シェブロン、4-6月期決算:利益減少も好調なシェールオイルとガスに期待!株主還元にも積極的!!【4-6月/Q2,2024】
シェブロン(NYSE: CVX)の、2024年第2四半期の決算。今四半期は利益が前年同期比で減少しましたが、パーミアン盆地の生産量が過去最高を記録し、グローバルな探鉱ポートフォリオを強化するなど、ポジティブな要素も多く見られました。さらに、株主還元も過去2年間で500億ドル以上と引き続き強化されています。
シェブロンの2024年第2四半期決算とは?
2024年第2四半期の利益を44億ドル。これは前年同期の60億ドルから減少していますが、調整後利益は47億ドルとなり、堅調な結果を示しています。為替の影響による減益も見られましたが、調整後利益の数値は依然として高水準を維持しています。
決算の詳細
売上高: 511.8億ドル
報告利益: 44億ドル
調整後利益: 47億ドル
パーミアンの生産量: 過去最高
-パーミアン盆地は、アメリカ国内で最も生産量の多い油田。2022年6月時点では、アメリカの原油生産量の約43%を占めており、シェールオイルとシェールガスの主要な生産地としても知られています。全世界の生産量: 前年比11%増
株主還元: 60億ドル(過去2年間で500億ドル以上)
前年同期と比較すると、報告利益は60億ドル(希薄化後1株当たり3.20ドル)から減少し、調整後利益も58億ドル(希薄化後1株当たり3.08ドル)から減少。 この減少は、主に精製マージンの低下と国際的な天然ガス価格の低下によるもの。
報告利益:企業が標準的な会計基準に基づいて計算した純利益。これは、企業の財務報告書に記載される公式の利益数値で、特定の一時的または非経常的な項目を含むことがあります。
調整後利益:(Adjusted Earnings)は、報告利益から一時的または非経常的な項目を除外した利益。企業の通常の営業活動から生じる収益力をより正確に反映します。
具体的な調整項目
- 外国為替の影響:2024年第2四半期には、外国為替の影響で利益が2億4300万ドル減少。
- 一時的な税項目:前年には有利な税項目が含まれていましたが、第2四半期にはこれが存在しなかったため、報告利益が低下。
今四半期で、調整後利益の方が高くなっているのは外国為替の影響や一時的な税項目などの調整項目を除外した結果ということになります。
部門別利益
シェブロンは多様な事業活動を通じて、グローバルなエネルギー需要に応え、持続可能なエネルギーソリューションの提供を目指しています。
原油業界独特の部門別では・・・
川上部門(アップストリーム):44億7,000万ドル
探査と生産: シェブロンは、石油および天然ガスの探査、開発、生産に従事しています。これには陸上および海上での探査プロジェクトが含まれ、特に深海掘削が重要な活動の一つです。
LNG(液化天然ガス): LNGの開発と生産にも積極的に取り組んでいます。オーストラリアのゴーゴンプロジェクトやウィートストーンプロジェクトが代表的な例です。
川下部門(ダウンストリーム):5億9,700万ドル
精製: 原油をガソリン、ディーゼル、ジェット燃料、その他の石油製品に精製するための施設を運営。これらの施設は、世界中の主要市場に位置しています。
販売とマーケティング: 精製された製品を小売および卸売市場に販売しています。これにはシェブロンおよびテキサコのブランドのガソリンスタンドネットワークが含まれます。
潤滑油と添加剤: エンジンオイルや工業用潤滑油、燃料添加剤などを製造および販売し。
その他の部門:▼6億3,300万ドル
化学製品: シェブロン・フィリップス・ケミカル・カンパニー(Chevron Phillips Chemical Company)を通じて、オレフィンやポリエチレンなどの化学製品を製造しています。
テクノロジーとサービス: エネルギー効率の向上、新エネルギー技術の開発、および持続可能なエネルギーソリューションの提供に注力しています。
電力事業: 再生可能エネルギーやガス火力発電などを通じて電力事業にも関与しています。
パーミアン盆地の生産量が過去最高に?
パーミアン盆地を中心に大幅に増加。同盆地の生産量が過去最高を記録したことにより、全世界の生産量も前年同期比で11%増加しました。シェブロンは今後も安定した生産体制を維持することが期待されています。
世界的な探鉱ポートフォリオの強化
シェブロンは、ナミビア、ブラジル、赤道ギニア、アンゴラで新たな契約を締結し、探鉱鉱区を拡大。これにより、グローバルなポートフォリオが強化され、将来的な生産増加への期待が高まります。
最近の原油価格動向
2024年の原油価格は、以下のような動向を示しています:
ブレント原油価格: 2024年7月29日時点で79.03ドル/バレル
WTI原油価格: 75.81ドル/バレル
OPECバスケット価格: 80.66ドル/バレル
2024年後半のブレント原油価格の平均は89ドル/バレルと予測されており、これは上半期の84ドル/バレルからの上昇を示しています。この価格上昇は、OPEC+の生産削減と世界的な在庫減少によるものとされています。
株主還元はどうなっているの?
シェブロンは2024年第2四半期においても引き続き株主還元を強化しています。過去2年間で500億ドル以上のキャッシュを株主に還元しており、今期も60億ドルを還元しました。(配当金30億ドルと自社株買い30億ドル)
今後の配当予定
シェブロン取締役会は、2024年8月19日営業終了時の株主名簿に記載された普通株式保有者全員に対し、1株当たり1ドル63セントの四半期配当を2024年9月10日に支払うことを宣言しました。
37年連続増配企業
直近配当:1.63ドル(9月配当)
年間配当金:6.52ドル
株価:143.23ドル(8/6終値)
配当利回りの目安:6.52÷143.23×100=4.5%
*手数料、税金等は考慮に入れていません。配当利回りは購入時の株価によって変わります。
トップのコメントは?
シェブロンの今後の展望は?
シェブロンは今後も安定した生産体制を維持しつつ、探鉱ポートフォリオの強化によりさらなる成長を目指しています。特にパーミアン盆地や新たに契約を締結したナミビア、ブラジル、赤道ギニア、アンゴラでの活動が注目されます。また、株主還元の強化も引き続き行われる見込みです。
持続可能なエネルギーへの移行
シェブロンは、低炭素エネルギーの提供を目指しており、天然ガスや再生可能エネルギー、炭素捕捉技術などへの投資も行っています。特に、天然ガスは石炭よりも約50%少ない炭素を排出するため、エネルギー転換の重要な役割を果たすとされています。
まとめ
シェブロンの2024年第2四半期決算は利益の減少が見られたものの、パーミアン盆地の生産量が過去最高を記録し、グローバルな探鉱ポートフォリオの強化が進められています。高リターンプロジェクトへの投資として、米国シェールガスやタイトオイルの開発に約65億ドルを投資する計画もあります。また、低炭素事業に約20億ドルを投資し、従来の運用の炭素強度を低減することを目指しています。
株主還元も引き続き強化されており、長期的な成長への期待が高まり、今後も安定した生産体制と堅調な業績に注目が集まります。
よくある質問 Q&A
今回の決算や事業内容をQ&Aでおさらい・・
Q: シェブロンの2024年第2四半期の利益はどれくらいですか?
A: 報告利益は44億ドル、調整後利益は47億ドルです。
Q: パーミアン盆地の生産量はどうなっていますか?
A: パーミアン盆地の生産量は過去最高を記録しました。
Q: シェブロンの株主還元はどのようになっていますか?
A: シェブロンは2024年第2四半期に60億ドルを株主に還元し、過去2年間で500億ドル以上を還元しています。
Q: シェブロンの今後の見通しは?
A: シェブロンは安定した生産体制と探鉱ポートフォリオの強化により、長期的な成長を目指しています。
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*ご注意-このnoteは企業IRや直近のニュース等を参考に、一般的な情報提供を目的として書いています。投資家に対する投資アドバイスではありません。投資における最終意思決定は、ご自身の判断でお願いいたします。またデータ等の数字は、細心の注意を持って記載していますが当noteに載せている情報に基づく行動で損失が発生した場合においても、一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。