ハロプロうたっち_

ハッピースター☆ラッキーピース。


▶︎ザ☆ピ〜ス!/モーニング娘。(2001) MV

モーニング娘。の歌に「ザ☆ピ〜ス!」というのがある。ひとつめはこの曲にしようときめていました。たんじゅんにこの歌がすきだからです(モーニング娘。史上さいこうに暗い曲だよ)。みなさんが知っていそうだからという理由でもあります。

この曲は2001年にモーニング娘。の歌として発表されました。つんくが作詞作曲をしている。いわゆる「ゴマキ」とか、「辻ちゃん加護ちゃん」とかがいた時代です。ちょっぴり懐かしい。

あんまり長く話すとよくないってこともあって(あしたは早起きしなきゃいけないから)、歌詞を見てゆきたいと思います。


HO~ ほら行こうぜ
そうだ みんな行こうぜ

曲のはじめ、ずっとこんな調子で掛け声がつづきます。シュプレヒコール。


EVERYBODY GET UP 
ウチらが住む 未来だぜ LET'S GET UP

この部分の歌詞、意味がわかるひとはいますか。ウチらが住む未来?ウチらが住む と 未来だぜ はまったく別なんだろうか。ウチらが住む、未来……。テンションの高いドラえもんってかんじかなあ。


EVERYBODY SCREAM
意味ないけど コンビニが好き HAHAHA
久しぶりだぜ ふるさとには
再来週 帰ろう
英会話スクール 入ったきり
いけてないぜ HAHAHAHAHAHA

真面目に書いているととってもバカみたいな気がしてくる歌詞です。意味ないけど、って意味ないのかよとべたなツッコミをいれたくなるほどになんだか元も子もないし、ふるさとには再来週帰ろうとか、英会話スクールぜんぜん行ってねーやとか、この子はたぶん、ふるさとには面倒がって結局帰らず、英会話スクールにもこの先行かないことでしょうね。


選挙の日って ウチじゃなぜか
投票行って 外食するんだ


この歌詞をすきだって挙げるひと、多い気がします。なんだろう。

たぶん、べつに選挙の日に投票行ってから外食するひとの割合がこの日本においてたぶんですが、そんなに高いとはおもえません。だからこの事象自体に「あるある」と共感しているというよりは、それぞれの家庭がもっている独自のルールみたいなのをある仲間内で、理解されないと知っていながら発表する、そういうのが「あるある」なのかもしれない。


好きな人が 優しかった
うれしい出来事が増えました
大事な人がわかってくれた
感動的な出来事と なりました

よかったじゃん。


デリバリピザ いつも悩む
LかMか ピザ
盛り上がり 長電話は
切りにくいね HAHAHAHA

盛り上がり長電話。語感がかわいい。


多数決じゃ決めらんないのは
恋愛のエトセトラ

ひとそれぞれだもん。


道行く人が親切だった
うれしい出来事が 増えました
愛しい人が 正直でした
全てを受け止めようと感じました

うんうん。


青春の1ページって 地球の歴史からすると
どれくらいなんだろう?
あ〜いとしいあの人
お昼ごはん なに食べたんだろう?

ね。


▶︎この歌詞って

べつに、歌詞のひとつひとつに深い意味がこめられているわけではないのでは。というのが感想です。
この歌詞をすきになるにあたって、わたしはこの歌詞に共感したいのですが、ちょっぴりむずかしそうだなあ。と思っていました。だってなんか明るくて元気で、こんなこと話してくる友達とか実はちょっとめんどいって思っちゃうし。

でもがんばってやってみます。

この歌詞の主人公を、たぶん中高生くらいの女の子だと仮定します。石川梨華ちゃんがセンターの曲なので、りかちゃんという架空の女の子を作り上げるのだ。

りかちゃんはたぶん今、というかこの曲の主人公になった時(でいた時、だった時)おそらくすごくハッピーだったんだろうとおもった。
コンビニの食べ物は美味しいし、道行く人は親切だし、愛しい人は正直。そのうえ大事な人が「わかってくれた」。英会話スクールのこととかピザのこととか盛り上がり長電話など、悩みも多少あるにしてもね。

(そういうことで悩めるイコール、ハッピーともいえるしね)

でもってりかちゃんは良い子です。考える力もたぶんある。上記のことだけなら、ただりかちゃんハッピー!イェイ!って曲なんだけど、りかちゃんはなんとこれらの事象を「ピ〜ス!」に結びつけることができる人間だった。こういう平凡な毎日が平和。りかちゃんはそのことを知っていました。まあたった10年そこそこの人生、いろいろ辛いこととかもあったんだろうな。


▶︎つんくのはなし

つんくの話を少しします。だってこの歌詞をかいたのも、タイトルをつけたのもたぶんつんくだから。つんくがどういうメッセージのようなものをもってこの詞を書いたのだろうってことを推測します。わたしはつんくじゃないので、推測しかできないってのはごめんね。

上記のようなことを基にすると、たぶん、つんくが伝えたかったのは、

▽日常の小さな出来事が当たり前にできる、そういうのが平和です。大切にしましょう。

▽ささいなことに喜べる、そういうまっすぐさいいなあ。

こういう感じかなあ。どちらかはわからないし、どっちもかもしれないし、どちらでもないかもしれない、そもそもなんにも考えてないのかもしれない。

わたし的にまあまあ共感できるのは下のやつで、うらやましいなあ、っておもう。そんな素直に人の好意やじぶんのありふれた日常をよろこべるっていうのはさ。


▶︎りかちゃんの話 

では、今さっきわたしたちが作り上げた架空の女の子、りかちゃん。彼女はつんくとは似て非なる存在です。

つんくは現実にいる存在で、わたしたちが理解するには限界がある。
考えをもっていて、人生ももっていて、それを覗き見ることはできたとしても。

対してりかちゃんのことはわかります。
だって今わたしが作ったんだもん。
つんくの思い通りにはならない。


さきほど、りかちゃんは『平凡な毎日イコール平和』だと知っている、と書きました。なぜだろう。なんでりかちゃんはこんなことを知ってるんだろう。

りかちゃんが若さゆえに純粋でまっすぐで、幸せだから??

幸せってなんだろう。平和と幸せっていうのはけっこう似ているようなものの気がします。りかちゃんは幸せだから平和なのかな。平和だから幸せなのかな。どうしてわたしはいまいちこの曲に共感しきれないのかな。幸せじゃないから。平和じゃないから、そういうのを素直に羨めないから?

たぶんなんだけど、『幸せなひと』なんていうのは、スターを手にしたマリオみたいなところがあると思う。道ゆくひとをどんどんぶっ飛ばして前へ前へ突き進んでいく。そんなの一瞬で、しかも自分の力じゃないのにね。

わたしは第一印象で、りかちゃんに対してそういう印象を持ったのだった。純粋で、まっすぐで、ちょっとだらしなくて、でも愛されてて、楽しそう。楽しそう。スターを手にしたマリオみたいに、わたしをぶっとばして、そんなことにも気づかず友達と笑って歩いているんじゃないかな。生まれ持った、いろんな「当たり前」や「平凡」を手にして。ときたま、それを「平和」なんて気づいてみたりして。



でもそうじゃなかった。りかちゃんをもっと近づけたり、遠ざけたりしてみると少しだけわかる気がします。「当たり前」は「当たり前」じゃない。「平凡=平和」と知ったその時から、りかちゃんはたぶん、ずっと前から「幸せ」なんかじゃない。この言葉たちに、「ピ〜ス!」と名付けたよりずっとずっと前から。

りかちゃんは道行く人が親切にしてくれたら「うれしい出来事」として日記に書いておくような子だとおもう。たぶん、そうじゃない状況が「当たり前」だから。彼女は幸せではない。

(わたしが持った第一印象は、曲の底抜けに明るい印象も手伝ってのことだったのではないかとおもいます)


▶︎未来だぜ

唐突ですが、最初の歌詞にもどってもいいですか。あの意味不明な歌詞。


EVERYBODY GET UP
ウチらが住む 未来だぜ LET'S GET UP


これです。わたしはこの歌詞を、わたしがこの曲に共感するためのツールにします。意味不明なものというのは、どういう風にだって意味を与えられる。


この歌詞は、「設定」です。


りかちゃんはこの「ザ☆ピ〜ス」という歌の冒頭に、ある「設定」を示してくれた。それは、ポケモンをはじめた時の「ここはポケットモンスター、略してポケモンが住む世界」みたいなやつです。

「ウチらが住む未来」。これからわたしがお話するのは、「ウチらが住む未来」のことです。未来。現在でも過去でもない場所。これは未来のはなしです。わたしたちはまだそこにたどり着くことができない。

GET UPは、この場合は立ち上がる、と訳すかなあ、と思うのだけど、でも、「起きろ」とかそういうんだとさらに幻想的でいい。みんな起き上がれ、さあここが理想の未来だ、とかなんとか。

りかちゃんは道行くひとに親切にされたことってあんまりない。覚えてるのは、最近、駅のホームで電車を待っている時に40代くらいの男の人がぐるぐるりかちゃんの周りを3周くらいしながら「おねえさん、おねえさん」とつぶやいていったってこと。こわかった。

デリバリーピザとかコンビニとかってあんまり使えない。高いし。

りかちゃんは恋をしてる。でも、このことは誰にもいえない。誰もわかってくれない。家族や友達は、ぜったいに「わかって」くれない。ばれたらどうしよう。ふるさとには帰りたくない。

だから、

HO〜ほら行こうぜ そうだみんな行こうぜ
さ〜ほら歌おうぜ そうだ みんな歌おうぜ
HO〜ほら誓おうぜ そうだ みんな誓おうぜ
さ〜ほら愛そうぜ 最高級で愛そうぜ


みんなでゆきたいな。ぜんぜん劇的じゃなくていいから。ただ、こういう小さな出来事に感謝できる、ちょっぴり怠惰でほんの少しぜいたくな未来。そういうので大丈夫なんだけど。

地球の歴史なんて壮大なことも、自分の日常にあてはめられちゃうちょっとした傲慢さ。じぶんがちゃんとじぶんのまま、じぶんの恋愛もじぶんの恋愛のまま(しないひとももちろんそのままね)、日常に溶け込んでいる世界。理想の世界。そういう未来。

特別なことは必要としない。ただそれだけで、みんなが平凡でみんなが当たり前。受け入れられるし、受け入れる。ただそれだけで十分だ。そういうので大丈夫なんだ。


以上がりかちゃんのいいぶんです。

これは本当です。推測ではありません。
架空ってさいこうです。この詞の「未来」と同様に、どんなものにだってできてしまう。こういう未来が来ますように。わたしは世界の片隅でこんなことを書いている。


さいごに。

英語だからって適当に流していた歌詞がありました。

THAT'S ALL RIGHT!



▶︎似ている曲

この曲にちょっと似た風味だな、とおもうものをいくつか挙げておきます。記録用です。もし興味を持ったらきいてみて。


▽『Be 元気(成せば成るっ!)』/Berryz工房(2012) MV

平穏の中に 感動があるね ねっ

Berryz工房(ももちのグループ)版『ザ☆ピ〜ス!』というかんじ。というかこの曲が『ザ☆ピ〜ス』の解説のようでもあります。あと、2012年という時代にもちょっぴり注目してききたい。


▽『元気+』/モーニング娘。(2007)

ぐっすり眠れる平和が好き

6年後の『ザ☆ピ〜ス!』。ちょっと大人になりました。というかんじで好きだし、元気+とかいうタイトルなのに曲調がめっちゃ暗い。


▽『おへその国からこんにちは』/ハロプロ研修生(2014)MV

きっとどこまでも 楽しめるわけだから
そんな国だから

なんだか理想の世界(おへその国)を描いてるっぽく、にてるなあと思った曲。


▽『I WISH』/モーニング娘。(2001) MV

くだらなくて 笑える メール届いた

明るく元気にみせて、でもさ、、みたいなのが似ているかなあ。この曲よりはもっとストレートにうけとれる。


▽『シューティングスター』/スマイレージ(2010)

またあしたも絶対 平和じゃなきゃスネるよ
こんな我がままは良いでしょ!

ちょっと可愛い歌。中高生(たぶん)の日常の歌なんですけど、そこに平和を投入してくるあたり。


随時追加予定です。



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