【一口馬主】クロノジェネシスの23に出資しました!
本当に買ってしまった…😣
最終票数は第1希望で40票割れ。金さえ出せば新規会員でも買えてしまう結果になりました。最終日に驚異的な追い込みを見せたチェッキーノや41〜49票のゾーンに入ったグランアレグリアやなんかと比べると寂しい数字ではありますが、まあこのあたりは馬の出来がうんぬんというよりは手術歴の有無が大きかったのかもしれません。
さて、このページではクロノジェネシスの23に出資した決め手についていろいろと語るつもりだったのですが、いざ出資契約が成立してしまうと、1週間前の決断が一時の迷いか狂気の沙汰としか思えなくなってきた(笑)。俺はクロノジェネシスが出てくるちょい前あたりから競馬を見なくなってしまった人間だから、べつにこの馬のお母さんに思い入れがあったわけではないし、後述するように欠点の多い馬でもあるので、一口450万円というべらぼうに高い出資代金(皐月賞とダービーを勝ってようやくトントンぐらい😰)の元をとるのははっきり言って不可能だとすら思っています。
しかしながら、誰が見てシンプルに「素晴らしい馬だ」とわかる好馬体の持ち主ではあります。適度な太さと適度な長さを持った首差しや、そこから背中腰お尻へと続いてゆくトップラインの美しさ。個人的に信奉している竹園メソッドには欠かせない長い腹の線、高い腰、力のある腹袋、その他もろもろの要素もきちんと満たしています。トモの肉付きやヨロ肉の発達具合もほとんど完璧と言っていい。歩様についても募集時のお母さんを彷彿とさせる素晴らしさですし、もちろんこれらを全体から俯瞰して受ける印象については言うまでもないでしょう。
ただ、これだけポジティブな要素をいろいろと書き出してみても、やはり期待よりも不安の方が大きいんですよね。でもって逆張り人間の俺としては、ただ褒めちぎるよりも、ダメなところを洗いざらい書いてしまいたい。書くだけ書いて予防線を張りまくっておきたい(笑)。というわけで、以下では「この馬が走らないとしたらおそらくこれのせいだろう」と思われる懸念材料を箇条書きで記していきます。どれもわりと致命的です。
・カタログのコメントが微妙
俺はかつて、活躍した馬や活躍しなかった馬のカタログ掲載コメントに頻出するワードをそれぞれ抽出し、スタッフの当該馬に対する潜在的な期待値をあぶり出す、というカタログ評論家のようなことをやっていた時期がありました(来年あたりにこの方向性で何か書く予定です)。たとえば、その馬ではなく父親や母親やファミリーの偉大さについて長々と語っていたり、いらん蘊蓄をべらべら垂れていたりすると、「ああ、あんまり褒めるところがない馬なんだな…」と察することができるわけです。
もうひとつわかりやすい例を挙げましょう。サンデーのカタログに募集馬のコメントが載り始めたのは2004年から。そこから現在までに35頭のG1馬が出ていますが、文中で「健康優良児アピール」をしていた馬は1頭もいませんでした。体調を崩したことがないだとか、食欲が旺盛だとか、収牧後の息の戻りが早い、みたいなコメントがついている馬ですね。入厩したての2歳馬ならともかく、北海道にいる1歳馬は急激な環境の変化や激しい運動によるストレスとはまったくの無縁です。よっぽどのことがない限り飼い葉はちゃんと食べるし、体調を崩したりやなんかもしない。言われんでも分かっとることをわざわざコメントに盛り込む必要はないわけです。そういう馬は他の仔たちが当然のようにやっていることぐらいしかほめるところがない馬なのかもしれません。
ところが、このページの冒頭に貼ったカタログをいま一度見てみてください。そこにはなんと「食欲はいっさい落ちることがなく」なんてなコメントがあるではないですか(泣)。これは典型的な健康優良児アピールであり、地雷ワードです。つまり、ジンクス通りにいけばクロノジェネシスの23は少なくともG1馬にはなれない、ということになります。文面の他の部分も一口450万円の超高額馬にしてはかなりテンションが低い気がします。
・両飛節のOCD手術を受けている
あろうことか申し込みを終えてからそのことに気づくという…(笑)。OCDについてはひとつ前の記事で徹底解剖しました。ここで論旨だけかいつまんで言うと、「OCDは競走能力に影響を与えない、という従来の説はおおむね正しいが、体質面に影響を与えてしまう可能性がある」。というよりも「体質が弱いからOCDを発症してしまうのだ」と言ったほうが正しいかもしれません。
OCDを発症して手術を受けた馬のなかには、アスコリピチェーノやスキルヴィングのように重賞を勝った馬がいるにはいるのだけれども、その一方で体質が弱すぎて満足にレースを使うことができなかったり、調教やレースの最中に骨折などの故障を起こしてしまう、といったケースが目立ちます。クロノジェネシスの23に関しては、ウォーキング動画の飛節の動きを見る分にはまったく問題がなさそうなのですが、育成段階に入ってから体質の弱さを見せてくる可能性は多分にあります。
・ことによると早熟馬かもしれない
先ほど馬体をべた褒めしましたが、この時期の馬に「完成度が高い」という言葉は御法度だったりもします。なぜなら、完成度が高いということはそれ以上伸び代がないことの裏返しでもあるからです。エピファネイア産駒には早枯れの馬が多いとよく言われるのも、1歳時の馬体の完成度が高すぎるからなのかもしれません。本馬は、体高や脚がスラっと長くて大型で、かつ無駄肉の少ない典型的な早熟タイプの馬体…ではないのですが、欲をいえば腰の高さはもうちょっとあっていいと思うし、腹袋ももう少しボテっとしていてほしかった。その分だけ伸び代には疑問符がつきます(お母さんのクロノジェネシスも募集時には腹袋が巻き上がっていたので遺伝なのかもしれません)。
・サンデー所属のエピファネイア産駒がまったく走っていない
地味に深刻なのが「サンデー所属のエピファネイア産駒走らなすぎ問題」です。これまでに20頭が募集されてオープン馬はなんとゼロ。歴代でもっとも稼いだのもエピプランセスの5000万弱、という寂しすぎる結果です。同じノーザン系クラブのキャロットからはエフフォーリアが出ていますし、単なる偶然だと思いたいところですが…。
クロノジェネシスの23はこれらのジンクスや物理的障壁を乗り越えることができるでしょうか。