青春がしたいよね、具体的には低予算徹夜行脚デート
ふとTLがそんな流れだったので、欲望をツイートした。以下の画像だ。
これがしたい 真剣にしたい
しかし私は特にすることは無いだろうな、ということで妄想を書いていこうと思います
まず前提なんですが、とりあえずここに書くのは成人して間もないくらいの男女ということにします(同性でも楽しいと思います)両方とも創作をそれなりにやっていて、うっすらスレてて病んでたりキレてたり過激なところがあったりなかったりするような 社会性はない寄りのあるに該当する 会話はできるが会話に社会性はないかんじの 距離感はまあ……デートと括るサシの会合に顔を出すくらいの…… あっ でもお互いに好きだって伝えたことのない(今のところ)身体だけの関係とかでも嬉しい 嬉しいので今回はこれでいきます
それでですね 時期はクソ暑い夏休みです まず都心から少し離れた駅に夕方、斜陽が沈み込んで空が綺麗なくらいの時間に集合するんですよ 服装に気合いなんてありません 両方Tシャツとスニーカーです Tシャツも変なやつがいい SHEINとかで売ってる変な日本語のやつとか スニーカーはコンバースとか adidasとか NIKEとかのそこまで高くないやつ ボトムスは適当です 見た感じデートには見えない なんなら部屋着に近い服装です 待ち合わせ場所に先に着いてるのは男のほうで 2分も待たせないうちに女が来ます なのに「待った?」「めっちゃ待った」「ごめん!」「嘘」みたいなダルい会話をします ちなみに女のほうはショートヘア 男のほうはけっこうな短髪めで、どちらも染めてない黒髪であると嬉しいですね
それでですね、初手は夕飯です マック・ロッテリア・バーキンのどこかです、これ以外の選択肢はありません。 飲み物は二人ともコーラです ハンバーガーのほうは定番を取るのか限定をとるのかでまたダルい会話をしてほしいですね ダブチをクリシェって言ってくれ あとマックに行ったら資本主義擦りをしてくれ 女のほうが食べるのちょっと遅いのを男のほうが少し愛おしそうに見つめてたら可愛くないですか?ハンバーガーのあとに残ったポテトとコーラをちょこまか食べながら音楽と文学の話をしてほしい 女のほうは相対性理論とかピアノジャックとか聞いててほしいな 男の方はどうだろう、ヨルシカとかbacknumberとかしぬほど詳しくあってほしい 文学はなんだ……こう……好きなジャンル違うといいよね ミステリと純文学とか メフィストと新潮とか ひとことに西尾維新が好きと言っても化物語が好きか戯言シリーズなのかデリバリールームなのかニンギョウがニンギョウなのかで傾向が違う でも二人とも病院坂黒猫のことは好きであってほしい 西尾維新作品の頭の良い女の子でも羽川翼が好きなのか病院坂黒猫が好きなのか涙沢虎春花が好きなのか儘宮宮子が好きなのかでだいぶ変わりませんか?あと両方とも暗号学園のいろはは好きであれよ
それで二人ともトレーを片すんです。トレーを片すときさ、あらかじめ席である程度重ねてから返しに行くのいいよね
それですっかり夜になって、街の眩しさのいちパーツになっちゃったハンバーガーショップをあとにするんです 次にすることは、繁華街の喧騒をすこしだけ離れた住宅地ゾーンよりのコンビニでお酒を買うことです ひとり2本ほど缶チューハイを買うのが良いでしょう 度数はまあ……低めで……気持ちよく酔えるくらいで ストローを貰っておくのが良いと思います
んで買った酒にストロー刺してね、歩きながら飲むんですよ 二人で並んでさ 川沿いとか歩いたら良いんじゃないかなって思います 夏だと蚊とか多いかも やっぱなんかこう、適度に明るくてでかい道とかでも良いかも 少しずつお酒を飲みながら、「まだ開けてない方ぬるくなっちゃうね」みたいな会話をね、しながら ハンバーガーショップでしてた音楽と文学の話の続きをしてほしい 自分で書く時のこととかも含めて 思想の違いからレスバに発展しかけても美味しいですね でもそういうときはどちらかが緩やかに矛をおさめてほしいです んで「何だよ負けを認めるのか?」って突っかかられて、「いや……デートだし……」みたいなことを相手の顔から目を逸らしながら言えよ そしたら「まあそうだけど。そうだったわ」みたいな雑な誤魔化しで会話がリセットしてほしい このくだりを話題変えて3回やってくれ 3回目になってどっちかが「もう飽きたァ〜!」って言うやつやって
それでさ 歩き疲れたくらいで近所迷惑にならないくらいの規模感がある公園とかのベンチに二人で座って、二缶目に手をつけてほしい (さっきクソ真夏って言ったけど春のほうがいいかも 蚊とかいないから) 二缶目をゆるやかに開けながらまた創作とか文学とか音楽とか、おのれらの本質を交えながらも、今この瞬間お互いにむけている感情には絶対に触れない会話をね、してほしいな あと「最近綺麗なもの見た?」とかそういう話題も このときお互いが何を綺麗だと思うのか、共感はできるのに明確に違うような感性をしてたら嬉し〜!!「雲」「芥川龍之介じゃん。ラムネの瓶」「それは夏のクリシェすぎ!桜の若葉」「ふーん。あ、『秋』」「ア、秋?太宰じゃん。思い出した、さくらんぼとか?」「さくらんぼはブルジョワの食いもんだろうがよォ〜」 こういう会話をね して
んでさ 二缶目を空にしたくらいで二十四時近くになってさ そこから繁華街のカラオケで始発近くまで過ごすんですね ドリンクバー付きフリータイムでさ 体力が尽きるまで歌って お互いの選曲にケチつけあって 点数競い合って 高音でなくて笑って ラップで噛んで笑って んで片方がドリンクバー取りに行って部屋に一人で残されてるときに、ふと「マイクを持つ手が綺麗だったな」とか「街灯の逆光で顔が見えなかった時どんな表情をしてたんだろう」とか そんな些細なことでやきもきしてくれよ すでに何度か抱き合った仲なのに言葉で「好きだ」って伝えたことも伝えられたこともないから 好きだなあって思った時に「でもセフレだもんなあ」って自己完結してほしい あ〜あ、そこで行動を起こさないんだね 二人して 可愛いな、最後は自然消滅してただの友達に戻るのかな エモいな
カラオケで力が尽きてきたくらいになってさ、お互いに靴を脱いでソファに寝っ転がるなり寄りかかるなりしてさ ピカピカとモニターの広告だけが主張する中で、ふと「俺らってさ」とか「私たちってさ」ってこぼれちゃうんだよね 言葉が それで「うちらが何?」って返されるから、「恋人ってことで良いんだっけ?」とか「付き合ってるってことで良いの?」とか言おうとするけど 言えないんです チキンだから だからその代わりに「俺らって(私たちって)同世代より思想強いよね」とか「意外と長生きしそうだよね」とか 話を逸らすんです ありきたりなものに それで「あー、わかるかも」みたいな気だるい答えが返ってくる それについてダラダラ話してたら身体が重くなってきて、眠たくなってきて 片方が「起こしてあげるから寝なよ」って言うからお言葉に甘えて寝はじめるんです んで寝てないもう片方は最後に性をした時のことを思い出して、「ああ、あれで付き合ってないんだなあ」みたいな感傷がフラッとよぎるから 「バカだなあ、自分」ってちょっとした自己嫌悪が湧いてくる スウスウと寝息を立て始めた片割れをよそに、スマホを触り始めるんですね 30分くらいしたら始発の時間なので相手を起こします
んで割り勘で精算して、朝焼けのなかで「一本吸って良い?」ってどちらともなく言い出して 屋外の喫煙所に向かうんですね。その時間は二人しかいなくて、お互い喫煙者だからライター持ってる でもやっぱりやってほしいのが朝焼けの中のシガーキス 片方が上手く火がつけられずに苦戦してると、もう片方が笑いながら「ほら」ってタバコの先を見せるんです 「火あげる」「ああ、どうも」って 淡白なやり取りの後で、そこにときめきなんて無いかのような 当たり前のようなシガーキスをして お互い違う味の煙を纏って 変な笑いが込み上げてくる時、遠くに電車がやってくる金属の軋む音を聞くんですね そして「今日は楽しかった」って、少しだけ素直なほうが先に伝えて 素直じゃなかったほうが「俺も(私も)」って答えて どちらかが先に降りるまで隣同士で電車に乗って 片方が降りる時に「またね」って淡白に挨拶する
結局このカップルが今後どうなるかはあんまり考えられないんですが、自然消滅か友達に戻るかのどっちかが良いなって思います ときめきとか真っ当なまぶしい感情の全部を諦めているから でも大人になって歳を重ねるなかで、ふと「あの夜のこと」って思い出すんですね 素敵な温度感だと思います
ここまで全部妄想です お付き合いくださってありがとうございました 楽しかったです