FRB議長:知っておくべき、投資に役立つ重要キーワード17選【米国株編】②
世界経済の舵取りは、世界一の経済大国のアメリカの中央銀行、FRBに任せられていると言っても過言ではありません。FRBが主導する、FOMCには毎回世界中から、熱い視線が送られます。そんなFRBを統括するのが議長であり、米国大統領以上に、影響力を持つともいわれています。過去45年の歴代議長を振り返ります。
あまりに個性的で天才すぎる歴代のFRB議長たち
ポール・ヴォルカー(Paul Volcker/1979年-1987年)
インフレの抑制を目指し、高金利政策を実施。そのため、金利の急上昇「ヴォルカー・ショック」も招く。
ボルカーの政策は、最終的にインフレーション率の低下に貢献し、経済の安定化に寄与。
インフレファイターの異名を持つ
アラン・グリーンスパン(Alan Greenspan/1987年-2006年)
長期間にわたりFRB議長を務め、多大な影響力を市場に及ぼす。
ドットコム・バブルやサブプライムローン危機時の議長。
金融政策を見事に指揮し、米国経済を舵取りする能力が評価され『マエストロ』の称号も。
一方、彼の政策が後のドットコムバブルやサブプライムモーゲージ危機を含む問題の一因だとする批判も受ける。
「マエストロ」の称号は、特に彼の在任中の経済政策に対する影響力と、市場と政策決定者の間で築いた信頼関係を象徴するものとして記憶される。
『・・我々は疑念を持っていたにもかかわらず、バブルを確実に特定することは、その存在を確認するバブルの破裂後でなければ非常に困難であることを認識した」→はじけてみないとそれがバブルだったのかどうかわからない』との言葉を残す。
ベン・バーナンキ(Ben Bernanke/2006年-2014年)
世界金融危機勃発時にFRB議長を務め、大規模な金融緩和政策を導入。
2000年代後半の金融危機とその後の大不況への対応で手腕を発揮。
この期間にFRBは前例のない措置を取り、量的緩和を実施。
FRBが数千億ドルの住宅ローン担保証券と長期国債を購入し、経済成長を促進するプロセスを試みる
バーナンキの指導の下、FRBは透明性を高め、四半期ごとの記者会見を開催してFOMC(連邦公開市場委員会)の決定を説明
短期金利に関する前向きなガイダンスを提供、
2%の正式なインフレ目標を採用。金融システムの崩壊を回避するために積極的な措置を講じ、
景気の安定化に尽力。ノーベル経済学賞を2022年10月に受賞
ジャネット・イエレン(Janet Yellen/2014年-2018年)
初の女性FRB議長として歴史に名を刻み、マクロ経済政策の先駆者となる。
低インフレと雇用の改善を目指し、穏健な金融政策を展開。
イエレン・ダッシュボードと呼ばれる、労働参加率など独自の9つの雇用関連指標を講演、会見等で使い、話題に。
夫はノーベル経済学賞受賞のジョージ・アカロフ
バイデン政権で初の女性財務長官も務める(2021年1月~)
ジェローム・パウエル(Jerome Powell/2018年-現在)
弁護士、ウォール街、投資ファンドの共同経営者、FRB理事をへて、議長職へ
歴代4人の議長が持つエコノミスト、経済学者の肩書がない、議長として当初不安視される。
COVID-19パンデミックに対応するため、大胆な金融緩和政策を導入。
経済の回復を支援するために必要な政策を迅速に実施し、
市場の安定化に貢献。
FRB議長の選出プロセス
大統領による指名:
米国大統領がFRB議長候補を指名します。上院の承認:
大統領が指名した候補者は、上院の承認を得る必要があります。任期:
FRB議長の任期は4年。ただし、政策の継続性や市場とのコミュニュケーション能力、経済目標達成の功労、担当政権の思惑、政治的なバランス等を考慮し再任されることも少なからずあります。選出時期:
通常、10月から11月初旬頃に政府が次期議長を指名することが多いです。候補者:
現職のFRB理事や地区連銀総裁から選ばれることが多いですが、必ずしもそうとは限りません。政治的考慮:
大統領は自身の経済政策と整合性のある候補者を選ぶ傾向があります。独立性:
FRBは政治から独立した機関であるため、議長の選出も政治的な影響を受けにくい仕組みになっています。
FRB議長は米国の金融政策を主導する重要な役職であり、その選出プロセスは慎重に行われます。大統領による指名と上院の承認という二段階のプロセスを経ることで、適切な人物が選ばれるよう制度設計されています。
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