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四半期決算:知っておくべき、投資に役立つ重要キーワード17選【米国株編】⑥

米国株を身近に感じる機会があると、その企業について「どんな会社で、何をしているのか」と興味がわいてきます。さらに売上がどのくらいあり、儲かっているのかと調べたくなります。その際に参考になるのが、『四半期決算』です。英語の上に、ドル表記のため、敷居を高く感じるかもしれませんが、慣れてしまえば、大したことはありません。人気企業のアマゾン、アップル、エヌビディアの会計年度と四半期決算を例に解説します。

四半期決算の基本

  • 米国企業は通常、年に4回、四半期ごとに財務報告書を発表します。これらの決算は、投資家や市場にとって重要な情報源であり、企業の業績や経営状況を把握するための基盤となります。

  • 会計年度(Fiscal Year)

    • 多くの米国企業はカレンダー通りの会計年度(1月1日から12月31日)を採用していますが、企業によっては異なる会計年度を使用する場合もあります。これにより、四半期決算の時期が異なることがありますが、基本的には1月から3月がQ1、4月から6月がQ2、7月から9月がQ3、10月から12月がQ4に対応します。

  • 決算発表の重要性

    • 四半期決算は、企業の財務状況をタイムリーに把握できる機会であり、これに基づいて株価が大きく変動することがよくあります。時には投資家にとっては非常に重要なイベントとなります。

米国企業が四半期ごとに決算を発表するルールは、米国証券取引委員会(SEC: Securities and Exchange Commission)によって定められています。具体的には、上場企業は、SECの規制に基づき、四半期ごとに財務報告書(Form 10-Q)を提出することが義務付けられています。
   Form 10-Qは、企業が四半期ごとに提出する財務報告書で、財務諸表や経営成績、その他の重要な情報が含まれています。企業は各四半期末から45日以内にForm 10-Qを提出しなければなりません。

Form-10Q

調べ方としては、企業のサイトを直接訪問するのが良いでしょう。

IRから四半期決算をチェック!

  • まずは、グーグル検索でカタカナ企業名を入れ、探している企業のティッカー・シンボル(日本の証券コード)を調べます。

  • その上で、「ティッカー・シンボル  IR」でさらに検索すると、調べたい企業サイトが出てきます。IR(Investor Relations)は、企業が投資家に向けて経営状況や財務情報を発信する活動のことを指します。

  • サイトにたどり着いたら、そのページから「Quarterly results(四半期業績、決算)」を探してください。順番に並んでいますので、新しいものをチェック。PDFとかになっているので、グーグル、DeepL等で翻訳して読み進めてください。(*細かい、決算書の見方は、次回以降少しずつ解説していきます。)

アマゾン(Amazon.com, Inc. AMZN)

まずは、多くの米国企業が採用しているカレンダー通りの会計年度(1月1日から12月末)のアマゾンです。現在は、日本流にいうと、12月を本決算とする、2024年1年間の会計年度。Q1はQuarterlyの1番目を表します。オーソドックスな四半期の区切りですが、以下のようになります。

 Q1(第1四半期): 1月1日から3月末

Q2(第2四半期): 4月1日から6月末

Q3(第3四半期): 7月1日から9月末

 Q4(第4四半期): 10月1日から12月末

各四半期の決算発表日は、当該四半期末の翌月末または翌々月のはじめ。1月、4月、7月、10月、前後の株式市場は決算発表を受け、反応を示すタイミングであると覚えておくと良いでしょう。

アマゾンの最新決算は、2024年の第2四半期、4-6月で、8月1日(現地)に発表がありました。12月のクリスマスシーズンを含む第4四半期が、業績の鍵を握ります。

メモ

  • セクター:一般消費財(Consumer Discretionary)

  • 4-6月の売上高:1,480億ドル(約21.5兆円)

  • 2023年会計年度1年の売上高:5,748億ドル(約83兆円)

アップル(Apple Inc. AAPL)

   アップルの会計年度(Fiscal Year)は、10月1日から翌年の9月30日までです。最新決算は2024年のQ3、第3四半期/4-6月となり、8月1日に発表がありました。

     Q1(第1四半期): 10月1日から12月31日

     Q2(第2四半期): 1月1日から3月31日

     Q3(第3四半期): 4月1日から6月30日

     Q4(第4四半期): 7月1日から9月30日

  アップルの場合は、例年、9月に新iPhone等を発表し弾みをつけ、10月からの年末にかけてのかきいれどきに備えます。

メモ

  • セクター:情報技術(Information Technology)

  • 4-6月の売上高:858億ドル(12.4兆円)

  • 2023年会計年度1年の売上高:3,833億ドル(約55.6兆円)

エヌビディア(NVIDIA Corporation NVDA)

   最近注目の、エヌビディアの会計年度は、2月1日から翌年の1月31日までとなっていますので、少し戸惑うかもしれません。現在は2025年1月を本決算、会計年度1年間となり、最新決算は、Q2,第2四半期の5-7月となり、8月28日に発表がありました。

     Q1(第1四半期): 2月1日から4月30日

     Q2(第2四半期): 5月1日から7月31日

     Q3(第3四半期): 8月1日から10月31日

     Q4(第4四半期): 11月1日から翌年1月31日

 
AI分野でダントツの実力を発揮するエヌビディアですが、AI関連投資を増やす、顧客企業が増えていく過程では、半導体関連のみとしてではなく、今では世界経済を牽引する指標として、決算には常に注目が集まります。

メモ

  • セクター:情報技術(Information Technology)

  • 4-6月の売上高:300億ドル(約4.4兆円)

  • 2023年会計年度1年の売上高:609億ドル(約8.8兆円)


まとめ

株式投資をする上で、四半期決算のタイミングに目を向けることは、重要です。株価が急変した時に、それが決算を受けてのものなのか、その他の理由によるものなのかを冷静に判断できるからです。

四半期の短い決算で投資売買を見極めるということではなく、長期投資を継続していく指標とするためです。株価が堅調に上昇している背景には、業績の積み重ねがあることを、我々個人投資家は忘れてはならないと思います。

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。





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