NYダウの銘柄入れ替えについて
2024年11月8日にダウ工業株30種平均（ダウ平均,NYダウのことです。）の銘柄入れ替えが行われ、インテル<INTC>、*ダウ<DOW>、が除外され、エヌビディア<NVDA>とシャーウィン・ウィリアムズ<SHW>が新たに加わりました。変更がダウ指数に与える影響について、簡単にまとめます。
*このダウ<DOW>は、企業名です。化学製品と素材の大手。紛らわしいですがダウ平均のダウと混乱しないように注意しましょう。😊
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ダウ平均の計算方法
11月8日の終値では・・・
30銘柄の合計株価:7,156.31ドル
30銘柄の単純平均:238.54ドル
ダウ平均の終値:43,988.99ドル
ダウ平均は、単純な株価の平均ではなく、除数を用いて計算されます。除数は公表されていませんが、ダウ構成30企業の株価合計とダウ平均の終値から計算。除数は、0.16268412
7,156.31÷0.16268412=43,988.99ドル
となり、この数値が30企業の株価の動きに合わせ、毎秒ごとに変化することになります。
新規銘柄の影響
株価の影響
エヌビディアの株価（147.63ドル）は30銘柄の単純平均（238.54ドル）を下回っていますが、シャーウィン・ウィリアムズの株価（386.67ドル）は平均を大きく上回っています。ウェイトの変化
ダウ平均は株価加重平均指数であるため、高株価の銘柄ほど指数への影響力が大きくなります。
入れ替え前は、ダウ<素材セクター>が0.78、インテル<インフォメーション・テクノロジーセクター>が0.34。それがシャーウィン・ウィリアムズが5.4、エヌビディアが2.06。シャーウィン・ウィリアムズは高株価のため、指数に大きな影響を与える可能性があります。入れ替え前は2企業は10/31、入れ替え後2企業は11/8の各終値で計算。セクターウェイトの変化
上記のように、エヌビディアはインフォメーション・テクノロジーセクター、シャーウィン・ウィリアムズは素材セクターに属しており、両セクターのダウ平均におけるウェイトの重みが増すことになります。
指数への具体的影響
短期的影響
銘柄入れ替えの発表直後は、新規採用銘柄の株価が上昇し、除外銘柄の株価が下落する傾向があります。これは機関投資家やインデックス連動型ファンドの売買によるものです。長期的影響
エヌビディアは人工知能（AI）関連の主要企業であり、ダウ平均にAI分野の成長を反映させる効果があります。シャーウィン・ウィリアムズの追加は、素材セクターの重要性を強調することになります。指数の変動性
エヌビディアは株価変動が大きい傾向にあるため、ダウ平均の日々の変動が大きくなる可能性があります。
入れ替え後のダウ平均のラインナップ？
ラフな表ですが、入れ替え後のダウ平均を構成する、30の企業と11/8の終値、時価総額等です。ご参考。↓
銘柄情報を日々これでチェックしています↓
エヌビディアとシャーウィン・ウィリアムズとは
エヌビディア
最新8-10月期は11月20日に発表ですが、5-7月四半期決算はこちら↓
シャーウィン・ウィリアムズ
シャーウィン・ウィリアムズ（SHW）は、1866年に創業された世界最大の塗料メーカー。本社をオハイオ州クリーブランドに置き、建築用塗料、工業用塗料、自動車用塗料など幅広い製品を提供しています。同社は北米を中心に事業を展開し、自社ブランドの小売店舗網も保有しています。
品質と革新性で知られ、持続可能な製品開発にも注力しています。今回の入れ替えによって、素材セクターの代表的な企業として注目を集めています。長い歴史と安定した業績、そして環境への配慮が評価され、投資家からの信頼も厚い企業です。
まとめ
今回の銘柄入れ替えで、ダウ平均はより現在の産業の構造変化を反映したものとなり、テクノロジーと素材セクターの重要性が増すことになります。S&P500やナスダックに比べ、テクノロジーセクターでの見劣り？を指摘されていた、NYダウのカバー不足をある程度、補うことができた言えます。ただし、ダウ平均の計算方法が株価加重平均であるため、高株価のシャーウィン・ウィリアムズの影響がそれ以上に大きくなる点に注意が必要かと思われます。
*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。