2024年8月まとめ
信じられないくらいに暑かった7月を越えて、8月になると少しばかりは暑さが和らいだ気がする。いやいや、普通に32度とかあるって。
かなりの異常気象が続くので調べてみたところ、日本の近海の水温上昇は世界的に見ても特異的なんだそうだ。いやだー!
8月はプロットを3本ほど書いた。
既刊の続編と、2本は新企画。どちらも今まで挑戦したかったダンジョン配信もの。来年にかけて執筆になるので、がんばっていきたい。楽しみにしていていただけるとハッピー。がんばるぞ……とはいうものの、すっかり夏バテをしてしまっていて、何もやる気がおきない瞬間が多い。よくないです。またちょっとずつ、生活をやっていきたい次第。
さて、今月8月には……というか先月末に参加したお祭り小説賞がありました。主催の方がとんでもないリソースをつぎ込んでいる。なんと、全作に講評がつくのであります。
書き手というのは、あまりにも感想と講評に飢えている生き物……このお祭りは、参加者のなかでも可能な限り感想をシェアしあう文化があって、主催やコアな参加者たちが心を砕いて育ててきた賞なんだというのがビンビン伝わってきます。すごい草の根文化。
好評だけで数十万字のボリュームがあります。全部読んだらさすがに少しくたびれましたが、講評から気になる作品を探して読むのも絶対に楽しいと思うので気になる方はぜひ。
本当に少しばかりなのですが、「これはいい講評だな、すてきだな」と思ったものをピックアップします。
謎の果実猫:
人魚の世話をする奴隷の話。
超音波のような聞き取れない声だったはずの人魚の言葉が人魚の血肉を飲んだあと途端にわかるようになるシーン、とても良かったです。
謎の果実猫:
寿命の近いアンドロイドの話。
前半を読んでいる時はてっきり黒髪の方がアンドロイドだと思いこんでました。後半に金髪の子がアンドロイドなの!?と、驚きました。お話がうまいですね~。
謎の果実猫さん、とても「見所」の紹介が上手い方なのですよね。上記はここの一文を読んで「わ、見落としている作品だ。読んでみたい!!」となった部分です。要約のなかに、ご本人の好きや作品の勘所を詰め込むのがとてもお上手。
謎の有袋類:
【前略】
わたしはコレが好き! を書く力は十二分に備わっていると思います。めちゃくちゃに魅力的なキャラクターなので深掘りをしたり、次の推しキャラを作ったりと創作を楽しんでください!
これはシリーズで読みたいかも。
謎の有袋類:
【前略】
小気味の良い短編を書く力は十分だと思うので、中編や長編にもチャレンジしてみてもいいかもしれないなと思いました。
まらはるさんは、伏線の入れ方や小話の活かし方が非常にうまいと思っているのでこれからも強みを活かして頑張って欲しいです。
謎の有袋類さんの講評は、主催ということもあり「1アドバイスをいれる」をきっちりと実施されています。書き手の強みに背中を押す手法なので、読者的にも「お、こういう書き手のかたなんだ。じゃあ読んでみようかな」というポジティブな反応をしやすい。「いい!」「すき!」を並べる感想以外でも、こういうやり方があるのか~と膝を打った。
謎の女子高生:
【前略】
この作品はこれ以上何かしない方が良いと感じますので、あまりアドバイス的なことは言えません。大変素晴らしい作品だったと思います。ありがとうございました。
謎の女子高生:
【前略】
加速というエスカレーションの表現に、「走馬灯」の表現、気づくのが遅すぎた自分の感情、あらゆる要素の噛み合いが見事な作品だったと思います。泣いた。
謎の女子高生さんの講評のなかで、ぐっと目を引く部分というか、心に残ったのは講評に作家性があるところでした。この人が推す作品なら、ちょっと読んでみようかなと思わせる筆致ですごい。
『118:光の庭で手をつないで/折り鶴』の講評では「こういうレギュレーションなので」みたいなのを脇に置いて芯のある結論を出されているし(これけっこう勇気のいることだと思うんですよ)、『114:地球一周光速パンチ/コサジ少将』の講評は、講評の文章自体にグルーヴ感や速度があるという。
なんというか、いいですよね。「へー、読んでみようかな」って思える講評とか感想って。これは悪口なのですが、知り合いで全っっっ然作品の魅力がわからん作品語りをする人がいるんです。作品の話をすると「~~~っていうところまで読み解けちゃってる俺。が、評価してやっちゃうくらい素晴らしい作品」がどうにも前面に出てきて「てめぇの批評はいいから、作品を語れやダボ」という気持ちになってしまうというか。(この場合、性格が悪いのは100000%アメコのほうですが)
話は戻って、前述の講評を全部読んだんですが、そういうのが全然ない。むしろ逆引きで作品を読みたいという気持ちになるものがすごく多いのが印象的だったんですよね。あたたかい読み。とてもいい。
全作講評、本当にお疲れ様です。
新刊が出ました!
ここまで完全に忘れていたのですが、新刊が出ました。
発売日前後というのは気を揉みすぎて時間感覚が狂います。けっこう好調な販売状況だと聞いています。ありがとうございます。
🐸発売中🐸
— 蛙田アメコ(作家) (@amecokaeruda) August 22, 2024
『山奥育ちの俺のゆるり異世界生活 ~もふもふと最強たちに可愛がられて、二度目の人生満喫中~』
2巻が発売です!!!!
ox先生の素敵な表紙が目印!!!!
重版帯、なにとぞ~~~~~~!!!!!!!!! pic.twitter.com/1IjGiKtMww
ゆるっと楽しいラノベです。
コミカライズの連載も開始していますので、何卒よろしくお願いいたします。
8月のインプット
映画「ツイスターズ」とか「ベイビーわるきゅーれ2べいびー」とか見てた。前者はまあまあ普通におもろい、校舎は最高。読んだ本で印象に残っているのは、『団地のふたり』。50代の女性が生まれ育った団地で、ふたりで友達をつづけながら生活しているお話。ふわふわしていて、あたたかくて、少し悲しいかんじの小説。おすすめ。8月は総じて今まで手を出さないでいた本を狙って、読書や漫画読みをしていた。
作業中は、ゲーム実況のキヨ。さんと牛沢さんの動画をずっと流していました。
WEBメディアでも収穫が多かったな。
虎の時間帯に泣きながらオモコロ読む日がくるとは思わなかった……
— 蛙田アメコ(作家) (@amecokaeruda) August 30, 2024
「山月記」を読めなかった男が1年半ぶりにもう一度読む日 | オモコロ https://t.co/TjsSAdx5kq
書籍化もされた非常にホットなコンテンツなので、知っている人も多いと思います。本を読めなかった男が読書をするシリーズ。なんというか、みくのしん氏の読書を見ていると、読書の根本を見せつけられる気持ちになります。いままで「読書してます」と思っていた自分の行為が、なんて浅くてつまらないものだったのかというのを見せつけられるというか……『山月記』を読んでる人のリアクション芸を見て泣く日がくるとは思わなかったね。人生ってのはおもしろいや。
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