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サステナ推進担当者に聞く!持続可能な地域社会の実現に向けた取り組み

近頃、サステナビリティやSDGsなどのワードを耳にする機会が増えてきましたが、特に地域金融機関には地域のサステナビリティ(=持続可能性)を牽引する役割が求められています。
プロクレアホールディングスでは、「地域の未来を創る」「お客さまと歩み続ける」「一人ひとりの想いを実現する」という経営理念のもと、「彩り豊かな未来を、次の世代に」というサステナビリティ方針を掲げ、お客さまと地域の持続的な成長に向けたご支援を行っています。

サステナビリティ方針の達成に向けた取り組みとして、外部環境や事業活動の状況などを踏まえた重要課題(マテリアリティ)を特定しました。その課題解決に向けて2030年度までのKPIを定めグループ一丸となって達成に向けた取り組みを行っています。

特にサステナブルファイナンスについては「環境課題や社会課題を解決し、持続可能な社会を実現するための投融資」と定義を行い、2030年までに累計6,000億円実行するという目標(KPI)を掲げています。
今回は、当行のサステナブルファイナンスの推進に携わる、営業推進部の3名にインタビューしました!


<プロフィール>
営業推進部 副部長 増田 直也
営業推進部 法人営業課 プランナー 角田 賢亮
営業推進部 法人営業課 アソシエイト 冨樫 龍也


サステナビリティの推進に対する想い

――まずは、サステナビリティの推進について、普段どのような活動をしているかを教えていただけますか?

増田:所属している営業推進部は営業推進の全般を担っている部署です。私たちは法人営業の中でも主にサステナブルファイナンスの推進を担当しています。
当行ではサステナブルファイナンスの定義を「環境課題や社会課題を解決し、持続可能な社会を実現するための投融資」としていますが、これをわかりやすく一言で表現するならば「より良い未来へ貢献するための投融資」だと考えています。
みなさんも普段の生活や事業活動を行っていく上で、いわゆる環境課題や社会課題が障壁と感じることが増えてきているのではないでしょうか?私自身も猛暑やゲリラ豪雨が増えてきたと感じていますし、特に今年の雪の多さにはとても苦労しています。
私たちはそういった異常気象や温暖化といった環境課題や人口減少や少子高齢化といった社会課題を、少しでも解決の方向性に導くご融資(=サステナブルファイナンス)の周知、増加を図るべく、日々の活動を行っています。
具体的には、お客さま向けのセミナーや銀行内の支店長向け・担当者向けの研修などの啓蒙活動から、サステナビリティ・リンク・ローンといった新商品の開発、オーダーメイド型のお客さま向けご提案書を用いた提案活動など、幅広く活動しております。

(左より)増田副部長、角田プランナー、冨樫アソシエイト

――サステナビリティに関する行内向け研修は初の試みだったと聞きましたがいかがでしたか?

角田:私はサステナブル経営に関する講義の講師を務めましたが、皆さん意欲的で、既にたくさん勉強している方もいましたので、とてもスムーズに進行することができました。
お客さま応対の最前線に立つ支店の職員にも私たちの想いを共有していただくため、支店担当者向けの研修を実施いたしましたが、銀行内の研修では珍しく、2年目の若手から22年目のベテランまで総勢26名の幅広い年次の方々に参加いただきました。
参加者へのアンケートでは、「より実践的な提案方法を知りたい!」や「他の企業の事例をもっと知りたい!」など、推進に前向きな声が多くとても頼もしく感じています。この想いをより多くのお客さまに伝えていただき、青森県全体にサステナビリティの波を起こしたいですね。

行内向け研修の様子

冨樫:個人的にはサステナビリティの領域は、若手にも大きなチャンスがある領域だと思っています。いわゆる銀行の融資業務は与信判断など経験がモノを言う部分もありますが、サステナビリティの領域は取り組んでまだ歴史が浅いため全員がスタートライン付近にいるのではないかと思います。また最近では学校教育のカリキュラムにも組み込まれていて、若手は特に勉強した記憶がある方が多いと思いますので、その大きなアドバンテージを活かしながら積極的に推進してもらいたいと考えています。

お客さま向けセミナーで地域課題を共有

――セミナーの開催に至った経緯を教えていただけますか?

冨樫:私たちはサステナブルファイナンスが主担当ではありますが、2024年度はサステナブル経営(サステナビリティを企業経営に)についての「啓蒙活動」に重点を置いた活動を行っています。というのも、事業にサステナビリティを取り入れるステップを1.サステナビリティを知る⇒2.事業との関係性を認識する⇒3.ありたい姿を再確認する⇒4.取組むべき課題を特定する⇒5.課題解決に向けたアクションを起こす、という流れで私たちは整理していますが、サステナブルファイナンスは最後のステップの「アクション」に伴うものであると考えています。サステナブルファイナンスの普及という点では、やはりまずサステナブルとは何なのかについて理解し取り組む意義を認識していただくことから着手する必要があるのでは?と考えたため、セミナーを開催することといたしました。

セミナーご案内チラシ

――セミナーを開催した手応えはいかがでしたか?

増田:お客さま向けセミナーは、県内7か所(青森、八戸、弘前、三沢、十和田、五所川原、むつ)と県外2か所(函館、盛岡)の計9か所で実施し、約350名の方々にご参加いただきました。
私自身も、他地域と同様に青森県には様々な課題があるという認識はありましたが、今回のセミナー開催にあたって青森県の人口減少や気候変動についてのデータを目の当たりにし、改めて何らかの手立てを行っていく必要を再認識しました。
何となく“「サステナビリティ」や「SDGs」は地球規模の話で身近な話ではない”といった印象を持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、確実に青森県内にも様々な弊害や支障が出てきていると思います。セミナーの中でこの状況をお伝えした際には、頷いている方が多い印象でしたので、この危機感は共有できたのではないかと思っています。

お客さま向けセミナーの様子

講演では、サステナブルやサステナブル経営とはといった概念部分から、サステナブル経営の実践方法、取組事例、当行のご支援メニューをご説明しました。セミナー後のアンケートでは、9割超の方から「理解を深められた」、「前向きに検討したい」という、ありがたいご回答をいただきました。私たちも、皆さまの第一歩を最大限サポートさせていただきますので、お気軽にご相談いただきたいと思います。

サステナブル経営の取り組みの第一歩に!~サステナブル経営支援ローン~

――当行で取り扱っているサステナブル経営支援ローンとは、どのような融資制度ですか?

角田:サステナブル経営支援ローンはサステナブル経営のきっかけをご提供することをコンセプトとした融資制度で、2024年4月から取扱いを開始いたしました。制度の概要としては、お客さまにサステナブル経営に関する目標(KPI)を設定いただき、その目標の達成状況に応じて金利を優遇させていただく融資制度です。
これまでのサステナビリティの推進活動の中で、「サステナビリティが重要であることは理解できるが、何から取り組んだらよいかわからない」という声を多く聞き、何とか融資の仕組みでその声にお応えできないかという着想から開発に至りました。

KPIは、当行であらかじめ設定している選択肢から選んでいただく形式のため、お気軽に設定しお取り組みいただけます。選択する内容は、これから新たに取り組むものでも、これまでの取り組みを強化するものでも構いませんし、選択肢以外の独自の取り組みもKPIとして設定することができます。
金利優遇の面からお客さまのサステナブルな取り組みをご支援させていただけるような制度設計となっておりますので、幅広い方々に利用していただきたいと思います。

今よりも、もっと良い「青森」にしたい!

――サステナビリティの推進を通じて、私たちの“ふるさと”である青森をどのようにしていきたいですか?

増田:私は青森県で生まれ育ち、全国に自慢できる故郷があることに感謝しています。学生時代の4年間は京都市で生活しましたが、京都には世界的に有名な文化財や自然がたくさんあり、観光客と住民がうまく共存できていました。
しかし、最近はオーバーツーリズムにより慢性的な交通渋滞やポイ捨て問題等の大きな課題も表面化し、日常生活に支障が出ていることも事実です。日本の誇れる貴重な財産をしっかり守っていかなければなりません。
青森県も例外ではなく、人口減少や気候変動など課題はあります。しかし、我々には「栄養満点の海・たくさんの水を蓄えた森・県土を包み込んでくれる空や風」があります。この風土を守り、農林水産業を中心として魅力あるたくさんの産業を創り、働く皆さまがワクワクしながら仕事ができるように、さらには日本を代表する食の一大発信地となるべく、三方よしの精神のもと四季が楽しめる青森県を創っていきたいと思います。そのためにできることは何かを地域の皆さまと共有して、これからもサステナに関するアナウンス活動を行っていきます!

冨樫:私も「青森」はサステナビリティについてのポテンシャルは非常に大きい地域だと認識しています。青森県が県民を対象に行った意識調査では、約65%が青森は「暮らしやすい」「どちらかといえば暮らしやすい」と回答し、その多くが「自然環境の良さ」を理由に挙げているようです。この結果は、青森県民は従来から自然環境に対する感度が高く、当たり前のように自然環境に配慮した暮らしや事業を行ってきたこれまでの歴史を映し出しているものではないかと推察しています。
全世界的にサステナビリティが着目されてきた今日では、これまで当たり前のように行ってきた取り組みも、環境や社会に及ぼす影響を定量的に整理し対外的に発信することで、知名度アップや外部評価が得られる可能性があります。
私たちとしても、このサステナビリティの追い風に乗らない手はない!と思っていますので、金融の仕組みや地銀ならではのネットワークをフル活用しながら、お客さまのサステナビリティへの取り組みや発信のご支援を行っていきたいです。

角田:青森県においては気候変動の問題に加え、少子化や若者の都市部流出などによる人口減少も大きな課題となっています。人口減少が深刻化すると、経済規模の縮小や労働力不足、社会保障制度のバランス崩壊など様々な課題を引き起こします。私にも子どもがいますが、何十年後という将来、子どもたちが豊かな暮らしをしていけるのかがとても不安に感じます。
人口減少に歯止めをかけるためには、やはり若い方々や将来を担う子どもたちが「ここで暮らしたい!」と思える青森県にしていくことが大切だと感じています。経済発展や社会保障の充実など、魅力ある青森県にするために解決しなければならない課題は様々あるかと思いますが、お客さまの課題ひとつひとつに向き合うことを通じて、「よりよい青森での暮らし」に少しでも貢献していきたいです。

――皆さまへメッセージ

青森みちのく銀行は、地域のサステナビリティやお客さまのサステナブル経営の実現に向けたご支援を行っております。今回はご融資を中心とした内容をご説明いたしましたが、省エネやJクレジット、CO2可視化といった脱炭素支援や、健康経営の導入サポートといった人的資本経営のご支援など、幅広くサポートメニューを取り揃えております。どんな内容でも構いませんので、お近くの支店・担当者までお気軽にご相談ください!


今回は、サステナブルファイナンス推進担当者にお話をうかがいました!
当行では地域の課題やお客さまのお悩みに向き合い、あらゆる選択肢の中からよりよい支援を行うべく、さまざまな取り組みを行っています。
魅力溢れるふるさと青森の彩り豊かな未来をイメージしながら、今後も活動の幅を広げてまいります(^^)

今後は、サステナビリティ経営に取り組む地域の事業者をご紹介していきます。お楽しみに!


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