バズる音楽について考えていこうと思う.第二回
第二回.「バズる要因を考察」
「流行りの音楽に共通してることってなに?」
みなさま、こんばんは。きいろ。です。
バズる音楽考察、第二回です。
第一回は、「2020年バズるランキング」を書き出しました。
第二回となる今回は、昨年の振り返りと共に、バズる要因・勝因について考察していこうと思います。
今回はすこーし長文ですが、お付き合いください。
2.昨年バズった音楽を振り返る。
さて、2020年バズるアーティストを詳しく見ていく前に、2019年の音楽について振り返っていきたいと思います。
ここでは、2020年と同じく、「バズリズム02」の、「今年(2019年)これがバズるぞBEST10」の20位〜1位を見ていきます。
「今年これがバズるぞBEST10 2019」
20位 ハンブレッターズ
19位 KOTORI
16位 KID FRESINO
16位 AgeFactory
16位 Half time Old
14位 MOROHA
14位 Tempalay
13位 RIRI
12位 折坂悠太
11位 ポルカドットスティングレイ
10位 マカロニえんぴつ
9位 緑黄色社会
8位 TENDOUJI
7位 reGretGirl
6位 ずっと真夜中でいいのに
5位 中村佳穂
4位 Survive Said The Prophet
3位 ネクライトーキー
2位 ズーカラデル
1位 King Gnu
2020年版にもランクインしているアーティストも見られますね。
3.①2019年ヒットアーティストの勝因・要因を考える。
上記に挙げたランキングを踏まえつつ、ヒットの勝因について考えていきます。
(※紹介しているリンク先の曲は、2019年リリース以外のものも含まれます。)
まず、2019年、ヒットしたアーティストとして、絶対に外せないのは、「King Gnu」ですね。2018年秋には、「Prayer X」が、アニメ「バナナフィッシュ」のED曲となることが決まり、もうすでに注目されてるバンド、だと思ってはいたのですが、
まさか、紅白にも出場するような、国民的なバンドになるとは、予想してなかったです。
彼らの代表曲とも言える「白日」も2019年にリリースされた楽曲ですね。
こちらの楽曲は、日テレのドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」の主題歌、となっていました。
又、リリース時、CDでの販売はなく、配信での販売のみでしたが、Youtubeでは現在2億回の再生を誇る楽曲となっています。
あと、こちらもヒットアーティストとして外せないでしょう。
ダウンロード曲数や各ランキング的に圧倒的な人気を誇っていたのが、
「official 髭男 dism」ですね。
「Pretender」は昨年何回聞いたかわかりませんね。意図せずとも各所で多く流れており、聞かずとも耳にする、という影響力の大きい曲となっていました。
髭男もこの一年で、国民的アーティストになりましたね。
他には、上記の「これがバズるぞ」にランクインしているアーティストだと、
11位の「ポルカドットスティングレイ」なんかは、メジャーデビュー後、急速に人気がついてきたように思います。
ポルカも、タイアップで一気に有名になったバンドかな、と思います。
あの北川景子出演作の映画「スマホを落としただけなのに」(こちらは2018年の作品)や、人気原作のドラマ化「左ききのエレン」等、主題歌に書き下ろし楽曲を提供するなど、多方面のメディアへの曲の露出が多く見られましたね。
また、ポルカに関しては、vo雫さんのセルフマーケティングが、素晴らしく、「自分たちの魅力・魅せ方を理解して売り出している」という他のバンドとは違う強みを持ってるため、これからもっと売れていくのではないかと思います。
他に着目しておきたいのは、6位の「ずっと真夜中でいいのに」。
通称「ずとまよ」は、実態が明かされていない謎多きアーティストです。
MVは、本人出演はしておらず、イラスト、アニメーションで展開されています。歌詞も記載されているアニメーションからは、どこか、ボーカロイドを彷彿とさせます。
私が思う、「ボカロっぽさ」は、アップテンポの曲(が多め)・早口の歌詞・歌詞付きアニメーションMV(MVの歌詞に動きがあると尚ボカロっぽい。)・楽器隊の高度な演奏(ベースでいうと、スラップ多用)です。
「ずとまよ」にもその要素が多く当てはまるため、私は、ボカロっぽさを感じます。
そして、この「ボカロっぽさ」を持ったアーティストは、2018年頃から、多数注目されるようになりました。「ヨルシカ」や「須田景凪」、「Eve」も挙げられるでしょう。
(この3組に関しては、元ボカロP、歌い手、と、ボカロと関係のあるアーティストですね)
「ヨルシカ」「須田景凪」「Eve」もこの1年で急速に人気がついてきた、という印象を持ってます。
しかし、この4組は、顔出しをしていないこともあり、メディアへの露出は少ないです。
では、なぜここまで有名になったのか。
それは、SNSやYoutubeが理由として挙げられるでしょう。
数年前に比べて、今やより私たちの身近なものとなった、ネットコンテンツの普及ですね。
小学生の将来の夢第一位が、Youtuber(ネット配信者)になる、だなんて、一体誰が予想できたでしょうか。
それほどまでに、「娯楽」として、「インターネット」が浸透している、という証拠でもあります。
そして、そんな「インターネット」を勝負場所として、音楽を創ってきた人たちが有利な時代になってきているのです。
つまり、数年前から、評価やランキングを直に見れるネットの舞台(ニコニコ動画)で活躍してきたボカロPや歌い手にとって、この環境・状況は、かなり有利なのです。
そして、J-popにおけるボカロPの活躍、といえば、外すことのできない存在がいますよね。
そう、紅白にも出場し、今や圧倒的な知名度を誇り、国民的アーティストとなった「米津玄師」です。
ボカロを知らない、又、毛嫌いしていた人たちは、彼を知り、「ハチ」に行き着き、「ボーカロイド」というジャンルに触れ、その楽曲たちも普段聴いている音楽の一部であると認識するようになったと考えられます。
インターネットの世界ではマジョリティ。
しかし世間一般的にマイノリティだった「ボーカロイドの楽曲」は、米津玄師のヒットにより、J-popにおける存在を確立できるようになったのではないか、と思います。
そして、アーティストが注目される場所、として、やはり、「ライブ」も外せない存在です。
又、アーティストたちの人気が顕著に見られる場は、「フェス」ではないかな、と思います。
もちろん、ライブハウスでのライブでファンをつけ、人気になった、というのもあるとは思いますが、ライブハウスに対して苦手意識を持っている人がいることも事実です。
では、大衆に向けての音楽発信の場は、どこなのか、と考えた時に、それは「フェス」ではないかと思います。
「音楽フェス」は、多数メディアにも取り上げられるほど、一般的なものになってきました。
言い方が悪いかもしれませんが、いわゆる盛り上がれるイベントの一つになっています。(良くも悪くも)
ライブハウスが、入りにくい場だとすると、フェスは、反対に、行ってみようかな!と誰でも気軽に、参加しようかな、と思える場ではないでしょうか。
その理由としては、あの有名人も行ってる!、テレビで見たけど楽しそう!、フェス飯美味しそう!、フェスのファッションしてみたい!、季節のイベントとして思い出作りに友達とワイワイしたい!、いろんなアーティストがいるから知らなくても楽しめそう!
とかが挙げられますかね。
そして、大半の音楽フェスで求められている曲は、「アップテンポで、盛り上がる曲」
ざっくりいうと、四つ打ち8ビート、なんかが主流ですよね。
こういった曲ができるバンドが、フェスでは求められてます。
実際、2019年のランキングに入ってるバンドも、多くのフェスに出演されてますね。
ただ、フェスで人気になる、というよりは、どれだけの人に興味を持たせることができるか、つまり、新規の人に興味付けしてもらう、それができるのがフェスだと思います。
3.②ヒットの要因・勝因の考察まとめ
先に挙げたアーティスト・曲の特色等を踏まえ、
私が考える、音楽ヒット(バズり)の要因、としては、
①メディアへの露出。
映画・ドラマ・アニメの主題歌。(人気原作や、有名俳優出演の話題作)
②SNS、Youtubeでの発信、話題性。
主に顔出ししていない、ネット音楽系統のものが、これに当てはまる。
この2つが挙げられるのではないか、と考えます。
又、上記の二つに比べて影響力は少ないかもしれませんが、知名度が上がる要因としては、以下も挙げられるかと思います。
③有名人によるSNS発信。
④タワレコ等CDショップや音楽雑誌によるイチオシアーティスト紹介。
③に関しては、有名人が音楽関係者でない(俳優さんやYoutuber等)場合、全く違うジャンルからの新規ファン獲得に繋がります。
対して、④の場合、日頃、音楽に興味・関心のある方からの支持を得られることになります。
そして、新規ファン獲得、に関しては、上記で挙げた、
⑤音楽フェス
が、有効な手段として挙げられるでしょう。
ヒットの要因、知名度が上がった要因としては、大きく分けて、この①〜⑤があるのではないか、と考えました。
やはり、インターネット世代、と言われる現代。
SNSやYoutube等、インターネットの力、拡散力、が強いことを思い知らされますね。
(①で挙げたヒットした曲なんかは、全てYoutubeに上がっていますし、やはり、ネットの影響力は凄まじいのでは。)
しかし、そうは言っても、テレビの力も変わらず根強いです。
人気ドラマタイアップ、となれば、一気に知名度が上がりますよね。(星野源の「恋」然り…)
フェスでの人気等もあるとは思いますが、大衆に認知される、という点では、やはり、まだまだ弱いところなのかな、とも思います。
総括すると、
「メディア」「ネット」での発信・拡散力がとても強く影響していると言えるでしょう。
2019年の音楽のバズリ方について、詳しく見ていきました。
では、2020年、音楽はどのように変わっていくのでしょうか。
4.2020年音楽はどう変わる?求められているものとは。
まず、上記でも挙げましたが、
アーティストにおける、フェスの在り方は、昨年と変わらず、重要視されるのではないか、と思います。
(ただ、このご時世ですので、フェスが開催できない、という現状ですね…)
今の環境から考えても、やはり、インターネット配信がより注目されてくると思います。
ただ、無料で、ライブ音源を聞けて、見れて、という環境に慣れてしまう、という現象が起きるのではないかと、私は危惧しています…
無料で、いろんなアーティストのライブを見て、普段なかなか触れることのない音楽と出会うことは、本当に素晴らしいことなのですが、それを経て、ライブに足を運ぼう!音源を買おう!という流れになればいいのですが……
少なくなってきたとはいえ、残念ながら、音楽にお金を払うことの意味を見出せない人はいますので……
あとは、音楽の売り方、媒体の変化、ですね。
CD化せずに、ダウンロードのみで配信、という手段をとるアーティストも昨今多く見られるようになってきました。(KingGnuの白日然り。アルバムには収録されていますが。)
CDを出す場合は、曲を聴く手段、としてだけでなく、
CDに物としての付加価値を求められるようになるのではないか、と思います。
わかりやすい例でいうと、アイドルの握手券、みたいな物です。
そういった、CD限定の特典をつけるか、CDのアートワーク・ビジュアルに手をかけるか、歌詞カードにこだわるか、、パッと思いつくだけでもこのような手段があるかと思います。
(最近は、CDの初回限定版のみ、ダウンロード版には未収録の音源が入ってる、なんてことも多く見られますね。)
そして、一番、大きく変わっていくところは、
「アーティストの売り出し方」でしょう。
いわゆる、マーケティング方法。
路上ライブで注目されて、という道は、そもそも少ないかなと思います。
(路上ライブの演奏を、SNSで誰かが挙げて、それがバズって、というのはあるかと思いますが。)
やはり避けて通れないのは、
SNSやYoutubeなどのネットコンテンツですね。(詳しくないのですが…TikTokで使われていた曲、というのも挙げられるかもしれないですね)
これをいかに駆使していくか、というのが、これから名を上げていくために重要になってくると思います。
これは、アーティスト自らももちろんですが、所属事務所、マネージャー等が、
アーティストの魅力・武器を有効的に使う、マネジメント能力がより求められてくるのではないか、と思います。
そして、マネジメント能力の差が顕著に現れてくるのではないか、と思っています。
(そういった点でも、ポルカは、セルフマーケティングを行なっているので、最先端をいってる気がします。これは完全に武器ですよね。ホラーゲームで初期装備に無限ロケットランチャーあるレベルでは?つよい。)
第一回と比べて、かなりの分量になってしまいました。
配分が下手で申し訳ない。
本当は、分量を削って読みやすく、と考えていたのですが、
「キリがいいところまで」にしたら、全然収まらず、諦めました。笑
今回は、ヒットの要因について見ていきました。
もちろん、私の一意見ですので、こういう考えもあるのか、と思っていただけたら。
又、皆さんの考えるヒットの要因があれば是非教えてください!
次回からは、「2020年のこれがバズるTOP10」のランクインアーティストを1組ずつ見ていきます。(15位〜の紹介になります。)
今執筆していますが、これまたすごい分量になりそうなので、3回に分けて、紹介する予定です。笑
月・木更新でいこうと思いますので、次回も読んでいただけたら幸いです。
本文と全然関係ないですが、BOSSのカフェ・クレーム(ミルク&エスプレッソ)が最近のお気に入りです。
大きいボトルで販売してほしい……
きいろ。