マンション指定の光回線問題 | 欲望のおもむくままに
こんにちは。IoAです。
今回は、これまた経路の違う話になります。
以前の記事(下記)で書いたように、昨年の初春に引っ越しをして持ち家マンションに住み始めました。そのマンションでは、インターネット回線つまり光回線は、マンション指定の業者を使う必要があり、そこで通信速度やらなんやら不満があったのでその時の話です。(当時の話を記憶ベースで記載するので、事実と異なる部分もあるかと思いますが、大目に見ていただけると助かります)
前提
我が家は、約350世帯が入居する比較的新しいマンション。そして、インターネット回線は、入居時に予め指定があり、「UCOM光レジデンス」というもの。聞きなじみのない業者でしたが、マンションの光回線は一括導入のところも少なくないのであまり気にも止めてなかった(あまり確認もしなかった)、というのが正直なところだ。
ただ、入居していろいろ使ってるうちにわかったことがあった(事前に配布されたパンフレットにはちゃんと記載があったので、私が読んでなかっただけです…)
各戸に割り当てられるIPアドレスはローカルIP(ランダムなグローバルIPですらない。)
各戸で利用可能なIPアドレスは、20個まで。
通信速度は1Gbpsが上限
仮想専用回線サービスのオプション加入による通信速度の向上が可能
IPv6は非提供(IPv4のみ)
管理組合の承認があれば、別プロバイダーの導入も可能なようだが、それをしだすと各戸自由な回線を入れて管理不可な状況になるので、おそらく承認は得られないだろう。
事の発端①
さて、ここからが本題。
各戸には、ONU(光回線終端装置)とハブが設置されており、そのハブから各戸内の各部屋の壁に設置されたマルチメディアコンセント/LANコンセントにつながっている。
入居者は、各部屋の壁のLANコンセントに、アクセスポイントをつなぐことでWi-Fi利用が可能になる。ここが1つ目のポイントだ。
各戸に割り当てられるIPアドレスはローカルIP
ということは、マンション内でひとつ(ないしは複数)のグローバルIPがあり、マンション住人全員でそれを共有していることになる。また、同時にローカルIPを払い出すためのルーターも同じくマンション住人全員で共有されていると想像される。
故に、各戸内ではWi-Fiルーターを“ルーターモード”ではなく、“アクセスポイントモード”で使うことが推奨されている。(ルーターモードで利用することで、通信速度の低下を招く可能性があるため)
個人的には、なぜランダムなグローバルIPを割り振らずに、ローカルIPを払い出すのか。気持ち悪い。
まぁとはいえ、さして影響はないだろう?と考えて、ルーターモードでしばらく使っていた。(当時は、NEC aterm WX3000HPでした)しかし、時間帯によって50-60Mbps出るときもあれば、一ケタMbpsしかでないときも。Ping値も100msを大きく上回ることもしばしば。
そうなってくると、YouTubeやNetflixの動画視聴や、仕事(テレワーク)のオンライン会議でもストレスが溜まってきます。特に、他入居者もふくめて一斉に利用しているだろう時間帯は、常用に耐えない。
というわけで、まずはWi-Fiルーターを“ルーターモード”ではなく、“アクセスポイントモード”に変更。こうすることでWi-Fiルーターで行っていたIPアドレスの払い出し処理と、ルーティング処理を軽量化を図る。
加えて、Connectixという仮想専用回線サービスに加入して、改善を図る。月980円(初月無料)。絶妙な価格設定…。ものすごく高いわけではないですが、地味に高いです。
で、これらによって通信速度は大きく改善して、恒常的に100Mbpsを上回るようになった(ここは記憶が少し曖昧ですが、この時点で通信速度に関するストレスはほとんど解消されました)
めでたしめでたし…?
事の発端②
そして、しばらくすると次の事件が発生する。
各戸で利用可能なIPアドレスは、20個まで。
という前提にぶつかる。我が家は、スマホやパソコンだけじゃなく、Switchbot関連機器やらIoT家電やらでネットワークに接続されている端末は優に20台を超えている。
この前提を認識していなかったので、ある日突然、スマホがWi-Fiにつながらない!ということが起きた。
Wi-Fiルーター(アクセスポイント)を疑いましたが、他の機器は接続できていて、普通に通信できている状況。さて困った。
Wi-Fiルーターを再起動すると、再起動直後はWi-Fi接続できるが、しばらくすると切断される…。いろいろ試して、どうやら宅内ではなさそうだったのでUCOM光レジデンスのサポートセンターへ問い合わせると
利用中の端末が20台を超えているため、21台目以降の接続は自動的にブロックされます
とのこと。
むむ…。そう、ルーターを“ルーターモード”で使用していたときは、宅内でローカルIPアドレスを払い出していたのでほぼ無制限(実際はルーターの仕様依存)で端末を接続できていたが、“アクセスポイントモード”にしたのでIPアドレスの払い出しは、UCOM光レジデンス側で行われるようになっているのだ。その結果、21台以上の端末は接続できない…!これは不便だ。。
どうなったのか?その後。
そのままサポートセンターの人と会話を進めると
解決方法は2つ。
①Wi-Fiルーターを再び“ルーターモード”にして使う。ただし、これは非推奨。(理由は前述の通り)
②グローバルIPを払い出すオプションに加入し、Wi-Fiルーターを“ルーターモード”で使う。
とのこと。なんとグローバルIPの払い出し可能なんですか!?この時点で入居時に配布されたパンフレットや、UCOM光レジデンスのサイトをざっと目を通していたが、そんな記載は見当たらなかった(もしかしたら見落としていただけかも?)。
これで気持ち悪さを解消できる。20個のローカルIPが払い出されるということは、サブネットマスク/28でも/27でもない。どういう仕組で隣の家とネットワークを隔ててるのか。いや、サブネットで区切ったところでおおもとが知らない人と同じネットワークというのがモヤモヤする。
というわけで、グローバルIPアドレスのオプションに加入することにした。もちろん物理的には何も変わっていない。マンションに対して共用の光ファイバーケーブルがあり、それを約350戸で共用している。そして、おそらくグローバルIPアドレスさえも共用していた。
そこから、グローバルIP(しかも固定)を新たに取得し、Connectixで通信経路も論理的に分離することに成功した。
そして、通信速度は申し分ないの速度に。日中帯の速度がこちら。


正直、事の発端①直後と大きな変化はなかったのかもしれない(当時のスピードテストの結果がないのでなんとも…)が、少なくとも現状5GHz帯Wi-Fiに接続しているときは爆速で通信できているので大満足の結果である。
※有線接続しているのはデスクトップPCだけだが、おそらくWi-Fi(5GHz/IEEE 802.11ax)同等の速度だろう。
もし回線を自由に選べるなら…
ここまで話を整理すると
マンションに引っ越したら、インターネット回線指定だった
しかも、ローカルIPが20個までしか払い出されない
そこで、仮想専用回線サービス(Connectix)と固定グローバルIP払い出しサービスに加入(課金)したら、超絶幸せになれた
という話である。
もし、将来戸建てを建てるなどして自由にインターネット回線を選べるなら、どうするだろうか?
まぁ、その場合は、宅内に入る時点でローカルIPになってるってことはほとんど考えられないだろう。
正直、“固定”グローバルIPには強いこだわりはない。ランダムであっても良い。宅内サーバを設置したとしても、今どきDDNSでなんとかなる。が、“固定”のほうが楽なの確か。
あとは、通信速度だが、1Gbpsの回線とするか、昨今流行りの10Gbpsにするか。競技ゲーミングをするわけではないので、実用生活では1Gbpsで足りるだろう。が、ロマンとして10Gbpsを選択する気がする(笑)
その場合は、インターネット回線だけでなく、宅内のLANケーブルや、Wi-Fiも整備しなくてはならない。IEEE 802.11nや、acだと1Gbps回線でも満足に活用することができない。axだと理論上、1Gbpsの有線LANに遜色ないレベルで通信できる。
10Gbpsのインターネット回線を使っているのに、宅内はIEEE 802.11nで通信していたら宝の持ち腐れも良いところである。(とは言っても、スマホ・タブレット、PCなどの機器を除き、未だにIEEE 802.11nまでしか対応していないものも多いし、そんなに通信速度は必要ないのも事実)
ただ、IEEE 802.11nの2.4Ghzは電子レンジと干渉するのでせめて5GHz帯を主流にしてほしい。
話がそれてしまったが、今回の話はここまで。読んでくださり、ありがとうございます。