初めての海外キャッシュゲーム〜マカオ編〜
2016年1月、私がまだポーカーと出会う前のことです。新婚旅行でロスとラスベガスに計2週間行きました。
旅も終盤、タイトなスケジュールで2人とも疲れていました。妻がホテルで寝てる間に私が所持金のほぼ全額をスロットマシンで擦って帰ってきて怒られました。今でもたまに妻から「あの新婚旅行は最悪だった」と言われます。
同年5月、ポーカーセットを7回ほどこなしてそのほぼ全てで大敗を喫しながらもその類稀なるセンスでポーカーのいろはがわかってきた私は、一度カジノで打ってみたいと思い始めました。でもラスベガスはとても遠いので、飛行機で4時間ほどのマカオに妻と行くことにしました。3泊4日です。
当時のマカオは今と違い、25/50HKDがミニマムステークスでした。1HKD=14円なので、700NLです。友達とのポーカーセットが200NLだったので、約3.5倍のレートです。
今はウィンとベネチアンにしかポーカールームはないため、長時間のウェイティングを覚悟しなけれなりませんが、当時はギャラクシー、COD、ウィンパレスといったカジノにもポーカールームがあったため、特に並ばなくてもプレイすることができました。
マカオに着いて早々に、ベネチアンのポーカールームを見に行きます。中国人と西洋人が沢山のテーブルでポーカーをしています。みんな強そうです。私は何だか怖くなって、妻に「今日はいいかな」と言い一緒にルーレットで遊びました。
翌日もポーカールームを見に行きましたが、「今日はちょっと…」と言い一緒に多福多財で遊びました。
多福多財とはスロットマシンの名前です。マカオのスロットマシンはラスベガスのように版権ものはありません。ジュラシックパークもテッドもゴーストバスターズもありません。基本的に全て多福多財だと思ってもらえれば大丈夫です。ちなみに糞つまんないです。
※私の大好きなブログです
結局二日目もポーカーをしないままホテルに帰って来てしまいました。ホテルで寝ようとしていたら妻に「ポーカーしてきたら?負けてもいいから」と言われました。確かにこのまま帰ったらただ多福多財を打ちに来ただけの物好きな夫婦で終わってしまいます。意を決して私はポーカーを打つことにしました。ウィンパレスの25/50です。
50BB(約35000円)分のチップを両替して、名前が呼ばれるのを待ちます。テーブルには見るからに強そうなチャイニーズと西洋人が獲物を見るような目でこちらを見てる気がしました。とても怖いです。
こんな気持ちになったのは高校三年生のときに学ランを鞄の中に入れて初めてピンの雀荘に入ったとき以来でした。
名前が呼ばれ、テーブルに付きます。
ここからの熱い戦いを期待していた方には本当に申し訳ありませんが、何も覚えていません。気づいたときには泊まってるシェラトンへの帰り道をトボトボと歩いていました。
僅か1時間でホテルに帰って来た私を見て妻は驚きます。「ごめんね」と一言だけ言い、ベッドに横たわる私。
妻は「もう一回行って来たら?」ともう50BB分のHKDを私に渡します。
私は断りましたが、せっかくマカオまで来たんだからと妻は背中を押してくれます。優しい妻です。
正直ポーカーを打った気が全くしなかったし、悔しくて仕方なかったので「絶対勝つから!」とギャンブラーの常套句のような台詞を残し、再びウィンパレスに向かいます。
私は自分に鉄の掟を課しました。
・とても良いハンドでしか参加しない
・数字が隣でも色が同じでも低い数字は参加しない
・トップペア以外のペアで突っ込まない
この海外の初陣を勝利で飾るべく、さっき飛んだテーブルと同じテーブルに座ります。こいつお金降ろしてきたなラッキーみたいな目で見られましたが関係ありません。先ほどの私とは別人なのですから。
さっそくT9oが配られます。プレミアムです。
私のレイズにコールが2人入りました。
ボードはJ92の全部違う色です。正直もらったと思いました。
私のベットに西洋人は降りて残った中国人がコールしました。2人飛ばしのグランドスラムを狙っていた私はとてもがっかりしました。
気を取り直してターンはJです。私の優位は揺るぎません。継続してベットします。
するとチャイニーズはオールイン。普段ドラッグストアで横入りしてるくせに中には優しい人も居るもんだと神に感謝しながらコールします。
相手のハンドは席が遠すぎてよく見えませんでしたが、ディーラーによって中央のチップは全て中国人の手元に寄せられました。
ディーラーに何か話しかけられましたが私は特に返事もせず、このイカサマポーカールームを後にしました。
また1時間足らずで帰ってきた私に妻は優しく声をかけてくれましたが、私は「ついてなかった」と一言だけ言い眠りにつきました。
「あのマカオ旅行は最悪だった」と1回も言われないのが不思議でなりません。
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