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エヌビディア(NVDA)最新決算:AI分野における先進的な技術と、それを支える堅固なエコシステムとは!【8-10月/Q3,2025】


エヌビディア(NVDA)は、AI分野での躍進とデータセンター需要の急増を背景に、今四半期(8-10月/Q3)も絶好調な業績を発表。このnoteでは、AI時代の象徴ともいえる同社の成長が、なぜここまで注目されるのか、最新決算の数字と共に掘り下げていきます。

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第3四半期業績は?

20日に発表されたNVIDIAの決算は、驚くべき数字と言っても良いでしょう。

  • 売上高: 350億8,200万ドル(前年同期比+94%,前期比+17%)
    -データセンター: 307億7,100万ドル
    (前年同期比+112%,前期比+17%,予想291億ドル)
    -ゲーム,AI PC:33億ドル
    -プロフェッショナル・ビジュアラゼーション:4.9億ドル
    -自動車:4.49億ドル

  • 営業利益:218億6,900万ドル(前年同期比2.1倍)

  • 純利益:193億900万ドル(同+2.1倍)

  • 粗利益率:74.6%

  • EPS(1株利益): 0.78ドル/調整後0.81ドル(,前期比+16%,同2倍)  

  • フリー・キャッシュ・フロー:167億8700万ドル

  • 研究開発費:33.9億ドル(予想:33.4億ドル)

データセンター事業の拡大とAI関連製品への高い需要、特に、Hopperアーキテクチャや次世代Blackwellの導入(期待)が、成長の主因となっています。

第3四半期のトッピクス

  • AI・スーパーコンピューターAWSやMicrosoft AzureでNVIDIA Hopper H200搭載インスタンス提供開始。

  • デンマーク最大AI専用スーパーコンピューター「NVIDIA DGX SuperPOD™」発表。

  • xAIが10万個のNVIDIA Hopper GPUを使用したColossusスーパーコンピューター構築。

  • Foxconnと提携し、台湾最速のAIスーパーコンピューター構築。

  • クラウド・インフラ-インド、日本、インドネシアのクラウドリーダーがNVIDIAを活用したAIインフラ構築。コンサルティング企業がNVIDIA AIエンタープライズを使用してAI導入を促進。

  • 技術革新と提携-NVIDIA BlackwellがMLPerfトレーニングで大幅性能向上を実現。Lenovoとの提携を拡大し、ハイブリッドAIソリューションを発表。GeForce 256の25周年を祝し、20のGeForce RTXタイトル発表。

  • 自動車・ロボティクス-ボルボがNVIDIA技術搭載の新型SUVを発表。AIとシミュレーションツール「Project GR00T」を発表。トヨタやインド企業がNVIDIA Isaac™とOmniverseを活用した次世代物理AI開発を進行。

  • 産業利用-FoxconnがNVIDIA Omniverse™で3つの工場を効率化。トヨタ、セブン&アイなどが業務運営をAIで効率化。

AI市場でエヌビディアがリーダーであり続けるのは?

エヌビディアの成功は、AI分野における先進的な技術と、それを支える堅固なエコシステムにあります。

  1. HopperとBlackwellアーキテクチャ
    最新のGPUアーキテクチャであるHopperは、AIモデルの学習と推論における効率性を大幅に向上させています。加えて、次世代Blackwellは既に多くの企業からの期待を集めており、フル生産体制が整っています。

  2. データセンターの需要増加
    データセンター向けGPUは、AIトレーニングや推論の基盤を支える重要な役割を果たしています。特に、生成AIや基礎モデル(Foundation Models)の進化が、この需要を押し上げています。

  3. AIの普及と産業変革
    CEOのジェンスン・フアン氏が語る通り、「AIはあらゆる産業、企業、国を変革している」という時代の中で、エヌビディアの技術はその中心に位置しています。産業用ロボットやインフラ投資を支える「物理AI」も、同社の成長を後押ししています。

  4. フルスタックソリューション
    エヌビディアの最大の強みは、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク技術、クラウドサービスを含むフルスタックソリューションを提供していることです。LLMの構築から運用まで、一貫したサポートを提供できます。

エヌビディアのこれらの強みにより、同社のGPUは大規模言語モデルの開発と運用において不可欠な存在となっています。クラウドサービスプロバイダーや大手テック企業は、同社のソリューションを採用することで、効率的かつ高性能なAI開発環境を構築できるのです。

トップのコメント

”AIの時代は本格化しており、世界的なNVIDIAコンピューティングへの移行を推進しています。基礎モデルメーカーが事前トレーニング、事後トレーニング、推論を拡大する中で、Hopperに対する需要とBlackwellへの期待は、フル生産体制で信じられないほどです。AIはあらゆる産業、企業、国を変革しています。企業はワークフローを革新するためにエージェンティックAIを採用しています。物理AIの画期的な進歩により、産業用ロボットへの投資が急増しています。そして、各国は自国のAIとインフラの開発の重要性を認識し始めています。”

ジェンスン・フアン創設者兼CEO

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エヌビディア メモ

エヌビディアとTSMCの関係

エヌビディアは、グラフィックス処理ユニット(GPU)を設計する世界有数のファブレス企業。ファブレスとは、製造設備を持たず、製品の設計とマーケティングに特化する企業形態。エヌビディアは、自社で製造を行わず、*ファウンドリ、主に台湾のTSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)に生産を委託。この方式により、エヌビディアは設計に集中し、高性能なGPUやAIチップの開発を迅速に進めることを可能にしています。(繰り返しになってしまいますが)

エヌビディアの製品は、ゲーム用PC、データセンター、自動運転車、プロフェッショナルビジュアルなど、さまざまな分野で広く使用され、特に、AIや機械学習の分野では、エヌビディアのGPUが高い評価を受けており、データ処理や解析の効率を飛躍的に向上させてきたのはまさしく同社の技術。エヌビディアは設計のみを行い、製造をTSMCに委託することで、技術革新と市場拡大を実現しています。

CUDAとは

NVIDIAの強みのもう一つは、「CUDA」と呼ばれるソフトウェアにあります。CUDA(Compute Unified Device Architectureエヌビディアが開発した並列コンピューティングプラットフォームおよびプログラミングモデル)。

CUDAは、GPUを効率的に活用するためのソフトウェアで、WindowsのようなOS(オペレーティングシステム)に例えられることもあります。このソフトウェアは、GPUを効果的かつ使いやすく操作できるようにするもので、ほとんどのAIシステムやアプリケーションで活用されています。

WindowsやiPhoneのシステムに慣れると、他のシステムに移行するのが面倒だと思う経験は誰しもあると思いますがCUDAはまさに、GPUをスムーズに動かすための、「事実上の標準」。

NVIDIAのGPUを中心にした製品は、半導体の性能だけでなく、ソフトウェアの使い勝手の良さも兼ね備えており、これがライバル企業が簡単に追随できない強みとなっています。CUDAは、エヌビディアのGPUの性能を最大限に引き出し、様々な分野での計算ニーズに応える強力なツールとして広く利用されています。

データセンターで圧倒的なパワー

米国はデータセンターの世界的なハブとして重要な役割を果たしています。この背景にはいくつかの要因があります。まず、急速なデジタル化の進展に伴い、企業や個人のデータ利用が爆発的に増加していることが挙げられます。また、

クラウドコンピューティングの普及により、*オンプレミスからクラウドへの移行が加速しており、これがデータセンターの需要をさらに押し上げています。ビッグデータの需要増加も重要な要素であり大量のデータを迅速かつ効率的に

処理するためには、高性能なデータセンターが必要です。さらに、米国はインフラの整備が進んでおり、電力供給の安定性やネットワークの高速化がデータセンター運営において重要な利点となっています。これらの要因が相まって、米国はデータセンター産業の中心地として成長を続けています。

*オンプレミスとは、自分たちの会社や学校などの建物の中に、コンピュータやサーバーを設置して使うことを指します。たとえば、学校のコンピュータ室にあるサーバーがオンプレミスです。これに対して、クラウドはインターネットを通じて遠くの場所にあるコンピュータやサーバーを利用する方法です。

オンプレミス

顧客はビッグテック

大規模データセンターを所有する主な米企業は、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)、メタ・プラットフォームズ(META)。エヌビディアのデータセンター売上のおよそ40%をこの4社が占めます。4社のクラウド事業やAIに関する今後の設備投資がエヌビディアの成長の鍵を握っていると言っても過言ではありません。

エヌビディアのライバルは?

データセンターに関連する企業にはエヌビディア以外にもインテル(INTC)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などがあります。しかしデータセンターのシステムも従来のCPU中心から、GPUを中心とするAIサ

ーバーに移行中であり、エヌビディアの圧倒的な優位性は続きます。エヌビディアのデータセンター向け売上高は、インテルやAMDのそれを大きく上回る成長を示しています。

About エヌビディア

  • 設立年: 1998年

  • 上場年: 1999年

  • ティッカー・シンボル:NVDA

  • セクター:情報技術(Information Technology)

  • 年間売上高: 609億ドル(約9.1兆円,2024年会計年度)

  • 時価総額: 3.58兆ドル(約551兆円,2024/11/20)

  • ライバル企業:インテル(INTC)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)

  • 日本での同業種:ルネサスエレクトロニクス(6723)

  • 従業員数: 2万6,200人

投資金額目安

  • 145.89ドル×154円×1株=22,467円〜
    *手数料は入れていません。為替(ドル・円)、株価は変化します。

まとめ

エヌビディアの第3四半期決算は、AI時代の中心的企業としての地位を揺るぎないものにしました。AIやデータセンター分野での需要増加を背景に、同社の技術革新は止まることを知りません。投資家にとっても、その成長性と収益性から目が離せない銘柄であることは間違ないと思われます。

これまでの、エヌビディアは・・

よくある質問 Q&A

Q: NVIDIAの最新の業績はどのような数字ですか?
A: 売上高351億ドル、データセンター売上高308億ドル、GAAP希薄後1株当たり利益0.78ドルと、いずれも前年同期比で大幅な増加を記録しました。

Q: NVIDIAの主力製品は何ですか?
A: 主にGPU(グラフィック処理装置)が中心で、AIモデルの学習や推論を支えるHopperやBlackwellアーキテクチャが注目されています。

Q: 配当金は支払われますか?
A: はい、2024年12月27日に1株あたり0.01ドルの四半期配当金が支払われる予定です。

Q: 今後の成長要因は何ですか?
A: AI技術の普及、データセンター需要の拡大、次世代GPUの市場投入が主な成長要因です。NVIDIAの技術革新がどのように産業を変えていくか、これからも注目していきましょう!

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。


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