
イベント救護所において看護師や医師をマネジメントするコツ
企業主催のイベントでは、参加者が多いため、事故や体調不良が発生するリスクも避けられません。そのため、事前にしっかりとした救護体制を整え、医療スタッフを適切にマネジメントすることが求められます。しかし、救護室の設置や医療チームの運営は簡単な仕事ではなく、看護師や医師といった専門職の適切なマネジメントが成功の鍵を握ります。今回は、企業がイベントを主催する際に、看護師や医師をマネジメントするためのコツをお伝えします。
1. 医療スタッフの選定と配置の重要性
イベントにおける救護室の設立において最も重要なのは、適切な医療スタッフを選定し、配置することです。救護室は急な事故や体調不良に対応する場所ですが、その運営には専門性とスキルが必要です。イベントの規模や参加者数、予想されるリスクを元に、どのような医療スタッフが必要かを判断しましょう。
適切な医師や看護師の選定
イベントの内容によって求められるスキルが異なります。例えば、屋外イベントの場合、熱中症や脱水症状などの対応が求められることがあります。その場合、熱中症や緊急対応に慣れている医師や看護師を選定することが重要です。さらに、大規模イベントの場合、医療チームの人数も十分に確保する必要があります。チームの役割分担
救護室内での業務の流れをスムーズにするためには、各スタッフの役割分担を明確にしておくことが必要です。
例えば、医師がトリアージを行い、看護師が応急処置を担当する、あるいは誘導スタッフが適切な記録を行えるようにするなど、効率的な業務フローを考えましょう。
2. 初期対応を重視する体制の構築
救護室はあくまでも初期対応の場であり、重篤な症状や事故の場合は、早急に病院へ搬送することが求められます。したがって、医療チームは迅速かつ正確な初期対応を行い、患者の状態を素早く把握し、必要な処置を施すことが重要です。
マニュアルを作成
勤務初日の待ち合わせ場所や連絡先、担当者名、持ち物、身だしなみ、備品の使い方、連絡フロー、シーツ交換の基準など会場内の大まかな把握
会場マップがあれば数枚を救護室に準備します。メイン会場と救護室の位置関係、運営本部やお手洗いの場所などを打合せしておきましょう。迅速な判断と行動
イベント中に緊急事態が発生した際、医師や看護師、会場スタッフが迅速に状況を判断し、最適な対応を取ることができるよう、事前にシミュレーションを実施して連絡経路を確認しておきましょう。例えば、シミュレーションを通じて、実際に起こりうる緊急事態を再現し、医療チームや会場スタッフの対応スピードをチェックします。このような事前準備により、現場で冷静に対応できる確率が高くなります。適切な設備と備品の準備
救護室内には、必要な医療機器や消耗品が十分に準備されていることが求められます。特に、応急処置に必要な薬品や機器(血圧計、酸素缶、体温計など)は、即座に使用できる状態で整備しておきましょう。医療スタッフと物品の配置を事前に確認し、万全の体制を整えます。
3. 医療スタッフとのコミュニケーションの重要性
医療スタッフが円滑に連携するためには、適切なコミュニケーションが欠かせません。特に大規模なイベントでは、複数の医師や看護師が協力して対応することになるため、情報共有や指示の伝達がスムーズに行われることが求められます。
情報共有の仕組みを作る
救護室内では、患者の状態や対応状況をリアルタイムで把握することが重要です。そのため、スタッフ同士が情報を迅速かつ的確に共有できる仕組みを構築しておく必要があります。例えば、タブレットやスマートフォンを使用して、患者の基本情報や処置内容を全スタッフが確認できるようにする方法があります。定期的なミーティングの実施
イベント前やイベント中に定期的なミーティングを行い、医療チーム全体の状況確認を行いましょう。これにより、スタッフが一体感を持ち、役割分担を再確認することができます。また、イベント中に新たな問題が発生した場合に迅速に対応できるよう、柔軟な調整を行える体制を作っておくことも大切です。
対面ミーティングが難しい場合は、電話のやり取りでも良いです。運営本部と救護室の連携を高めましょう。
【ポイント】
医療従事者間でギスギスした雰囲気が流れないよう、『新人さん』が現場に入る際は、現場の先輩へ挨拶するよう伝えます。また、トップが現場の『先輩』へ連絡し、『新人さん』のケアをするよう頼みましょう。その後の『先輩』や『新人さん』ケアも忘れずにします。
4. ストレス管理とスタッフのケア
医療スタッフは、長時間にわたる勤務や高いストレスを伴う現場で働くことになります。イベントの救護室では、思わぬ事態が起こることもあり、スタッフの精神的・身体的な負担が大きくなる可能性があります。スタッフが最大のパフォーマンスを発揮できるよう、ケアを怠らないようにしましょう。
休憩の確保
長時間の勤務であっても、スタッフに適切な休憩時間を確保することが大切です。イベントの規模によっては、交代制で勤務することで、休憩をとりながらも常に医療チームをフル稼働させることができます。無理をしてスタッフが疲れ果ててしまうことは、対応ミスに繋がる危険性があるため、常にスタッフのコンディションを考慮しましょう。昼食と飲み物の提供
忘れてしまいがちなのは、昼食や飲み物の提供です。医療従事者を現場に常駐させる場合は、昼食や飲み物を提供しましょう。
余裕があれば、お菓子を差し入れすると喜ばれます。現場が忙しく昼食を食べることができない時の糖分塩分確保にもなります。メンタルサポートの導入
ストレスがたまる現場で働く医療スタッフに対して、メンタルヘルスのサポートを提供することも大切です。ストレスがピークに達すると、集中力や判断力が低下し、仕事のパフォーマンスにも影響を及ぼします。なるべく1対1の時間を作り、簡単なアンケートを取るような雰囲気で話しかけ、ストレスとなっていることを聞き出し、改善に努めます。
5. 事後の振り返りと改善点の抽出
イベント終了後、医療チームとしてのパフォーマンスを振り返り、改善点を抽出することは、次回以降のイベント運営において重要です。良かった点、課題となった点を整理し、次回のイベントに生かすためのフィードバックを行います。
アンケートの実施
医療スタッフや会場スタッフ、さらには参加者からもフィードバックを集めることで、改善点を明確にすることができます。特に、救護室に関する評価や対応の迅速さ、患者対応についての意見を集めることが重要です。次回への改善策を策定
振り返りを基に、次回のイベントに向けてどのような改善を行うべきかをスタッフ全員で話し合いましょう。改善策を策定することで、より効率的で安全な医療対応を提供することができます。
マニュアルを見直し、次回開催の運営に活かしましょう。
まとめ
イベントの救護室を成功させるためには、医師や看護師の選定、役割分担、迅速な対応、スタッフ間の円滑なコミュニケーション、そしてストレス管理が非常に重要です。これらの要素をうまくマネジメントすることで、イベント参加者に対して安心感を提供でき、事故や体調不良が発生した場合にも迅速かつ適切に対応することが可能になります。
イベントの救護体制を構築する際に、これらのコツを活かして、安全で安心な環境を作り上げてください。
*~*~*~*~*~*~*~*~*
★医療通訳/看護師マネジメントサービス★
杏美株式会社
東京都中央区銀座7-13-6 2階
TEL : 03-4400-2866
https://www.medilator.com/event
営業時間:平日9:00~17:00
*~*~*~*~*~*~*~*~*