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離婚までの5歩

1歩目:**「最近、疲れてるんだ」**



「ねぇ、今夜どう?」と聞いたその瞬間、夫の顔がまるでおばあちゃんが酸っぱい梅干しを食べたかのように歪んだ。「最近、疲れてるんだ」と言いながら、リモコンでテレビの音量を上げる。疲れてる?私もフルタイムで働いてるんですけど?毎晩ビール片手にソファでゴロゴロしてるあなたより、私の方が疲れてるんじゃないかと思うんだけど。けど、文句を言ったら「そういう雰囲気じゃない」ってまた断られるから、今日も我慢。

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2歩目:**「明日、仕事早いから」**



また拒否。今度は「明日、仕事早いから」だって。早いって言っても、起きるの7時半じゃん?私が作る朝ごはんをしっかり食べて、ぎりぎりまで寝てるくせに。しかも、週末はどうなのよ?何が理由なの?週末も「ゆっくりしたいから」って言うし、平日もダメ、週末もダメ。もう、どこに行けば私は認めてもらえるんだ?セックスレスってやつか。まるで病気みたいに響くけど、私にはこの症状が重すぎる。

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3歩目:**「なんでそんなに求めるの?」**



「なんでそんなに求めるの?」と、ついに聞かれた。いや、普通でしょ?夫婦だよ?愛し合ってるんじゃないの?というか、これって基本的な人間の欲求じゃない?そんなの、夫婦間の会話で聞かれるなんて予想もしてなかったわ。なんで求めるかって、そりゃあ私も普通の人間だから。むしろ、求めないあんたが異常なんじゃないかとすら思ってきた。

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4歩目:**「そもそも…なんか違うんだよね」**



「あのさ…正直に言うけど、なんか違うんだよね」と彼がぼそっと言った瞬間、心臓が冷えた。なんか違う?結婚してから10年、今さらそんなこと言う?「違う」って何?彼が明確な言葉を選べないでいる間、私は頭の中で沸騰する怒りをなんとか押し込めた。お前が10年間一緒に暮らしてきた相手に向かって「なんか違う」と言って、それで済むと思うのか?こっちは人生かけてんだぞ!

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5歩目:**「ねぇ、もう終わりにしない?」**



怒りが爆発しそうになる寸前、ふと冷静になった。「ねぇ、もう終わりにしない?」と、私は笑いながら言った。夫はテレビの音量をまた上げていたが、今度はリモコンを奪い取って、彼の頭に軽く叩きつけた。彼が振り返る瞬間、私はキッチンから持ってきた包丁を握りしめた。

「こんなに愛してきたのに、あなたはずっと私を拒んできたわね。でも、もうその顔を見るのも疲れたわ。だから、終わりにする。」

夫は驚愕の表情を浮かべたが、もう遅い。包丁は彼の胸に深く刺さり、そのまま彼は沈黙した。最後の拒否のない夜。こんな形になるなんて、想像していなかったけれど。

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そして、私は一人、静かな夜の中で息をつく。離婚までは5歩も必要なかった

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