売上高とEPS:知っておくべき、投資に役立つ重要キーワード17選【米国株編】⑨

四半期ごとの米国企業の損益決算書のトップ、一番上に出てくるので、トップラインとも呼ばれるのが、売上高です。その会社がどんな分野で、どのくらいの規模で、商品やサービス等を提供し、売上をあげているかを知ることができます。ドルベースだと中々実感ができないかもしれませんが、とてつもない売上を挙げている企業が米国には、数多く存在します。

トヨタ自動車と比較すると

ハイブリッド車でも成功をおさめている、日本を代表するトヨタ自動車(7203)の2024年3月期の年間売上高は、およそ45兆円。同様に
米国のビッグテック、マグニフィセント7(直近1年間の会計年度)は

• アマゾン:5,748億ドル(83.3兆円)

• アップル:3,833億ドル(55.6兆円)

• アルファベット:3,074億ドル(44.6兆円)

• マイクロソフト:2,451億ドル(35.5兆円)

• メタ:1,350億ドル(19.6兆円)

• テスラ:968億ドル(14兆円)

• エヌビディア:610億ドル(8.8兆円)

となっています。もちろん、各企業は異なる業界、セクターで事業を展開していますので、売上高だけで単純な比較はできませんが、イメージは掴めると思います。

売上高の計算方法

売上高の計算は比較的単純です。

1. 売れた商品やサービスの数量を確認

2. 各商品やサービスの単価を特定

3. 数量 × 単価 で各商品・サービスの売上を計算

4. すべての商品・サービスの売上を合計して総売上高を算出する

計算式: 売上高 = Σ(販売数量 × 販売単価)

1株当たり利益(EPS)の計算方法

1株当たり利益(EPS)の計算式は以下の通りです。

EPS = 当期純利益 ÷ 発行済株式数

1. まず当期純利益を計算
   当期純利益 = 売上高 - 売上原価 - 販管費 - 営業外費用 + 営業外収益 - 特別損失 + 特別利益 - 法人税等

2. 発行済株式数を確認

3. 当期純利益を発行済株式数で割ってEPS

例えば、当期純利益が1億円で発行済株式数が1,000万株の場合:
EPS = 1億円 ÷ 1,000万株 = 10円

EPSは当期純利益の計算を経て算出する必要があります。両指標を併せて見ることで、企業の規模(売上高)と収益性(EPS)を把握できます。

売上高とEPS

売上高は企業の総収入を表し、事業規模や成長性を示す基本的な指標。一方、1株利益(EPS)は企業の収益性を株主の視点から表すもので、プロの分析家、アナリストが特に注目する数字です。

両指標の関係性とアナリスト予想

1. 収益性の反映
   売上高が増加しても、必ずしもEPSが向上するとは限りません。コスト管理や利益率の維持が重要になってきます。

2. 投資家の注目点
   決算発表時、アナリストや投資家は売上高とEPSの両方に注目します。特に、これらの数値がアナリスト予想をどの程度上回ったか（または下回ったか）が、株価動向に大きな影響を与えます。

3. 成長性と収益性のバランス
   売上高は企業の成長性を、EPSは収益性を示すため、両指標のバランスが重要。持続的な企業価値向上には、両方の指標が健全に成長することが望ましいと言えるでしょう。

4. 業種による違い
   業種によって、売上高とEPSの重要性のバランスが異なる場合があります。例えば、成長産業では売上高の伸びが重視される一方、成熟産業ではEPSの安定性が重視されることがあります。

5. 長期的視点
   四半期ごとの変動に一喜一憂するのではなく、長期的なトレンドを見ることが重要です。持続的な売上高の成長とEPSの向上が、企業の長期的な価値創造につながります。

まとめ

米国企業の決算を分析する際は、売上高とEPSの両方を考慮し、その関係性や背景にある要因を総合的に判断することが大切です。企業の真の収益力と将来性を基本に、投資しようとしている企業がどこに、次のリソース(企業のお金や人などの資産)を振り向けようとしているのかに注目すると、投資家としてのレベルもまた一つアップするのではないかと思います。

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