広告パフォーマンスの自動分析などを行い、マーケティング戦略の改善を支援します。
ドキュメント処理: 自然言語処理を用いてデジタル文書のテキスト認識や構造分析を行い、文書管理を効率化します。
インテリジェントな編集: 画像の自動補正や3Dモデルの配置調整など、高度な編集機能を提供します。
Adobe Senseiは、Creative Cloud、Marketing Cloud、Document Cloudなど、アドビの主要製品に組み込まれており、ユーザーの作業効率向上と創造性の拡張を目指しています。
2. クラウドサービスの拡大が鍵
アドビの強さの源泉とも言える、3つのクラウドサービスは、
Creative Cloud: グラフィックデザイン、動画編集、ウェブデザイン向けのソフトウェア群をサブスクリプション方式で提供するサービス。Photoshop、Illustratorなどが含まれます。
Document Cloud: PDF作成、編集、共有、電子署名などのドキュメント管理機能を提供するクラウドプラットフォーム。Adobe AcrobatとAcrobat Signが主要コンポーネント。
Experience Cloud: デジタルマーケティング向けのアプリケーション、製品、サービスを統合したプラットフォーム。顧客体験の最適化やデータ分析などの機能を提供。
これらのサービスは、それぞれクリエイティブ制作、文書管理、マーケティングの分野でデジタル化とワークフロー効率化を支援。クラウド化によってサブスクリプション収益が安定し、成長の原動力となっています。
3. RPOが示す将来の強い需要?
「RPO(残存履行義務)」が199億6,000万ドルと過去最高を記録、同社が今後も安定した収益を見込めることを示しています。前年比16%増という数字からも、製品やサービスに対する強い需要が続いていることが分かります。
トップのコメント
アドビの経営陣は、AI革新とクラウドサービスを成長の柱とし、今後も高い収益性を維持するための明確な戦略を示しています。
アドビの成長は続けられるのか?
1. AIによる新たな成長機会
AI技術は今後もアドビの成長を支える重要な要素です。特に「Adobe Firefly」といった生成AIツールがクリエイティブ業界をさらに効率化し、ユーザー数を拡大する可能性があります。
2. デジタルメディアとエクスペリエンスの拡大?
デジタルエクスペリエンス事業の売上高が53億ドルを突破したことは、企業向けマーケティングソリューションの需要が高まっていることを示しています。今後も企業のデジタル変革が進む中で、Experience Cloudの成長余地は大きいと言えるでしょう。
3. サブスクリプションによる収益拡大
サブスクリプションモデルは安定した収益源となっており、新規**ARR(年間経常収益)の純増が20億ドルを超えたことも注目すべきポイントです。これもアドビが新しい顧客を継続的に取り込んでいる証に他ありません。
**ARR (Annual Recurring Revenue) は、年間定期収益を意味するビジネス指標。主にサブスクリプションサービスから得られる年間売上が該当し
SaaSビジネスにおいて、企業の健全性や成長性を測る上で重要な指標とされています。また、投資家からの資金調達時のバリュエーション算定に使用されることが多く、事業の成長性と将来性の予測をサポートします。
About アドビ
設立:1982年12月
ジョン・ワーノックとチャールズ・ゲシキによってカリフォルニア州サンノゼ市で設立。社名の由来は、創業者ジョン・ワーノックの自宅の裏を流れるAdobe Creek(小川)の名前からきています。上場:1986年
ティッカー・シンボル:ADBE
セクター:情報技術(Information Technology)
株式時価総額:2,032億ドル(12/13時点)
年間売上高:215億ドル(2024会計年度)
ライバル企業:セールスフォース(CRM),マイクロソフト(MSFT),アルファベット(GOOGL)
日本での同業種:サイボウズ(4776)
従業員数:22,516人
投資金額の目安
461.53ドル(12/16終値)×154円×1株=71,100円〜
まとめ
アドビは2024会計年度に過去最高の業績を達成し、AI技術やクラウドサービスの拡大によって強力な成長基盤を築いています。そしてCreative CloudやExperience Cloudといったサービスは、クリエイターや企業にとってなくてはならない存在としてさらなる付加価値を高めることが、期待されています。
AI技術の進化やデジタル経済の拡大とともにアドビの存在は、今後益々大きなものになると思われます。
よくある質問 Q&A
Q1: アドビの2024年度の売上高はどのくらいですか?
A1: アドビの2024年度の売上高は215億1000万ドルを記録しました。
Q2: アドビのAI活用にはどのようなものがありますか?
A2: アドビは「Adobe Sensei」や生成AI「Firefly」を活用し、デザインやドキュメント管理、データ分析を効率化しています。
Q3: RPOとは何ですか?
A3: RPO(残存履行義務)とは、契約に基づいて将来提供される製品やサービスの収益見込みです。アドビのRPOは199億6000万ドルで前年比16%増です。
Q4: 第4四半期の営業キャッシュフローは?
A4: 第4四半期の営業キャッシュフローは29億2000万ドルと過去最高を記録しました。
Q5: アドビの今後の成長ポイントは何ですか?
A5: アドビはAI技術の進化やクラウドサービス拡大に力を入れており、クリエイティブ業界やデジタルマーケティング分野でさらなる成長が期待されています。
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*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。