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フィラデルフィア半導体株指数(SOX)とラッセル2000:知っておくべき、投資に役立つ重要キーワード17選【米国株編】⑰

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フィラデルフィア半導体株指数とラッセル2000指数は、それぞれ異なる市場セグメントを代表する重要な指標です。SOXは半導体業界に特化した動向を、ラッセル2000は小型株全般と米国経済全体の動向を反映します。S&P500やNYダウ、ナスダックの主要3株価指数とは違い、独特のキャラクターを持つ両指数ですので、投資先選定の強い味方になってくれると思います。


フィラデルフィア半導体株指数(PHLX Semiconductor,SOX)

直近の指数値:

5,091.78(9/24)
今年の高値:5,904.94, 7/10)

米国の証券取引所に上場する半導体関連企業30社で構成される株価指数で、設計、製造、流通、販売を行う企業が対象。代表的な半導体指数の一つであり、「SOX指数」や「フィラデルフィア半導体指数」とも呼ばれ、日本の半導体関連株にも大きな影響を与えます。

1993年12月1日を基準日とし、その日の基準値100を基に時価総額加重平均型で算出。毎年9月に銘柄の見直しが行われ、NASDAQ OMX PHLX(旧フィラデルフィア証券取引所)が公表しています。ポイントをまとめますと、

  • 半導体セクターに特化した指数

  • 約30社の主要な半導体関連企業で構成

  • 技術革新や景気循環に敏感に反応

構成30銘柄

<()内は、日本の証券コード、銘柄コードにあたる、ティッカー・シンボルです>

  1. アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD)

  2. ブロードコム (AVGO)

  3. インテル (INTC)

  4. クアルコム (QCOM)

  5. エヌビディア (NVDA)

  6. NXPセミコンダクターズ (NXPI)

  7. マイクロン・テクノロジー (MU)

  8. テキサス・インスツルメンツ (TXN)

  9. ASMLホールディング (ASML)

  10. ラムリサーチ (LRCX)

  11. アナログ・デバイセズ (ADI)

  12. マーベル・テクノロジー (MRVL)

  13. アプライド・マテリアルズ (AMAT)

  14. マイクロチップ・テクノロジー (MCHP)

  15. TSMC(台湾積体電路製造) (TSM)

  16. KLA (KLAC)

  17. オン・セミコンダクター (ON)

  18. グローバルファウンドリーズ (GFS)

  19. モノリシック・パワー・システムズ (MPWR)

  20. インテグリス (ENTG)

  21. スカイワークス・ソリューションズ (SWKS)

  22. テラダイン (TER)

  23. コヒーレント (COHR)

  24. ラティスセミコンダクター (LSCC)

  25. アムコー・テクノロジー (AMKR)

  26. アレグロ・マイクロシステムズ (ALGM)

  27. アクセリス・テクノロジーズ (ACLS)

  28. ウルフスピード (WOLF)

  29. クォーボ (QRVO)

  30. ユニバーサル・ディスプレイ (OLED)

半導体の設計、製造、流通などに関わる主要な企業で構成され、時価総額加重平均で算出。半導体産業の様々な分野をカバーし、半導体業界の動向を反映する重要な指標として広く注目されています。

株価、指数チェックの頼もしい、最強コンビ!↓

ラッセル2000(Russell 2000)

直近の指数値:

2,223.99(9/24)
今年の高値:2,263.27 (7/16)

米コンサルタント会社のラッセルインベストメント社が1984年に開発した、米国を代表する小型株指数。ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場する銘柄のうち、時価総額が上位1,001位から3,000位までの銘柄を対象に、浮動株調整後の時価総額加重平均型で、多くの米国小型株ファンドがベンチマークとして採用しており、1986年12月31日を基準値(135.00)として算出されています。

小型株指数としての継続性を保つため、年に1度銘柄の入れ替えが行われます。米国の機関投資家が扱う約3,000銘柄を基に、上位3,000銘柄で構成される「ラッセル3000」をベースに作られています。さらに、上位1,000銘柄を対象とした「ラッセル1000」という指数も存在します。整理しますと、ラッセル2000は、

  • 米国の小型株全般を対象とした指数

  • 時価総額上位1001位から3000位までの約2000銘柄で構成

  • 幅広い業種を含み、米国経済全体の動向を反映

  1. 米国企業のみで構成されている:
    ラッセル2000指数は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQなど米国の証券取引所に上場している企業のみを対象としています。

  2. 小型株中心:
    時価総額上位1001位から3000位までの2000銘柄で構成。

  3. 米国経済の代表的な小型株指数:
    米国の小型株ファンドの多くがベンチマークとして採用。

  4. 年1回の銘柄入れ替え:
    毎年6月頃に構成銘柄の見直しが行われます。

  5. 浮動株調整後の時価総額加重平均:
    各銘柄の指数への影響度は、その時価総額に応じて決まります。

セクター別構成比

  1. 金融: 約17%

  2. ヘルスケア: 約16%

  3. 資本財・サービス: 約15%

  4. テクノロジー: 約13%

  5. 一般消費財: 約11%

  6. 素材: 約7%

  7. エネルギー: 約6%

  8. 不動産: 約6%

  9. 生活必需品: 約4%

  10. 公益事業: 約3%

  11. コミュニケーション・サービス: 約2%

金融、ヘルスケア、資本財・サービスなどの景気敏感セクターの比率が高くなっていますが、一方で大型株指数と比較すると、テクノロジーセクターの比率は相対的に低くなっています。

なお、これらの比率は市場の動向によって変動するため、時期によって多少の違いが出る場合があります。

構成銘柄には

<()内は、日本の証券コード、銘柄コードにあたる、ティッカー・シンボルです>

  1. エイビス・バジェット・グループ (CAR)

  2. クロックス (CROX)

  3. AMCエンターテインメント・ホールディングス (AMC)

  4. メイシーズ (M)

  5. ショックウェーブ・メディカル (SWAV)

  6. エムコア・グループ (EMKR)

  7. イリジウム・コミュニケーションズ (IRDM)

  8. サイトキネティクス (CYTK)

  9. アペリス・ファーマシューティカルズ (APLS)

  10. インスパイア・メディカル・システムズ (INSP)

これらは、ラッセル2000指数を構成する銘柄の一部です。

*一般的な小型株の定義は、時価総額が20億ドル以下とされていますが、
ラッセル2000指数の構成銘柄の時価総額の中央値は約8億ドルです。

両指数とマーケット

市場感応度、経済指標としての役割

SOXは半導体業界に特化しているため、テクノロジーセクターの動向や景気サイクルに対してより敏感に反応。また、技術セクターや半導体業界の健全性を示す指標としても、注目が集まります。一方、ラッセル2000は小型株全般を対象としているため、より広範な経済動向を反映し「炭鉱のカナリア」とも呼ばれ、米国経済全体の先行指標として、一部アナリストの間では、重要視されています。

変動性

SOXは特定セクターに集中しているため、大きな価格変動を示す場合がありますが、ラッセル2000は多様な業種を含むため、相対的に変動が小さくなる傾向があります。

まとめ

2つの指数は、特定の業界や市場セグメントに焦点を当てているため、特定企業の動向や業界全体のトレンドを分析する際に非常に有用です。主要指数だけでなく、こうした専門的な指標を併せて活用することで、より深い市場理解が得られ、あなたの投資スキルも、レベルアップをはかれるのではないでしょうか。

知っておくべき、投資に役立つ重要キーワード17選のおまとめ1↓

*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。



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