アプライド・マテリアルズ(AMAT)最新決算:記録的決算を徹底解説!【8-10月/Q4,2024】
アプライド・マテリアルズは何をしている会社?
アプライド・マテリアルズ(Applied Materials, Inc. , AMAT)は、半導体を製造する過程に不可欠な装置やサービスを提供し、AIや省エネルギー型コンピューティングといった未来のテクノロジーを支える重要な役割を果たしている、
米国企業です。半導体製造の裏方とも言える存在で、スマートフォンやコンピューターの頭脳となる半導体チップを作るための機械や装置を提供しています。
このnoteでは、最新の決算を通じ、アプライド・マテリアルズの魅力に迫ります!
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最新決算を読む!
アプライド・マテリアルズの2024年8-10月、第4四半期業績は、売上高・利益とも目覚ましいものがありました。
売上高: 70億4,500万ドル(前年同期比+4.8%)
部門別
-セミコンダクター(半導体)システムズ:51.8億ドル(同+6%)
【ファウンドリ、ロジック他:73%/DRAM(ディーラム):23%
/フラッシュメモリー:4%】
-グローバルサービス:16.4億ドル(同+11.4%)
-ディスプレイ関連:2.1億ドル(同▼29%減)
-その他:1800万ドル(同▼75%減)
地域別
-米国:11.5億ドル(前年同期比+44%)
-韓国:11.7億ドル(同+57%)
-台湾:12.8億ドル(同+39.2%)
-中国:21.4億ドル(同▼28%減)
-日本:5.8億ドル(同▼14.7%減)営業利益:20億4,600万ドル(同+3.8%)
純利益:17億3,100万ドル
1株利益-EPS(GAAPベース): 2.09ドル(同▼12%減)
*Non-GAAPベースのEPS: 2.32ドル(同+9.4%増)
*米国企業の四半期決算などでよく見られるNon(非)-GAAPベースの指標は、一般的に「調整後の」と表現することが多く、正式な会計基準(GAAP)に沿っていない別の利益額等を示す時に使われます。
GAAPの数字から特定の項目を除外したり調整したりして算出されるため「調整済み利益」や「調整後の利益」のような使われ方をします。
通期業績ではどうだったの?
アプライド・マテリアルズは、2024年10月までを1年とする、会計年度ですので、合わせて、通期の業績も発表になっていますが、そこでもやはり記録的な成果を達成しています。
通期売上高: 271億7,600万ドル(前年比+2.5%)
GAAPベースのEPS: 8.61ドル(同+6.2%)
Non-GAAPベースのEPS: 8.65ドル(同+7.5%)
同社は5年連続で成長を遂げており、売上総利益率(調整済み47.6%)や営業利益率(同29.2%)も堅調に推移しています。これは、AIや省エネルギー型コンピューティングのニーズに応じた製品戦略と、優れた技術力によるものといえます。
トップのコメント
同社はAIやエネルギー効率化といった分野でも、今後重要な役割を果たしていくと考えられます。
*材料工学-新しい材料や素材を開発・改良し、それらの性質や応用を研究する学問分野。アプライド・マテリアルズは、化学、物理学、電気工学などの知識を組み合わせ、革新的な製造装置や材料を生み出します。
業界のリーダーとしてのアプライド・マテリアルズ
業界リーダー:
アプライド・マテリアルズは、半導体の製造プロセスのほぼ全てをカバーする装置を提供しています。また、ディスプレイや太陽電池の製造装置分野でもリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。グローバルな存在感:
世界24カ国、120カ所以上に拠点を持つ多国籍企業であり、グローバルな半導体産業に大きな影響力を持っています。イノベーションの推進:
アプライド・マテリアルズは、半導体デバイスの消費電力、性能、面積、コスト、市場投入までの時間の改善を可能にする技術を開発、AI時代に必要とされる高性能半導体の実現に貢献しています。競争環境:
半導体製造装置業界では、アプライド・マテリアルズはASMLホールディングなどの競合他社と競争。最近では、ASMLの強みであるリソグラフィー市場に挑戦する新装置「センチュラ・スカルプタ」を発表し、業界に新たな製造方法の検討を促しています。経済的、株価的影響:
アプライド・マテリアルズは、NASDAQ100指数とS&P500の構成銘柄の一つに選ばれており、その業績は半導体業界全体の健全性を示す指標の一つとなっています。地政学的課題:
米国政府の規制により、アプライド・マテリアルズを含む米国の半導体企業は、中国企業との取引に制限を受けており、トランプ次期政権の政策には神経質にならざるを得ず、グローバルなサプライチェーンや業界全体の動向への影響が懸念されています。
アプライド・マテリアルズは、その技術力と市場シェアにより、半導体製造装置業界の方向性を大きく左右する存在に成長。同社の動向は、半導体産業全体の発展と密接に関連しており、今後のテクノロジー革新において重要な役割を果たすことが期待されています。
最大のライバルはASML
ASMLとアプライド・マテリアルズは、半導体製造装置業界における主要な競合企業。両者は半導体製造技術の進化を促進し、業界全体の発展に寄与しています。今後も、新技術の開発や製造プロセスの効率化を巡って、激しい競争が続くことが予想されています。
AMATとASMLの製造装置の主な違いは以下の通りです。
製造プロセスの範囲:
AMAT:半導体製造プロセスのほぼ全てをカバーする幅広い装置を提供
ASML:主に**露光装置(フォトリソグラフィ)に特化
**露光装置-露光装置は、半導体製造において微細な回路パターンを形成するための装置。紫外線などの光源を使用し、フォトマスクを通して感光性のレジストに回路パターンを投影することで、ナノメートル単位の精密な回路設計が可能となります。
主要製品:
AMAT:エッチング装置、成膜装置、イオン注入装置、計測装置、検査装置
ASML:EUV(極端紫外線)露光装置、DUV(深紫外線)露光装置
製造プロセスの段階:
AMAT:ウェハー処理の様々な段階で使用される装置を提供
ASML:主にウェハー上に回路パターンを描画する段階で使用される装置を提供
技術の特徴:
AMAT:材料工学ソリューションを強みとし、多様な製造プロセスに対応
ASML:最先端の露光技術に特化し、微細化の限界に挑戦
市場ポジション:
AMAT:幅広い半導体製造装置分野で世界最大手
ASML:露光装置分野で世界的なリーダー
付けてない感じなのに、別世界にいる感じ。初代Air Pods Pro(ライトニング)からの私はチェンジでした↓
成長を押し上げるカギは?
AIおよび省エネルギー型コンピューティング
AI技術の普及に伴い、高度な半導体チップの需要が増加。アプライドは、これらの生産に必要な装置を提供しています。
持続可能なイノベーション
同社の製品はエネルギー効率を重視しており、環境問題への対応力が高い点も評価されています。
グローバルな半導体需要の高まり
新興国市場での半導体需要が増加、同社の成長を後押ししています。
アプライド・マテリアルズの株主還元政策は?
今四半期の営業キャッシュフローが25.8億ドルに対し、株主還元額が17.7億ドルと非常に高くなっています。
また通期においても、同社は株主に対し、50.1億ドルを還元。自社株買いや配当金による還元が積極的に行われており、株主に対する姿勢が評価されています。
自社株買い: 38.2億ドル
配当金: 11.9億ドル
高い配当利回りや自社株買いによる利益還元は、同社の収益性の高さとキャッシュフローの安定性の自信の証であり、それが長期投資家にとって魅力的なポイントとなっています。
配当利回りの目安
1月の配当、0.32ドルから、4月からは0.40ドルに増配しています。
直近配当:0.4ドル(10月)
年間配当:0.4×4=1.6ドル
配当利回り:1.6ドル÷171.32ドル×100=0.93%
*手数料、税金等は考慮に入れていません。配当利回りは購入時の株価によって変わります。
About アプライド・マテリアルズ
設立:1967年
上場:1972年
ティッカー・シンボル:AMAT
セクター:情報技術(Information Technology)
株式時価総額:1,412億ドル(11/27時点)
年間売上高:272億ドル<2024年会計年度>
ライバル企業:ASML Holding(ASML)
日本での同業種:東京エレクトロン(8035)
従業員数:35,200人
投資金額の目安
171.32ドル×155円×1株=26,555円~
*手数料は入れていません。為替(ドル・円)、株価は変化します。
まとめ
アプライド・マテリアルズは、第4四半期および2024年度通期で目覚ましい業績を見せ、AIや省エネルギー型コンピューティングといった分野でも強みを発揮。同社の技術力と収益力の高さは、長期的な成長を支える重要な要素となっています。
また、株主還元政策も積極的であり、投資家にとっても信頼できる企業として、ますます、成長していくことが期待されています。
よくある質問(Q&A)
Q1: アプライド・マテリアルズの主力事業は何ですか?
A1: 主力事業は、半導体製造装置や関連サービスの提供です。これにより、AIや省エネルギー型コンピューティングに必要なチップの製造をサポートしています。
Q2: 株主還元政策について詳しく教えてください。
A2: 2024年度通期で、50.1億ドルを株主に還元しました。内訳は自社株買い38.2億ドル、配当金11.9億ドルです。これにより、同社は収益性の高さを株主へ還元しています。
Q3: 今後の成長分野は何ですか?
A3: AIや省エネルギー型コンピューティングが今後の成長分野として注目されています。これらの分野における需要増加が、同社の業績を支えます。
Q4: アプライド・マテリアルズの株は今買い時ですか?
A4: 2024年度の好業績と積極的な株主還元政策を踏まえると、長期的な成長を期待する投資家には魅力的な選択肢といえます。
これまでのアプライド・マテリアルズは・・↓
*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。