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エッセイ かぼちゃの気持ち
人生ここまでずっと担いで来たlightが
幻だったことに気づいた 8月の頭
それは前方を遥か遠くを示してくれていて
それを頼りにここまで生きながらえてきた
またそれはけっこうな質量で
足どりが重かった頃には気づかなかったけれど
ふと体が軽くなってきた頃には気づき始めていた
頭の上からずしんと重くのしかかっていたのは
それだった
幻だ
と心で呟いた瞬間には
それは魔法が解けた様に ぱっと 消えてなくなっていた
もちろん体の一部が消える痛みはとてつもなく
前はもう真っ暗で 私の存在すら認識できなくて
ただ延々と 迷子になった子の様に 泣くだけだった
それ以来 書けない 読めない
書けない のは
消えたそれを体に繋げていたハーネスを
ボトンと地面に落とした時
書くのに必要な電子回路も一緒に
落としてしまったのかもしれない
読めない のは
なぜだか解らないのだけれど
一切咀嚼をせぬままただ文字という形が喉に入ってくるような
ただ不貞腐れた幼子のような そんな感覚で
入ってこないで。 と拒否してしまう
今焦りや不安はない
身体の成長はもう止まっているけれど
人生は精神は まだまだ過渡期なのだと実感している
さぁこれから どうなるのだろう
夜空を真っ直ぐ指す あの光はもう無いけれど
明日は未来はなにをしようかと
蒲団に入ることにしよう
今は 好きなことをし いつかしよう
そう思って生きている
魔法が解けた馬車がただのかぼちゃに戻った時
きっとほっとしたんだろう
もう走らなくていい
美味しく熟していきたいと