ウェルズ・ファーゴ(WFC)最新決算:第3四半期決算は好調!シャーフCEOのコメントから見る将来の展望【7-9月/Q3,2024】
米国の大手銀行、ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo & Co.、WFC)は、金利低下継続という逆風の中、【7-9月/Q3,2024】第3四半期決算において、堅調な業績。「収益性を高めるための戦略的な取り組みが功を奏し、多様な収益源の確立や手数料ベースの収益拡大が成功」とチャーリー・シャーフCEOのコメント。ウェルズ・ファーゴの最新の決算データや、シャーフCEOが語る未来のビジョンについてチェックしてみましょう!
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第3四半期の業績はどうだった?
ウェルズ・ファーゴは第3四半期において、純利益と1株当たり利益の増加を報告。特に、純利益が第2四半期比で増加し、希薄化後の1株当たり利益も上昇。シャーフCEOの言葉を借りれば、収益構造は5年前と比べて大きく変わっており、現在のウェルズ・ファーゴはより多様な収益源を持っています。
具体的には、手数料ベースの収益が今年度最初の9か月間で16%増加しており、これは純利息収入の減少をほぼ相殺しているという好調な結果です。この手数料収益の拡大は、ウェルズ・ファーゴが銀行以外の分野でも収益を拡大し、リスクを分散させる取り組みの成果と言えます。
決算概要
総収益:203億6,600万ドル(前年同期比▼2.35%)
①純金利収入(Net Interest Income)116億9,000万ドル:全体収益の57.4%
・貸出金や有価証券投資などの資産から得られる金利収入から、預金や借入金などの負債に対して支払う金利費用を差し引いた金額
②非金利収入(Noninterest Income)86億ドル7,600万ドル:同42.6%
・投資銀行関連、資産運用業務、その他からの手数料やトレーディング収益
純利益:51億1,400万ドル(前期比+4%増)
1株当たり利益(希薄化後):1.42ドル(前年同期1.48ドル,前期1.33ドル)
貸出総額: 9,100億ドル
預金総額: 1.34兆ドル
株価動向
第3四半期の決算発表(10月11日)前の9日、一部アナリストが、ウェルズ・ファーゴ<WFC>の投資判断を「買い」、目標株価は65ドルに引き上げ。(10月9日の終値は57.54ドル)。第2四半期以降、業績は低調も、悪材料は既に株価に織り込み済みで、直近の株価は魅力的と評価されていました。
決算発表を終え(57.54ドル)→先週末の18日の株価(終値)は、64.36ドルと上昇基調となっています。
投資金額目安
64.36ドル×1×150円=9,654円~
*手数料は入れていません。為替(ドル・円)、株価は変化します。
これまでのWFCは・・・
*2016年の偽口座問題以来、資産上限は1.95兆ドルに制限されていますが、この制限が撤廃されれば1株当たり利益が約8%増加も。マネーロンダリング対策の問題から資産上限の撤廃が遅れる懸念もありますが、第三者評価の提出により前向きな進展が期待されています。
ウェルズ・ファーゴの戦略的投資とは?
シャーフCEOのコメントにもある通り、ウェルズ・ファーゴは事業ごとの再編を積極的に行っています。収益性の高い事業には資源を投入し、そうでない事業は縮小または売却を進めている点が、今の同社の戦略の中心です。特に、テクノロジーやフィンテック分野への投資は著しく、これにより顧客体験や効率性の向上を目指しています。
さらに、第3四半期には2種類の新しい提携クレジットカードを発行し、自動車ローンに関する複数年提携契約も発表。新たな提携により、さらなる収益源の拡大が期待されています。また、優れたリーダーの採用を続けることで、社内の能力強化も進めており、持続可能な成長基盤を築いています。
強固な資本基盤を活かす、株主還元策
ウェルズ・ファーゴの資本基盤は非常に強固であり、この点が事業成長と株主還元の両立を可能にしています。シャーフCEOによれば、第3四半期には普通株式の配当を14%増額し、35億ドル分の普通株式を買い戻しました。また、2024年の最初の9か月間においては、150億ドル超の普通株式を買い戻しており、前年同期比で60%以上の増加の実現に成功しています。
配当利回り目安
直近配当実績:0.40ドル(8月)
年間配当金:0.40×4=1.60ドル
株価:64.36ドル(10/18終値)
配当利回りの目安:1.6÷64.36×100=2.486%
株主還元の姿勢は、ウェルズ・ファーゴが安定した利益を上げているだけでなく、余剰資本を積極的に活用している証拠。過去5年間で普通株式の希薄化後株式数は22%減少しており、これは長期的に株主価値の向上に繋がる要素として大いに評価されます。
リスク管理はどう強化されている?
ウェルズ・ファーゴは、リスク管理の強化を引き続き最優先事項としています。金融業界では、リスク管理の甘さが致命的な損失に繋がる可能性があるため、シャーフCEOが述べる通り、規模と複雑性に見合ったリスク管理環境の構築は非常に重要です。
同行は、大幅な業務効率化を推進しながら、信用リスクを適切に管理するための投資を継続しています。これにより、安定的な収益基盤を確立しつつ、より力強い成長と高い利益率を実現するための基盤が整えられています。リスク管理と収益性向上の両立は、今後のウェルズ・ファーゴの競争力を一層高める要因となります。
新たなリーダーシップとビジネスの改善は?
シャーフCEOは、新たなリーダーシップの採用にも言及しており、テクノロジー部門やインベストメントバンク部門など、重要なポジションで経験豊富なリーダーを迎え入れています。その結果、ウェルズ・ファーゴの内部能力が強化され、顧客へのサービスが一層向上。特に、フィンテックの進展が顕著な現代では、テクノロジーを活用した金融サービスの改善が、競争力維持のカギとなります。同社がこの分野に注力し、リーダーを迎えることは、今後の市場シェア拡大にも寄与することが期待されています。
About ウェルス・ファーゴ
リテール銀行大手、資産規模は、米銀4位。1998年ノースウェスト銀行に買収されるも行名はウェルスファーゴを継承。2008年、ワコビア銀行を買収、業務拡大を続け、現在全米3分の1の世帯、1割の中小企業と取引するまでになっています。
設立:1929年
上場:1962年
ティッカー・シンボル:WFC
セクター:Financial(金融)
株式時価総額:2,191億ドル
年間総収益:825億9,700万ドル(2023年)
ライバル企業:JPモルガン・チェース<JPM>、バンク・オブ・アメリカ<BAC>
日本での同業種:三菱UFJファイナンシャル・グループ<8306>、三井住友ファイナンシャルグループ<8316>
従業員数:226,000人
まとめ
第3四半期の決算で、ウェルズ・ファーゴは、堅調な業績を収め、金利低下継続など、厳しい環境を迎えようとする今後についてもチャーリー・シャーフCEOも成長に自信を見せました。多様な収益源の確立、戦略的な事業投資、強固なリスク管理と資本基盤、そして新たなリーダーの採用による組織強化など、同社は多面的に成長戦略を進めています。
また、株主還元にも積極的であり、今後も投資家にとって魅力的な企業として位置付けられる可能性が高いと思われます。金融セクターは常に変動のリスクがあるものの、ウェルズ・ファーゴはそのリスクを管理しつつ、収益拡大を図る体制を着実に整えています。
よくある質問(Q&A)
Q1: ウェルズ・ファーゴは今後も成長を続けるのでしょうか?
A1: はい、ウェルズ・ファーゴは多様な収益源の確立や、リスク管理の強化、テクノロジー分野への投資を進めており、引き続き成長が期待されています。
Q2: 株主還元の方針はどのようになっていますか?
A2: ウェルズ・ファーゴは強固な資本基盤を活かし、株主還元に積極的です。2024年の第3四半期には普通株式配当を増額し、大規模な株式買い戻しも実施しています。
Q3: リスク管理はどのように行われているのですか?
A3: ウェルズ・ファーゴは、規模と複雑性に見合ったリスク管理環境を構築するために多額の投資を行い、業務効率化を進めながら信用リスクの管理を徹底しています。
Q4: テクノロジー分野への投資は具体的に何をしているのですか?
A4: ウェルズ・ファーゴは、テクノロジー分野においてリーダーシップを強化し、新たなフィンテックサービスやクレジットカード、自動車ローンの提携を進めています。
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