揺らぐ軸、抗えない重力。
人生でこれ程長く、20年もさ、勝手にだけど信じて掬われて付いていったバンドは居ない。おそらくそれは変わらないという想いが揺らぐ事は一度として無かった。無かったのに。
一昨日のチャマの件、自分の中で受け止め切れずにいる。既婚者からのアプローチで嫌な思いをした事があるし、パートナーがいるのに何故そんな事が出来るのか理解に苦しむ。私の中ではとくに、嫌悪する行為である事に違いは無い。
その上、何よりあんな記事に大好きなGravityの歌詞を引用される日が来ようとは夢にも思わなかった。
記事の内容についてはただの部外者なので口出し出来ることもない。ただ、歌詞の引用だけは許せなかった。藤くんの想いの込められた曲を、盛大に侮辱されたような気さえした。
そんな想いを平気で踏みにじるような記者に、隙を与えたチャマにも怒りを覚えた。
個人の行為がこうして世に出ると、その行為をした人の所属するグループや作品にも影響を与える。それくらい影響力のあるバンドのメンバーなんだよ。それくらいわかりきってる事だと思ってたよ。
藤くんの曲が大好きだって、ファンだって新曲出るといつも「いい曲だなあ」って真っ先に言ってたチャマ。
リスナーの中で誰よりも一番に、最前で聴いてきたはずなのに何を聴いてたのと思ってしまう程の衝撃だった。
藤くんの曲を心から好きなチャマだから、それを侵すような事は絶対しないって勝手に信じてた。チャマ、ヒロ、ヒデちゃんが居なかったらきっと、藤くんはバンドを続けていなかったと思う。そんな影響力のある3人だから、何よりもBUMP OF CHICKENの音楽を守ってくれると無条件に信じてた。
プライベートをほとんど明かす事のなかったバンドだけど、プライベートはプライベート、音楽で、いや音楽だけで繋がっているリスナーにとって、一人のリスナーにとっては4人が元気に、幸せに過ごしてくれているなら何だってよかった。こんなにも信じさせてくれる音楽を届けてくれる4人に、誰よりも幸せでいてほしいと願ってた。勝手にね。
あのね、今回リークした女性の気持ち、ただの想像でしかないけれどとても人間らしい人だと思ったよ。「今更言うとか」「金になると思ったからでしょ」とかネットでは多々目にしたけれど、全く「今更」じゃないよ。された側はずっと忘れない。忘れたくてもふとした拍子に思い出してしまう事がある。忘れる事が出来ないんだよ。それ程の傷を負ったんだよ。それだけの事。
たまたま藤くんの結婚報告でみんながお祝いしてる中、藤くん個人にではなくBUMP全員に対して「誠実」「スキャンダルもなくて安心」ってコメントを目にした時、フラッシュバックしたんじゃないかな。自分は忘れられないでいるのに、無かったかのように世間では好印象で相手は過ごしてるように、少なくとも相手の方には思えてしまったんじゃないかな。
他にも被害が出ないよう、それが本心かはご本人にしかわからないけれど例え「お金になる」といってもこれで気持ちが晴れる事は無いと思う。自分の話だけど昔、とても傷つく事を突然一方的に言われ双方の親を巻き込んで喧嘩した末に相手が謝り終わったことがあった。気持ちは全く晴れなかった。でも、とりあえずは終わった事だと思うことにした。
あれから数年の月日が経ち、成人式の日に偶然会った時、「久しぶり!元気してた?」って普通に話しかけてきて「顔も見たくなかった」と思ったよ。今でもそう思う。時が解決してくれることばかりじゃない。何でも上手く折り合いつけられるんなら、誰も傷つくこともないんだろうな。
SNSとかで発信しても揉み消されたり、誰にも信じてもらえない可能性はあるよね。というかそうとしか思えない。だから週刊誌に話を持って行ったんじゃないかな。例え既婚者と知らなかったとはいえ、リスクも考えたら勇気のいる事だし、そうしてでも明るみに出したいっていう強い思いに感じる。
今回の件は、BUMPの音楽にどれだけ影響を与えるかはわからない。でも影響を与えない事は無い。それがとても「悔しい」。チャマは誰に、何に対して悔しいと言ったのか知らないけれど、チャマが「悔しい」って言える立場じゃないと思う。それはベストを尽くした、尽くそうとした人が使える言葉。
曲と個人の行為は別物である。あるけれどそれは行為の種類によって、結び付けられてしまうんだと知った。
私にとってBUMPの曲は、他のアーティストと比べても特に、4人の人格や人間性に影響されて聴いている部分がある。プライベートの4人の事を知らずともBUMPの音楽と、唯一のつながりのライブとラジオから感じられる人柄で、そりゃもう勝手にイメージしてた。してたのは認める。だってあまりにも感動するライブと、和気あいあいとしたあったかいラジオを届けてくれる4人だったから。そんな4人の奏でる音楽だから余計に全力で聴いてきたし、全力で受け取りに行ってた。
完璧な人なんて居ないよ。多かれ少なかれ、人間だもの。こんな記事書いてるけれど、もちろん私だって人に言えるほど褒められた生き方はしていない。
でもまさかこんなギャップがあるとは思ってなかったし、「そういう人だったんだ」と受け容れるには時間をかけても出来るか自信はないもので。そういう行為だった。
でもね、今までなら無理だってすぐ離れてこられたものでもどうしても、どうしても離れられない。BUMP OF CHICKENは人生で信じられる数少ない唯一の存在で、そのBUMP OF CHICKENはチャマが居てこそだから。藤くん、ヒデちゃん、ヒロの誰が欠けてもそれはもうBUMP OF CHICKENとは思えないから。
藤くんがいつか言ってた、BUMPの曲として出すのはどうかと悩んでいたあの曲に「責任を持てる」と言い切ったチャマの事、すごく頼もしくみえてBUMP OF CHICKENというバンドの魅力をあらためて感じた。そう言ってたチャマだから余計に、世に出た曲は藤くんだけじゃなく、BUMP OF CHICKENの曲であって大事にしてるはず。なのにどうして、なんでって、考えても知りようがないけれど。
悲しい。ただただ悲しい。私にとってもBUMPの曲は唯一無二だった。拠り所だった。その拠り所をこの世で最も大事にしてると思ってた人に、丸ごと踏みにじられたような心地がした。
でもチャマの事、責めたいわけじゃない。支離滅裂かもしれないけれど本当に。
嫌いになるならないじゃない。どうやったってチャマとBUMPを切り離せない。無理なのに、無理じゃないと誤魔化したい。
BUMPの曲を聴いているのに、BUMPの曲だと感じられなくなってしまう日が、どこか冷めた自分が、白ける瞬間がこれから顔を覗かせたりするかもしれないと想像するだけでこわい。
ただの一人のリスナーごときに言える事など無い。でも悔しい。悲しい。数えられないくらい、傷付いた人に寄り添ってきたBUMP。溢れる程の生きる力をくれたBUMP。そんな音楽を届けてくれるバンドの人が何故傷付けるような事をしたのか。踏みとどまってくれなかったのか。過ぎらなかったのか。
悔しい。悲しい。
どうやったってBUMP OF CHICKENの居ない世界を越える事は出来る気がしない。
だから身勝手でも、続けてくれる事でしか信じられない。信じさせてほしい。無様でも縋りたい。ありのままじゃなくてもチャマらしく進んでほしい。なんて何様だ、誰だよって話だしただの我儘だけど。
それでも、BUMP OF CHICKENの音楽を守るチャマとして続けてくれると信じてる。信じる。
(書きたいことすべてをまとめる事は出来なかったけれど、今書ける事はまとめた。ぐちゃぐちゃな文章だけど、これで気持ちに区切りをつけられますように。)