2023-09-23の日記(自分が渡る直前に明滅し出す信号は自分の悪さを象徴している)

 自分が渡る直前に明滅し出す信号は自分の悪さを象徴していると感じている自分を馬鹿だと思っていた。しかし、最近はあながち間違いでもないと思える。
 世界のありようは自分自身を反映している。逆もそうだ。世界と僕とは、それほど違うものじゃない。僕も結局は物質で、僕の問題は常にそれが物質の問題でしかないかもしれないと突きつけられる。
 走り出した途端に信号が明滅し出すのも、LINEが届いた瞬間既読をつけてしまうのも、きみがこの日記にいいねをして僕が喜ぶことも、すべて世界がそのようにあるから、僕もそのようにあるだけだ。
 別にこころが存在しないと言っているわけじゃない。こころはあるとしても、そのこころと密接に繋がっている僕の身体は、世界の一部でしかないということだ。
 これはそれほど絶望的なことじゃない。まだ、世界に自分なんて存在しないかもしれないと思うのは早い。僕には、自分という物体をコントロールする役割は、まだ残っている。
 ところでしかし、僕の耳にはiPhoneに付属しているイヤフォンが入らない。僕の耳には僕の耳に入るものしか入ってこなくてそれが少ないから増やしたいのに、僕の耳に入るものは僕の耳によって定められている。
 これが良くない。これはこころでだけでは抜け出せない。このあらかじめ完結した堂々巡りから抜け出すのは、とりあえず歩いてみたものだけだ。
 しかし、僕の身体を変えるのは簡単なことじゃない。とりあえず歩くという思考にチューニングするのは、僕にとってそれほど普通なことじゃない。
 これはそこそこ絶望的なことだ。
 

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