キュウレンジャー Space.31感想
「告白」。それは自分以外の誰かに何かを打ち明けること。それは密かに抱えた淡い恋心かもしれないし、自分の人生を左右する大きな決断かもしれない。
普段うちに秘めたことを伝えるのには葛藤が伴い、凄まじい勇気も必要となる。「これを言ったらどうなるんだろう」という漠然とした不安が体を包み込み、一歩を踏み出すなんてとてもできやしない。好きな人に告白できないまま学校を卒業してそのまま会えずきりなんて経験、したことある人もいるのではないだろうか。
だからこそ告白できた人が眩しくて輝いて見えるのだ。嗚呼なんてかっこいいんだと。きっと告白できた人とその他の人が見えている景色は全くの別世界なんだろう。
今度こそ絶対に取り戻す
キュウレンジャーは過去でドン・アルマゲ達を倒し戻ってきたが、ドン・アルマゲ率いるジャークマターは宇宙を支配したままだった。
ドン・アルマゲは何らかの手段で復活したのか。それとも特定の条件を満たさないと完全には倒せないのか。謎は深まるばかりである。
それと、フクショーグンたちが過去と今でビジュアルが変わっているのは、パワーアップした証ってことなのかな。
ハミィから小太郎とガルはナーガによって人質に取られ、バランスは行方不明であることを知らされる。
ダークナーガはバランスをおびき寄せるためにかつて仲間だった二人を人質にした。
「バランス…奴だけは必ずこの手で始末する」と話す彼の口元には笑みを浮かんでいる。バランスに会えるのを心から楽しみにしているかのように。期待が溢れ出ているように。ただ一人だけを見据えて。
余談だが、私はナーガが「バランス」と呼ぶときの言い方が大好きだ。机に物をトンと優しく置いたみたいに安定感があって、耳に残る心地良い声。しかし今のナーガがバランスに向ける感情は普段とは180度違う。そのギャップが良い。
そんな中、バランスが久々にみんなの前に現れる。バランスの腕を揺さぶり、「心配してたんだからね!」と言うハミィ。心の底から心配していた優しさや、仲間を思いやる絆を感じる。
このとき、私の胸は強く締め付けられたかのようだった。なぜなんだろうと考えたが、ハミィが感じている抱えきれないほどの辛さが伝わってきた、そんな気がしたのだ。現代に残ったメンバーのうち、ラッキーは過去へと向かい、ガルと小太郎はダークナーガのもとで人質に取られ、バランスは行方が分からない。キュウレンジャーとして大人数で過ごすことが当たり前になっていた状況で突然の一人ぼっちだ。ハミィは1話の時点ですでにキュウレンジャーの一員だったので、きっと長い間みんなと共に過ごしてきたと思う。ナーガを元に戻す方法は分からない、一人ではダークナーガ含めたジャークマターに立ち向かうのは難しい。自分だけでは到底抱えきれないほどの辛さだろう。さらに、自分がナーガに無責任なアドバイスをしたせいでこのような事態を招いたのではないか、そんな後悔を抱えているかもしれない。そう考えると、ラッキーたちが現代に戻ってきたときに必死に呼びかけていたのにも繋がる気がする。
決死の作戦が失敗し、ナーガとの関係性にさらなる亀裂が入った後でも明るく振る舞うバランス。内心ではひどく落ち込んでいてもおかしくないだろう。でも仲間であっても簡単には自分の腹の内は見せない。みんなを心配させたくない優しさゆえだろう。
ナーガを抹殺するためにはるばるチキュウへと来たエキドナは、たった一人でヘビツカイメタルに必死に立ち向かう。ヘビツカイメタルが「いいもんだぜ…感情ってのはよぉ」と言うとき、胸元の眼に手を当てるのが好きだ。溢れ出る喜びに浸りたい、胸の高鳴りをこの手でひしひしと感じ取りたいのだろうか。「湧き上がる怒りが力を生み出す!」と喜びに震える手を握り、天に突き上げて話す。寝ても覚めてもそのことばかり考えてしまう、抑えきれない溢れ出る感情。強い感情は凄まじい行動力を生むエネルギーになる。普段長文の文章を全く書かない私が、こうして何日も頭を悩ませながら自分の気持ちを必死に言語化して感想を書いているのも強い思いがあるからこそだ。
エキドナは懐から取り出した銃を構える。しかし、ヘビツカイメタルが能力を使いエキドナが持つ銃を彼女自身のこめかみに当てさせた。あまりの恐ろしさに一瞬で背筋が凍った。
Space.2でバランスが「ナーガは少しの間だけ人を操ることができるんだ」と言っていたが、主に敵の動きを一時的に止めるという使い方が多い気がする。それは能力を使っている間は自身も動くのが難しいほど負担がかかるからではないかと思う。しかし今回ダークナーガが動きを止めるだけではなく自身と同じポーズをさせられたのは、それだけ強大な力を手にした証なのではないか。
そこにラッキーたちが駆けつけて、エキドナは間一髪危機を逃れる。観ている間ヒヤヒヤが止まらなかったので、「良かった…!」という気持ちでいっぱいだ。
ヘビツカイメタルの「来たか…会いたかったぞバランス」という言葉は、嬉しさが思わず滲み出ているような絶妙な言い方だと感じた。キュウレンジャーのみんなで現れたのに、またバランスの名前しか呼んでいない。もうバランスしか眼中にない、それだけ強く執着しているのだろう。
その後バランスが彼に投げかけた言葉が好きだ。「ナーガ!何があっても君を元通りにしてみせる!」。バランスがナーガ本人に面と向かって宣言するのがあまりにもかっこよすぎる。普段バランスは明るく陽気に振る舞っているからこそ、ときに見せるシリアスな言動とのギャップがたまらない。
ヘビツカイメタルはインダベー達を呼ぶが、このときの動きとポーズがすごく美しい。手をバッとスマートに払う、何気ない動作の中に洗練された美しさが詰まっていて見入ってしまう。
ナーガと再び対峙するバランス。
テンビンゴールドはほとんどヘビツカイメタルを攻撃しておらず、一方的にダメージをくらい続けている。観ていて胸が締め付けられる思いだ。
一方ヘビツカイメタルは全くと言っていいほど容赦ない。一つ一つの攻撃から絶対に何がなんでも倒すという強い憎しみ、怒りがひしひしと感じられる。テンビンゴールドが坂から転げ落ちるなど迫力満点のアクロバティックなアクションが激しい動揺を誘う。
バランスにトドメを刺そうとするヘビツカイメタル。そこにシシレッドが現れ、必死にテンビンゴールドを助けようとする。しかし完全には防ぎきれず、攻撃が止んだ後にシシレッドたちの姿はどこにもなかった。シリアスそのものな状況で「二人はどうなったの…!?」と胸がいっぱいになる。余談だが、カジキイエローの「マンマミーーヤアァァァァ!!!!!!」という叫びがちょっと面白くてつい笑ってしまう。
ヘビツカイメタルは変身解除するが、このときに大きな眼のエフェクトが出てくるのがかっこよすぎる。蛇眼で相手の動きを一時的に操れるナーガにとって眼はすごく印象的な要素だ。ヘビツカイシルバーが名乗る時も、蛇眼のエフェクトが出てくるのがかっこいいなと思う。ヘビツカイメタルの胸元の大きな眼や、Space.26の「俺は目が醒めたんだ!」というセリフを体現しているような気がする。また、ナーガが闇堕ちする時無数のヘビに呑まれるという演出が登場したが、そのヘビたちが変身解除するときにどこかへと散っていく演出に繋がっているのがまたオシャレだ。
ラッキーも倒したのに「ついに…!やったぞ!!バランスを!!この手で!!!」と叫ぶダークナーガ。喜びをダイレクトに体現したかのような話し方。彼の邪悪な雰囲気が滲み出たどこか不気味な笑顔。ここまでダークで魅力的な雰囲気を的確に表現できるナーガ役の山崎さんに思わず「凄すぎる…」と心の中で呟いた。嬉々として帰って行くダークナーガ。禍々しい紫色のワープゲートが目の形に見えるのが好きだ。
それにしても、かつての相棒を倒し喜んでいる事実に胸が強く痛む。キュウレンジャーを観る前は、まさかこんな展開が来るとは夢にも思っていなかったのだ。
その後、ツルギたちはエキドナにみんなが悲しんでいたのは実は演技だったとネタバラシする。膝のほこりを払い、腰に手を当てるハミィがかわいい。二人は倒されたのではなく、ナーガを元に戻すため彼の体内に潜入していたのだ。
バランスは行方をくらませていた間、ナーガを元に戻す方法を探していた。行方不明だったということは、一人で懸命にナーガを取り戻すため頑張っていたのだろう。あれだけ辛い思いをしても、ナーガを闇堕ちさせた張本人から何があっても戻らないと宣言された絶望的な状況でも、希望を捨てずに抗い続けた。諦めずにひたすら頑張り続けた。その強い強い心に涙がぽろぽろと溢れそうになる。
バランスがナーガを元に戻す方法が分かるまであえて一人でいることを選んだのは、悲しむそぶりを仲間に見せたくなかったからではないかと思う。葛藤の末実行した決死の作戦でも元に戻らなかった。本人から「テメェを葬る」と宣言された。人生で一番辛いと言っても過言ではないくらいの出来事だ。涙が溢れて止まらなくなるかもしれない。ご飯が喉を通らなくなるかもしれない。ふとした瞬間にそのことが脳裏に浮かび辛くなるかもしれない。そのことが頭から離れず眠れなくなるかもしれない。いくらバランスが八方美人と言えど、これだけの辛い現実を前に仲間に悲しむ素振りを一切見せず過ごし続けるなんてとても難しいだろう。今のバランスにとって一番大事なのは、どんなことがあってもナーガを絶対に取り戻すという意志を貫き、前に向かって進み続けることだ。
あなたのためにできること
ラッキー達はナーガの脳内に潜入する。バランスによるとここにはナーガの良い心が眠っていて、そのナーガの目を覚ますことが大事らしい。そこにインダベー達が現れ行く手を阻む。
ラッキーは変身してインダベー達との戦いを引き受けバランスの進む道を確保する。その行動が仲間思いで素敵だなと思う。
バランスは眠っているナーガを見つける。「ナーガ…!」と言うバランスからはナーガを見つけることができた、ついに戻せるかもという期待が漏れ出ているようだ。
そこにミクロツヨインダベーが現れ、ダークナーガを召喚する。飛んで現れるダークナーガ、最高にかっこよすぎる。ばさっとなびく上着がたまらなく好きだ。彼は「よくも俺を騙したな」と美しい笑みを浮かべながら言うが、言い終わった後笑みがだんだんと消えていく。抑えられない怒りが露わになるように。
「ナーガを取り戻すためなら、なんだってするさ」と話すバランスに、「ふふっ、やれるもんならやってみろ」と返す。このとき笑顔なのは、バランス達に騙されたのは許せないが今度こそ憎き相手を倒せるはずという期待が溢れ出ているのだろうか。ダークチェンジと言うときの怒りが浮かんでいるような真剣な顔も最高だ。ダークナーガが変身して喜ぶミクロツヨインダベーがキュートでつい顔がほころぶ。
一方、ダークナーガの元で人質に取られているガルと小太郎は彼に必死に呼びかける。小太郎の「ねぇ、心を無くしちゃったの?ナーガ!」という言葉に、ダークナーガは「違う…!俺は感情を手に入れたんだ」と笑顔で告げる。改めて思うと、ダークナーガは笑みを浮かべていることが多い気がする。感情を取り戻すという願いがついに叶った、抑えきれない喜びが思わず顔に出ているのかもしれない。また、彼が浮かべる笑顔はいつものナーガとはどこか違う。ナーガは相手を思いやるような優しさが感じられる温かさ。ダークナーガはどこか底知れない恐ろしさがある邪悪さ。このニュアンスの違う笑顔をそれぞれ表現できるのが本当に凄いと感じる。ダークナーガ編の感想で演技についての話はもう何度もしているが、それだけ言いたくなるくらい強く強く心に響いた証だと思って欲しい。
テンビンゴールドはヘビツカイメタルの攻撃をかわしながら問いかける。「ナーガ、何をそんなに怒っているのさ」と。それに対しナーガは、心の底からの本音を打ち明けるような低いトーンの声で「ムカつくんだよ!!テメェの全てがな!!!!」と声を荒げる。
バランスがこのことを聞いたのは、ダークナーガの本心を聞き出し対話したかったからではないかと思う。コミュニケーションにおいて、自分と相手が思っていることが違っていてどこか話が噛み合わないという経験はないだろうか。Space.28でナーガがバランスに自分が感情を手に入れて嬉しいだろうと聞いた時、バランスはそんなの嬉しいわけないじゃないか!と答えた。これは「ナーガと戦いたくないバランスの切ない気持ち」の現れだと思うが、ナーガにとっては感情が欲しい、みんなで喜び合いたいという願いそのものを全否定されてしまったように感じられたのだろう。お互いの気持ちを通じ合わせて快く話すには、お互いが本当はどのような気持ちを抱えているのか心から理解することが大事なのだ。
その言葉を聞いたバランスは「だったら!!!!!!」と叫ぶ。彼が叫ぶシーンを見るのはすごく珍しい気がする。思わず叫んでしまうくらいの強い思いが溢れ出ている証だろう。ハァ…ハァ…と呼吸が乱れていることから、ダークナーガの猛攻を避ける大変さがひしひしと伝わってくる。そしてナーガに伝えるのだ。
「僕が全部受け止めてあげる」と。
広い広い懐。優しすぎる思いやり。ヘビツカイメタルの攻撃を全て受け止めようとする。彼の憎しみや殺意など負の感情までも受け入れようとする姿勢。宇宙一かっこいい。率直にそう思った。
他者の負の感情までも受け止める。それはとても難しいことなのではないかと思う。生きていれば辛さや悲しみなどは必ずと言っていいほど伴う。自分の辛さを背負うだけでも精一杯になりかねないが、そこに人の分も加わったらキャパオーバーになる可能性もある。
ダークナーガはきっと言葉では言い表せないほど辛かったのだ。せっかく感情を取り戻すという悲願を叶えられたのに仲間たちは誰一人喜んでいなかった。最後の希望とも言える相棒にも裏切られた。あんなにバランスのことを大切に思っていたのに、バランスの全てに怒りを覚えるほど強い憎しみに包まれてしまった。一度強い負の感情を抱いてしまうと、嬉しいなどの他の感情までも全て真っ黒に塗りつぶしてしまうほどの恐ろしさがあるのだ。
だからこそバランスは真正面から受け止めようとしたのだろう。彼の抱えている辛さが少しでも和らいで欲しい。そして以前のような温かい笑顔がまた見られたら、何よりも、どんなことよりも嬉しいのだから。
受け止めてあげると言われ、ダークナーガの喜びが口から溢れる。喜びを噛み締めてからの激しい連続攻撃。バランスは立っているのもやっとの状態だが、残りの力でなんとか笑ってみせる。これはあなたから攻撃されても全然気にしないよという意思の表れだろうか。しかしそのことがダークナーガの怒りを増幅させてしまい、「テメェの一番大事な物を奪ってやる!」と眠っているナーガを攻撃しようとする。「やめろ!」と叫ぶテンビンゴールドの声はシリアスそのもので、ナーガを絶対に、何がなんでも守りたいという強い意思を感じる。
本人の目の前で「君にとって一番大切なものは自分」と言えるのは、どんなものよりも堅く熱い絆で結ばれているからこそ溢れる絶対的な自信だと思う。
それとも、ナーガはピュアだからこそバランスから自分に向けられている思いやりや絆をひしひしと感じており、自分を一番大切に思っていると自覚したのかもしれない。だから全く恥ずかしがらずに、堂々と相手にとって自分が一番大切と言い切れるのだろうか。
溢れ出す思い
ナーガを庇ったバランスは、変身解除されるほどの大ダメージを受ける。
「バカな奴だ!そんな奴のために命を捨てるなんてな」
「ちょいちょいちょいちょい…自分に向かってそんな奴なんて言わないでよ、ナーガ」
自分自身を蔑ろにしようとするダークナーガ。怒りの感情が具現化したような彼にとって、「いい心」のナーガは不要な存在なのかもしれない。あれだけのダメージを喰らってもバランスはなんとか起き上がる。そして「まだ動けるのか」と言われた時のバランスの返しがもう本当に、本当に好きだ。
「当たり前だろう?」
ただ肯定するだけではなく、当たり前と言う。相棒を守るためなら、ナーガを取り戻すためなら、簡単に倒れるわけにはいかない。決して折れることのない強い意志。
バランスは座って、眠るいい心のナーガを見つめながら語る。
「僕は300年生きて初めて見つけたんだ、自分の全てを預けられるパートナーをね」
「ナーガがいない宇宙なんて…考えらんない」
ナーガへの強く熱い思いを告白する。自分の本心を相手に伝える告白にはとびっきりの勇気が必要だ。いつも一緒にいる大切な相手でも、素直な気持ちを伝えるのは照れ臭くて中々言えない。しかしバランスは本人の前で堂々と言い切った。もう言葉では言い尽くせないほど凄すぎて尊敬する。
特に自分の全てを預けられるという言葉がとても印象的だと感じた。
自分の全て。普段の自分の言動だけではなく、心の奥底に仕舞い誰にも見せないような辛さもきっと含まれるのだろう。あのときあぁすればよかったという後悔、理不尽な目に遭ったやるせなさ、胸を締め付けるような悲しみ。そんな生きていく上で必ずと言ってもいいほど付き纏う負の感情。
たとえ親しい間柄でも自分の全てを預けられるとは簡単には言い切れない。普段人に見せない部分を曝け出すのははっきり言って不安だ。相手に引かれてしまうなど、後悔するくらいならやらないほうがいい、なんて思ってしまう。
でもバランスはできると心の底から信じている。バランスにとって隣にナーガがいて、ずっと一緒に過ごすことは当たり前なのだ。喜びは分かち合って一緒に笑い、辛さは共に受け止めて心を少しでも軽くする。正反対な二人だけど、歩幅を合わせて共に前を向き同じ道を歩んでいく。それはどちらかが欠けては決して成立しないことなのだ。
全てを預かってもいいではなく、「預けられる」という言葉選びもポイントだと思う。
現にバランスがダークナーガの怒りや憎しみを受け止めたように、反対にナーガにもそれができると強く信じているのだろう。
ナーガがいない宇宙なんて…と言った後に首を横に振るのも好き。ナーガがいないなんて考えたくもない、かけがえのない何よりも大切な存在なのだろう。
ダークナーガが自分を蔑ろにし倒そうとしたからこそ、自分にとってナーガは唯一無二の大切なパートナーであると伝えた。もっと自分を大切にしてほしい、ナーガを大切に思う存在がここにいるからという思いの現れかもしれない。
自分を倒そうとするダークナーガが近くいる状態であえてリラックスしたような体制になったのは、心を落ち着かせるからこそありのままの本音が言えるからのように感じる。
何度聞いてもあまりの良さに心の中で思わず「最高……………」と涙ながらに呟いてしまうセリフだと思う。キュウレンジャーで好きなセリフを聞かれたら、きっと私は真っ先にこのセリフを挙げる。
バランスにとってナーガがいかに大切な存在か伝えるのなら「きみが一番大切な人なんだよ」と簡潔かつストレートに伝えると言う方法もある。もちろんそれも最高だが、自分の言葉でいかに相手がどれほど大切で大きな存在であるか語るのも本当に素敵なことだと思う。つくづく感じる。自分の気持ちを分かりやすく伝わりやすく言語化するというのはとても難しいと。気持ちってありふれた言葉だけでは全てを表現しきれないときもあるから。例えば相手に「好き」と伝えるとき、それだけではなく「あなたのことを考えていると、どんな困難でも乗り越えられそうなほどの元気と勇気がひしひしと湧いてきて、頑張れそうって思える」と加えるとより深く心を動かすほどの思いが伝わりやすいのではないか。
この思いを絶対に届けたいという熱意で一生懸命組み上げた世界に一つだけの言葉はきっと、きっと心に響くのではないかと思う。
ダークナーガは「だったら…二人まとめて始末してやる」と言い放つ。鎌を撫でながら言うのがとてもかっこいい。
そのとき、ハミィがナーガを呼ぶ叫びがこだまする。彼女は現実世界にいるダークナーガに抱きつきながら「ナーガは一人じゃないよ、苦しまないで」と励ます。ハミィの声が辛さ、苦しさ、悲しみなどに溢れていて、聞いていて涙が溢れそうになる。目の前で大切な仲間が苦しんでいる辛さが切実に伝わってくるのだ。
他の仲間たちもナーガに必死に呼びかける。いかにナーガがみんなにとって大切な存在なのかびしばしと伝わってくる。彼らは自分たちの願いが届いて欲しいと懸命なのだ。ナーガを取り戻したい、また一緒に笑い合いたい。頭の痛みで苦しんでいたダークナーガは急に動きが止む。
バランスも呼びかける。「思い出してナーガ!何がしたくて僕達と一緒にいたのか」。バランスはナーガが何を欲しがっているのか覚えているし、その気持ちに寄り添おうとしている。だからこそ問うのだろう。あなたの本当の願いとは何かと。
その時、ナーガの頬に流れたのは一粒の涙だった。
感情を欲しいと願っていたナーガがついに、ついに泣いたのだ。歴史的瞬間と言えるくらい大きな出来事だと思う。
作品においてキャラが涙を流すのは心情や強い思いを表す重要イベントだと思っている。涙は悲しい、嬉しい、感動など様々な気持ちを表す感情表現の一つだ。本編で初めて涙を流したのがみんなとの絆の温かさを感じた瞬間というのが本当に良すぎる。バランスに出会って、キュウレンジャーに入って、素敵な仲間達ができて本当に良かった…。心からそう感じた。あまりにも良すぎて言葉が出てこなくなるくらいだ。
みんなが涙するダークナーガを見つめている。涙するダークナーガの顔からどこか切なさを感じる。初めて味わう感情に戸惑うような、今胸を満たしている感情だけに向き合っているような。
ここでキュウレンジャー加入前のBN団の回想シーンが流れる。「俺のお宝は感情」とナーガに言われるが、「あ〜…感情…」とドライに受け流すバランス。でも今ではあれだけ魂に向かって問いかけるくらいナーガの思いをとても大事に思っている。それだけ変わった、成長したということだ。その成長が何よりも愛おしくて感慨深い。
ナーガは自身の願いを話す。「泣いてみたい、怒ってみたい、だからバランスについて行く」。泣いてみたいという願いがついに叶ったんだよ……本当に、本っ当に良かったね………。ナーガ………。
みんなとの思い出がダークナーガの周りに映し出される。ナーガたちが紡いできた揺るがない大切な歴史。鎌を振り払おうとも決して消えることはない。
みんなと共に過ごすなかで少しずつ感情や温かい絆が芽生えてきて、だからこそナーガは泣くことができたのかと思うと感動で胸がいっぱいだ。
自分自身との対峙
ダークナーガは再びバランスを攻撃しようとする。バランスは全く怯えたりせずただ下を向く。全部受け止めてあげると宣言したゆえの覚悟だろうか。
しかし、攻撃は当たらなかった。目を覚ましたナーガが武器で攻撃を受け止めたからだ。あまりにもかっこよすぎる。彼はついに目を覚まし大切な相棒の危機を救ったのだ。たくさんの感情が込み上げてきて胸を熱くする。鎌を鎌で受け止めるのもかっこよくて好きだ。同じ武器で戦う二人のナーガ、最高すぎる。
ナーガが「お前の感情…俺は分かる」とダークナーガを真っ向から否定せず、そっと寄り添うような姿勢が好きだ。だって彼もナーガの一部なのだから。
「でも…俺が欲しい感情はそんなもんじゃない!!」とナーガが心から叫ぶくらいの強い想い。とても真剣な表情から一秒も目が離せなくなる。
「俺が欲しい感情はこれからもバランスや仲間達と一緒に…手に入れていくんだ」というセリフは、あまりの良さに「私の口から話せることは最高しかない」とつい言いそうなほどだ。ナーガは心から願っているのだろう。これからもみんなと一緒に過ごしたい、その中で感情を手に入れるという願いに一歩ずつ近づいていきたい。感情は自分一人で過ごすより、誰かと一緒にいて様々な経験を積むことでより育ちやすいのかなと感じる。嬉しいや悲しいなど色々な感情が湧いたり、相手の感情をそばで感じたり、お互いの気持ちを分かち合ったりなど、仲間といることでしか得られない経験や学びが大きな成長に繋がるのだと思う。
ナーガを見つめるバランス。「ナーガ…」という呟きから目を覚まして良かった、安心した、自分たちの呼びかけが身を結んで良かったという様々な想いがひしひしと伝わってくる。
ナーガはもう一人の自分に伝える。「だから…お前は消えていいんだ……」。叫ぶのではなく、どこか優しさを含んで諭すように言うのが良い。優しく包み込むように、受け入れるように温かく接する。
ナーガ自身がヘビツカイメタルにトドメを刺し決着をつけるのが本当に良すぎる。自分のことは自分で決着をつけるのがかっこいい。
倒されたダークナーガは光の粒子となりナーガに吸収される。もとに戻ったように。あるべき場所へ帰ったかのように。
ダークナーガは叫び声を上げ、涙を流す。その涙からラッキーとバランスが出てくる。顔の紋章が消え、霧が晴れるように闇は消えていき、ナーガは戻る。
「ナーガ」と優しくバランスに呼ばれ、涙を流したまま寂しそうな顔で向き合う。やっとみんなに会えた喜びや、みんなに迷惑をかけてしまった悔しさなど色々な気持ちが一度に押し寄せてきているのだろうか。仲間たちの優しい表情からは全身を包み込むような嬉しさそのものがひしひしと伝わってくる。こうやって温かく接してくれる仲間がいるってなんて素敵なことなんだろう。そう心から感じた。みんなに感謝の言葉を伝えるナーガ。心の底からの思いを伝えているんだなと感じる切ない話し方に思わず涙が出そうになる。その様子をオリオン号から嬉しそうに見つめるラプターと何かを感じ取っているようなエキドナ。
そういえば、バランスの性格を考えるとナーガが元に戻った嬉しさですぐに抱きついてもおかしくないと思う。しかしまだ敵との戦闘が終わっていないから再開の喜びを分かち合うのは後にした方がいいと思ったのだろうか。
そんなキュウレンジャーたちの前にアキャンバーたちが現れる。相手を見据え「決着をつけよう」と告げるナーガから感じるのは確かな怒り。戦闘には気持ちを切り替えて臨もうとするナーガがすごくかっこいい。真剣そのものな表情と変身する時の片手をバッと払うような動きも最高だ。ナーガが再びヘビツカイシルバーに変身した嬉しさで胸がいっぱいになる。シシレッドオリオンの「お前の運、試してやるぜ」の言い方が普段とは違いシリアスでとてもかっこいい。かっこよさ・美しさ溢れるビジュアルと相まって惚れ惚れしてしまう。
敵幹部相手に圧倒的な強さを見せつけるシシレッドオリオンなど戦闘シーンはどれをとってもかっこよくて最高だが、中でもBN団の共闘を久々に見られたのが何よりも嬉しい。共闘は二人が協力することで何倍もののパワーを発揮できるし、かっこよさがさらに増すのが素敵すぎる。もう一挙一動全てがかっこいい。その一言に尽きる。二人で「カモン」と相手を煽るのがかっこよくてめちゃくちゃ好きだ。二人でキックなど息の合った攻撃が最高すぎる。久々に二人の「あげぽようぇい!」を見られたのも、もはや言葉では言い尽くせないほどの嬉しさに包まれてしまう。二人でバランスの口癖を言うのが仲の良さが伝わってくるのはもちろん、二人で同じ気持ちを分かち合える大切な言葉なんだと感じる。キュータマに人差し指の第二関節辺りを乗せるテンビンゴールドと人差し指の指先を添わせるヘビツカイシルバー、オールスタークラッシュを放つとき、テンビンゴールドは腰に手を当てて余裕そうに、ヘビツカイシルバーはしゃがんで安定感のあるポーズをするなど、一つ一つの仕草にそれぞれの個性や魅力が出ていて好きだ。ミクロツヨインダベーを倒し、「ナーガ、あっちあっち」と誘導した後、「お疲れちゃん」と言いながらその場に倒れるテンビンゴールド。本当に、本当によく頑張った。バランスに心からの拍手を贈りたい。
シシレッドオリオンとアキャンバーが戦っているところに駆けつけるヘビツカイシルバー。「アキャンバー、感謝している。俺は怒りをコントロールできるようになった」と話すと、そこにはなんとダークキュータマが現れて思わず驚いてしまった。変身する時にバッと片手を払うのはヘビツカイシルバーに変身する時と同じなのが好きだ。力強くてかっこいいし、ポーズが変わったことで闇堕ちを乗り越えたナーガの変化が見て取れて良い。そしてヘビツカイメタルに変身するのだが、闇堕ちしていたときとは見た目が少し変わっている。闇堕ちを乗り越え、新たな強化フォームとして自分のパワーへと変えた。かっこよすぎるし、なんて感慨深いんだろう。この経験はナーガを大きく成長させたのだ。
攻撃を決めた後のヘビツカイメタルの「グッドラック」がかっこよくて素敵だなと思う。そこに疲れていたはずのテンビンゴールドが急に現れて「グッドラック」って言っちゃうのが、バランスの陽気さが溢れていてもう大好きだ。
二人の必殺技をくらったアキャンバーは去るのだが、その時にツンデレみたいな言葉を残すのがちょっとかわいい。そしてミクロツヨインダベーの技によって巨大なヘビツカイメタルが現れる。ヘビツカイシルバーの「でかい俺が現れた」というセリフの言葉選びがかわいくて好き。そしてロボ戦に突入する。キュータマジンを蹴って一回転するヘビツカイメタルの躍動感と舞う腰マントがかっこいい。
BN団はボイジャーをそれぞれロボから分離させる。Space.26で戦闘中に上の空になってしまい、キュータマジンから外されてしまったあのときとはもう違う。攻撃に迷いなどない。そして二人は「ハッピースプラッシュ」という合わせ技を繰り出す。聞いただけで笑顔になってしまいそうな明るい響きがすごく好きだ。二人が揃っていればきっと毎日ハッピーになれるだろう。この技名を二人で考えたのかなと思うだけで嬉しくなる。二人の攻撃で隙を作った後、キュータマジンの必殺技で無事勝利。みんなの「宇宙は俺達が取り戻す!」の後、バランスの「シャキーン!」というセリフがかわいくて顔がほころぶ。
心からの「ありがとう」
オリオン号に戻ったナーガは仲間たちに「みんな…迷惑をかけた、ごめんなさい」と謝る。深いお辞儀から誠意が表れている。それを見たバランスも深くお辞儀をして謝る。ナーガ一人に謝らせず、バランスも一緒なのが本当に良い。コンビとしての連帯責任というか、どんな時も一緒なんだなって。そんな強い絆を感じる。
仲間たちはナーガのことを温かく迎え入れる。やっぱり素敵な仲間たちだ。バランスに背中を叩かれるまでお辞儀し続けるナーガ、なんて誠実なんだろう。ナーガの消え入りそうな声の「ありがとう… 」は絆や温かさを噛み締めるような気持ちを感じる。
バランスは急に駆け出して別の場所に移動しようとする。それを見たナーガは「どこに行くんだろう」みたいな寂しげな表情を浮かべる。みんなからバランスにかける言葉が温かさに溢れていてすごく素敵だ。スパーダが「ナーガもバランスの言葉を待っているよ」と言っている時、ナーガが一瞬口角を上げて真剣にバランスを見つめるのが好きだ。バランスは何て言うのか期待がこもっているような気がする。
振り返ったバランスは号泣しており、飛び上がってナーガに抱きつく。驚くナーガ。涙を人に見せたくないからこそ移動しようとしたのだろうか。
「ナーガ〜!寂しかったよぉ〜!!帰って来てくれてありがとぉ〜〜……」
一回抱きついた後に一度離れて両手を広げて再びハグをする。再会の喜びを分かち合うように。ハグは相手の温もりや匂いまでも感じられるような近い距離で触れ合う。大切な相手でしかできないような特別なことだと思う。
バランスはナーガの肩に手を置くなどのスキンシップは数え切れないくらいしているが、ハグは片手で数えるくらいしかしていない気がする。このうえない嬉しさを表す特別な行為だからこそあまりしないのかもしれない。
ハグするまでの過程もすごく好きだ。相手を見つめて、手を広げて受け入れ体勢をとって抱きしめる。喜びで全身が満たされるような温かい感覚。ナーガが帰ってきたという喜びを噛み締めたいからこそもう一度ハグし直したのかなと思う。それを見て「よくできました」と言わんばかりに拍手するスパーダから優しさが伝わってきて好きだ。
「ナーガ……ナーガ……」と泣きじゃくるバランス。今回のお話はナーガ、そしてバランスが本編で初めて涙を流した回でもあるのだ。バランスは普段は八方美人で明るく振る舞っているが、こうして心のうちに秘めた感情を仲間たちの前で曝け出せたのはそれだけ強い信頼で結ばれている証なんだと感じてとてもとても嬉しくなった。
特撮作品のガワ(着ぐるみ)のキャラは基本的に表情が変わらない。声優さんの声とスーツアクターさんの動きの演技が組み合わさることでキャラの存在を生み出す。表情が変わらないからこそスーツアクターさんの一つ一つの細かい動きや声優さんの機敏な声の演技により注目が集まり、表情が変わらなくてもキャラの感情がひしひしと伝わってくる生き生きとしたキャラが生まれるのだ。
しかし表情が変わった例もある。『騎士竜戦隊リュウソウジャー』のクレオンは、過労で疲れ切っていたときにガワの瞳に上まぶたをつけて半目にすることですごく辛そうな顔を表現していた。つまりガワは素面のように自由自在に表情を変えられないからこそ、人の手で表情を変える必要がある。ゆえに表情が変わる機会は限られている。だからこそ表情が変わった時の印象がより大きくなると思う。あんなにも明るい性格のバランスが号泣するほど辛かった、寂しかった。バランスが泣くというアイデアを考え、ガワの表情を変えて涙を取り付けた。そうすることで初めてバランスが泣いている状況を表現することができる。
そういえばバランスは普段の表情、Space.7で登場した落ち込んでいる表情、今回の号泣の表情と現時点で3種類もある。ここまで表情が多いのは中々珍しい気がする。今後も増えたりするのかな。楽しみだ。
この二人が出会って、長い時間をかけて絆を深め、お互いにとってかけがえのない存在になれて本当に、本当に良かった。バランスを見つめ喜びを噛み締めるようなナーガの絶妙な表情も本当に良い。ナーガはだんだんと表情が豊かになってきていてその成長に思わず感動してしまう。
「みなさーん、大サンキューでーす」と話すバランスにみんなは一緒に同じポーズをとって「とんでもねぇでーす」と返したり、ハイタッチしたりなど仲睦まじい光景は、みんなが困難を乗り越えてナーガを奪還したからこそ得られた喜びだと思うと感無量だ。
一連の流れを見守っていたエキドナは「私はまだ感情が必要だとは思えない」と告げる。そして次に放った言葉は予想外のものだった。
「だがお前達は感情があるから強い。ナーガ、宇宙を頼んだ」。感情のことを全面的に認めたわけではないが、キュウレンジャーたちの熱い想いを認め宇宙を託す。感情を持たないはずのエキドナがキュウレンジャーたちの思いに心動かされ、信頼してもいいという気持ちが生まれた。すごいことだと心から思う。このとき、ナーガは下を向いて考え事をするも、すぐにエキドナの方に顔をあげるのが好きだ。エキドナをお辞儀して見送るバランス。出会ったばかりの頃は「帰ってよ!」と言ったが、今では彼女から託された思いを守ろうという決意が胸に宿っているのだろう。
「好き」の持つパワー
ナーガ闇堕ち編は私の人生史に残るくらい心を揺さぶられた最高のエピソードだと思う。改めて、キュウレンジャーという作品を、怪盗BN団というコンビを好きになれて本当に良かった、幸せだなと感じた。改めて考えると、あれだけ絆を深めてきたバランスとナーガが敵対関係になるとは驚きの展開だと思う。しかし私は二人の絆を描く上でこの展開はとても大切なのではないかと感じる。
コントラストというものをご存知だろうか。一言で言えば「明暗差」。明るさと暗さに差があればあるほどより目を引く。つまり、絆も敵対関係も両方描くことで、絆の美しさや尊さがより輝き、敵対関係の辛さにより惹きつけられるのではないかと思う。コントラストは両方があって初めて成立するのだ。
天気だってずっと晴れが続くわけではないように、仲が良い二人が喧嘩してしまう瞬間だってあり得る。人生常に順風満帆に進むとは限らない。常に100点満点の選択をできるとは限らない。あのときあぁしておけばよかったという後悔は必ずと言っていいほど付き纏う。後悔に苛まれてひどく落ち込むことだってあるだろう。それでも生きていくのだ。自分の目指す未来に向かって、ときには転び、ときには雨でずぶ濡れになったって。それでも懸命に突き進んで行く姿はかっこいい。足掻いて、足掻いて、足掻き続けて輝かしい未来を自らの手で掴み取る。その経験は自分を大きく成長させてくれる。
途中で強い感情は人を突き動かすエネルギーになると書いたが、自分が一万字超えの感想を書くことになるとははっきり言って予想外だったのだ。感想の例として、キュウレンジャーSpace.2と7を初めて観た後の感想メモを載せてみる。
Space.2
バランスとナーガのコンビがめ〜〜〜〜〜ちゃ良すぎる
コミュ力高めで表情豊かって感じのバランスとクールなナーガの正反対なコンビいい………
感情を知りたいナーガ、良いな…
バランス、最初は普通に裏切るんだけどナーガが初めて自分の意思で行動したことに感化されて助けたの良かったな………………
ナーガもいずれ感情を理解して表情豊かになったりするのかな
バランス、常にチャラくてあまりにもよい
動くたびに天秤の飾りが揺れるのほんと好き、最高
ラッキーの底抜けの明るさ、天性のリーダー性いいな〜〜〜
初対面の人の心までも動かす、すごいことだよ
ハミィちゃん、カメレオングリーンって名乗る時の声がカッコよくて好き
Space.7
開幕からバランスがナーガのこと相棒って言っててオタクは尊死しちゃった
あ〜〜〜〜〜〜良すぎ
バランスの誕生日を取り戻すのに必死なナーガいいな
バランスがナーガに抱きつくシーンあまりにも良すぎる…………
プレゼントは相棒の笑顔って最高じゃん…………………
みんなで笑顔の練習したのも尊いし
バランス300歳だけど故郷では若者なのいいな………………………
今回と感想と読み比べてみると、自分でも同じ人が書いたとは到底思えない温度差でちょっと面白いとさえ思ってしまう。私は今まで作品を観ても長文の感想を書くことがあまりなかった。しかし、BN団を大好きになったことがきっかけでnoteを始め、こうして想いの丈を綴っている。作品に深く向き合い、一つ一つのシーンのセリフの言葉選びや言い方、表情、動きなど細かく観てこういう思いなのではないかと考察したり、ここがいいなと思った部分を書いたりする。できるだけ自分の思いを分かりやすく的確に伝えようと試行錯誤しながら書く。それがこんなにも難しいことなんて思ってもいなかった。現にこの記事を書き始めたのが去年の5月で、完成までに一年以上経っているのがその証だ。
Space.26、28、31と3話分書くのに途方もない時間がかかってしまったが、後悔は全くしていない。むしろ挑戦してみて良かったと強く思う。ダークナーガ編について改めて向き合ったことで新たな発見があったり(Space.31でバランスが久々に戻って来た時のハミィの気持ちを考察した下りなどが当てはまる)、他の作品を視聴するときも俳優さんの演技や演出などを以前よりも注目して観るようになり、より作品の魅力を噛み締めることができるようになったと思う。
好きなものは宝石のようにキラキラと輝いて見えるくらい素敵だ。考えているだけで幸せに浸れる。落ち込んだ気持ちも明るくしてくれる。新しいことや慣れていないことを挑戦する勇気もくれる。好きなものがあるとこんなにも人生が楽しくなるなんてとっても素敵なことだと思う。これからもこの気持ちを大切に大切に生きていきたい。