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3-3.紅茶の淹れ方の基本⓶「好みに合わせて調整してみよう」
紅茶が飲みたいな~。そう思ったらいそいそとお湯を沸かし、茶葉を選びます。飲みたくなる紅茶はその時どきで違い、体調や季節で違いますし、天気や時間帯でも違います。その時に飲みたい紅茶を淹れて飲むということは、美味しさを感じる一番の要因かもしれません。
飲みたい紅茶と言っても、自宅だと専門店のように沢山の種類からチョイスできる訳ではありません。でも、少しの工夫で楽しみ方を広ることは可能です。
「今日は疲れているから、軽めのストレートティーがいいな。」
「外が寒かったから、コクのあるミルクティーで温まりたいな。」
そんな心の声が聞こえた時、”しっくりくる”一杯が淹れられたら素敵だと思いませんか?
本日は、「紅茶の淹れ方の基本」から一歩踏み込み、抽出条件の調整方法をお話しいたします。日々の暮らしの中で、”しっくりくる”一杯と出会えますように。
1.前提:飲み方に合った紅茶を選ぶ
そもそもですが、紅茶は嗜好品で、自分の好きな紅茶を選ぶということが大前提になります。
もし紅茶選びで迷う方は「普段どのような飲み方をするのか」を基準に選ぶことをお勧めします。飲み方というのは例えば「ストレート」で「ミルクを入れて」などです。大まかな傾向ですが、ストレートに合う紅茶は飲み口がスッキリとしていて、ミルクに合う紅茶はコクやボディを感じるものが多いです。この方向性を決めて、それから次に予算を考慮して選ぶと良いでしょう。
もし詳しい店員さんがいらっしゃれば、お勧めを訊いてみるのも良いかもしれません。その際「ミルクティー向きの茶葉を探していますが、100g1000円前後でお勧めの物はありますか?」と伝えるとよりスムーズです。
その他、パッケージの表示や、紅茶が飲めるお店で実際に飲みることも参考になると思います。
2.抽出条件を調整する
茶葉が決まったら基本の淹れ方に沿って淹れてみましょう。気になるところがあれば以下を参考に調整してみてください。
①濃くする場合
・食べ物と合わせる場合や、ミルクを入れる場合は濃い目の紅茶が良く合い
ます。
・茶葉の量を増やすか、お湯の量を減らすか、蒸らし時間を長くしましょう
・仕上がりの紅茶をティーカップや別のポットに移し替える時、「最後の一滴」までしっかり注ぎきると味が締まります。
⓶軽くする場合
・食べ物と一緒ではなく紅茶だけを楽しむ場合、軽めに淹れることもあります。また、フルーツと合わせる時は軽めに淹れた方が調和が取れやすいようです。
・薄い紅茶をそれ以上濃くすることはできませんが、濃い紅茶はお湯を差すことで軽めに調整できます。次から茶葉の量を減らすか、お湯の量を増やすようにしましょう。
・濃いからと言って蒸らし時間を短くしすぎると、茶葉の持つ特性を引き出せません。まずは茶葉とお湯の分量を調整してみましょう。
③渋みが強いのでどうにかしたい
紅茶の商品価値として「渋み」という要素は重要です。この場合の「渋み」とは粘膜にベッタリと張り付くような嫌なものではなく、爽快さを感じる心地よいもの。一度その良さがわかると虜になる愛好家も多いものです。
もし渋みをキャッチした時は「口の中がさっぱりする」「茶液に締まりや輪郭を感じる」、一旦このような観点で肯定的に捉てみてください。それでもどうしても渋みが苦手な方は以下の方法を試してみてください。
・「濃い」を「渋い」と感じる可能性があります。お湯を差して確認してみましょう。
・お湯に抽出された主成分のタンニン(渋み)・カフェイン(苦み)は一定の時間をかけて結びつき、まろやかなコクになります。しっかり蒸らした方が味がまとまる可能性も補足しておきます。
・前述の「濃くする場合」では「最後の一滴」をご紹介しました。これは美味しさがぎゅっと詰まっている反面、濃く、渋みもあります。私は意図的に外すこともあります。
・外観が緑色っぽい茶葉(ダージリンのファーストフラッシュやニルギリの一部など)は、青々しく繊細な香りを備えたものが多いです。お湯の温度を少し下げ、渋みを抑えることで繊細な香りとのバランスが良くなります。沸騰したら一呼吸おいてから淹れてみてください。
3.その他
小さなことですが、手の癖や器具の違いで茶葉に当たるお湯の状態が変わります。以下は私の経験から感じたことです。
・やかんによってお湯の出方が異なります。勢いよくドボドボと出るもの、 広く太くザバーッと注がれるもの、スーッと細い水流になるもの、湯しぶきを上げながら出てくるもの・・・他にもありそうですが、皆さんのご自宅ではいかがでしょうか。
・一般的にやかんでしっかり沸かしたお湯は勢いがあり香味が鮮やか、電気ケトルは全体的にマイルドに、大人しめに入る印象です。お湯のアタックが強かったり、必要以上に強い水流を作って淹れると渋みや雑味が出やすくなります。
抽出条件(分量や時間)を調整しても気になる雑味や香味の弱さがあれば、お湯の扱いを見直すことで解消できるかもしれません。それでも変わらない場合は茶葉に由来するものか、水質の違いが要因であることが殆どです。
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ご訪問、そして最後までお読みくださりありがとうございました。
次回は「ひとつの紅茶から始めよう」という内容でお話ししたいと思います。