マイクロン・テクノロジー(Micron Technology)最新決算:データセンター向けNANDフラッシュメモリの売上が過去最高を記録!【6-8月/Q4,2024】
マイクロン・テクノロジー(Micron Technology, Nasdaq: MU)は、メモリとストレージ分野で世界的に評価されている半導体メーカー。世界中のデータセンター、自動車、モバイル、パソコンなどの市場で広く製品が採用され、AIやクラウドコンピューティングの需要が急速に拡大する中、マイクロンの製品はその重要性を増しています。
同社が発表した2024年度第4四半期の決算では、データセンター向け製品やNANDフラッシュメモリの売上が過去最高を記録し、業界内外から大きな注目を集めました。このnoteでは、最新の業績を分析し、今後の展望についても解説します。
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2024年度第4四半期の業績は?
9月25日に発表された*2024年度第4四半期の決算<6-8月/Q4,2024>では、マイクロンは前年同期を大幅に上回る売上と利益を記録、著しい成長を見せています。
*2024年8月までを1年間とする会計年度。Q1(第1四半期)が9-11月、Q2が12-2月、Q3が3-5月、そして今回の6-8月がQ4(第4四半期)となります。
売上高: 77億5,000万ドル(前年同期比+93%増)
-前期68億1,100万ドル
-前年同期40億1,000万ドル粗利率:35.3%(非GAAPベース,36.5%)
営業利益:15億2,200万ドル
純利益<GAAPベース>: 8億8,700万ドル/<非GAAPベース>: 13.4億ドル
EPS(1株利益希薄化後):0.79ドル/<非GAAPベース>1.18ドル
営業キャッシュフロー: 34.1億ドル<GAAPベース>
(前年同期2億4,900万ドルドル/前期は24億8,200万ドル)
売上高の伸びはデータセンター向け製品の需要増が寄与。また、*NANDの売上高もデータセンター向けSSD(ソリッドステートドライブ)が牽引し、四半期ベースで初めて10億ドルを超えたことが注目されています。
*NAND(ナンド)
「フラッシュ」とも呼ばれ、DRAM(ディーラム)と並ぶ主なメモリ・チップの一種で、長期的なデータの記憶に使われます。
2024年度通期業績も好調
2024年度全体を通じても、マイクロンは堅調な成長を遂げました。
売上高: 251億1,100万ドル(前年同期は155億4,000万ドル)
営業利益:13億400万ドル
粗利率:22.4%/<非GAAPベース,23.7%>
純利益<GAAPベース>: 7億7,800万ドル
<非GAAPベース>14.7億ドルEPS(1株利益):<GAAPベース>0.70ドル
<非GAAPベース>: 1.30ドル営業キャッシュフロー: 85億1,000万ドル(前年度15億5,900万ドル)
通期で見ても、売上高が前年同期比で約61%増加。営業キャッシュフローも大幅に改善。これらはデータセンターや自動車業界における強い需要と、AI向けの広帯域メモリ製品の拡大によるものです。
売上を牽引した、3つの要因
AI需要の急拡大
近年、AI(人工知能)の発展が急速に進み、特に生成AIや機械学習を支えるデータセンターでのメモリ需要が大きく伸びています。マイクロンのデータセンター向けDRAM製品や広帯域メモリは、AIの高度な計算処理に対応するため、業界全体からの強い引き合いに支えられています。
高帯域幅メモリ(HBM)の需要が急増しており、マイクロンにとって有利な新たな収入源となっており、2024年と25年のHBM製品はすでに完売しており、長期保証契約も確保しています
データセンター市場の成長
データセンターは、クラウドサービス、ビッグデータ解析、IoT(モノのインターネット)など、多岐にわたる用途で急速に拡大しており、その中核を担うメモリ製品への需要は年々増加。同社は、この成長市場に的確に対応することで、売上高を大幅に押し上げています。
NANDフラッシュの需要
NANDフラッシュメモリは、SSDやモバイルデバイスに不可欠な技術。特にデータセンター向けSSD市場での急成長が見られます。2024年Q4には、NAND売上高が10億ドルを超えるという歴史的な数字を達成し、同社の成長を支える柱の一つとなっています。
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マイクロンの今後の展望は?
次期見通し
次期、2025年第1四半期見通し(アウトルック)では
売上高~87億ドル±2億ドル(過去最高を見込む)
粗利率〜38.5%±1%
と同社はしています。
市場の拡大
データセンター、AI、自動車市場など、成長が見込まれる分野での需要増加はもちろんのこと、2025年にはAI搭載スマートフォンの普及により、さらなる需要増加も予想されています。
トップのコメント
2024年の好調な業績を受けて、マイクロンは2025年度にも引き続き大きな成長を見込んでおり、特にAI需要の継続的な拡大が期待されており、マイクロンは自社製品の強化を続けています。
また、次世代のメモリ技術として注目される3D NANDや、より高性能なDDR5 DRAMの開発も進めており、これらの製品が市場に投入されることで、さらなる競争力を高めるとされています。
技術革新と市場ポジション
HBM3Eメモリの開発に成功し、AI革新を加速するための低消費電力ソリューションを提供
EUV技術を活用したDRAM製造により、高性能かつ低電力消費の製品を実現
NVIDIAとの戦略的パートナーシップにより、AI用途向けメモリソリューションの供給を強化
エヌビディアとの関係
マイクロン・テクノロジーはエヌビディアと強い協力関係を築いており、特に高性能GPUに不可欠な高帯域幅メモリ技術の供給で重要な役割を担っています。
エヌビディアの最新GPUにはマイクロンのGDDR6Xメモリが採用されており、これによりリアルタイムのレイトレーシングやAIアプリケーションでの高いパフォーマンスを実現。
同社のエヌビディアへのHBM3Eメモリの提供は、次世代のAI向けGPU対応。こうした協力体制により、両社の技術が融合し、半導体市場での競争力をさらに強固なものとしています。
製造能力の拡大
アイダホ州、ニューヨーク州、インド、中国など、世界各地で製造拠点を拡大しています。
マイクロンは投資対象として魅力的?
アナリストの評価
多くのアナリストが「買い」の評価を維持しており、目標株価も引き上げられるケースも増えています。
半導体業界の景気循環や競争激化などのリスク要因には注意が必要ですが、AI やデータセンター需要の増加を背景に、今後数年間で大きな成長を遂げる可能性が高いと見られています。
AI関連の需要が引き続き高まる中、同社のメモリ製品は必須となる技術を提供しており、その市場での優位性は揺るぎないものと言えます。
また、データセンターや自動車分野におけるメモリの重要性も、今後ますます高まると予想されており、長期的な成長が見込めるため、投資家にとっても魅力的な銘柄と言えるでしょう。
About マイクロン・テクノロジー
設立:1978年
上場:1984年
ティッカー・シンボル:MU
セクター:情報技術(Information Technology)
株式時価総額:1,218億ドル(約17.4兆円)
年間売上高:251億ドル(約3.6兆円,2024年会計年度)
ライバル企業:インテル(INTC)
従業員数:48,000人
投資金額目安
株価:107.50ドル(9/27終値)×142円 ×1株=15,268円〜
*手数料は入れていません。為替(ドル・円)、株価は変化します。
まとめ
マイクロン・テクノロジーは、AIやデータセンターの需要拡大により、今4四半期も記録的な売上を達成、同社の技術力と市場での優位性を背景に、2025年度もさらに大きな飛躍を遂げる見通しが報告されています。同社の動向を押さえておくことが今後、AIやデータセンターなどの分野が株式市場でどのように評価されているかを知るヒントになると思います。
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よくある質問 Q&A
Q1: マイクロンの主要な製品は何ですか?
A1: マイクロンは主にDRAMとNANDフラッシュメモリを製造しています。これらは、データセンター、モバイルデバイス、自動車、パソコンなど、幅広い市場で使用されています。
Q2: マイクロンの2024年度第4四半期の売上高は?
A2: 2024年度第4四半期の売上高は77億5,000万ドルで、前年同期比で大幅な増加を記録しました。
Q3: 2025年度にマイクロンの成長は期待できますか?
A3: はい。AIやデータセンター向け製品の需要が引き続き拡大するため、2025年度も高い成長が期待されています。
Q4:マイクロンのNAND売上高が過去最高を記録した理由は何ですか?
A4: データセンター向けSSDの売上が好調だったため、NANDの売上高が四半期ベースで初めて10億ドルを超えました。
Q5: マイクロンはどの市場で最も強い競争力を持っていますか?
A5: 特にAIやデータセンター市場で強い競争力を持っています。また、モバイルや自動車市場でも重要な役割を果たしています。
*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。