【EDH】《落星の学者、ロクサーヌ/Roxanne, Starfall Savant》
気になる伝説のクリーチャーがいたので重い腰を上げて久々に新しいデッキを組みました。その名も《落星の学者、ロクサーヌ/Roxanne, Starfall Savant》。なお筆者の環境の想定レベルはたぶん7くらいです。
場に出たときと攻撃したときに《隕石》を生成し、マナを引き出す目的でアーティファクト・トークンをタップするたび追加で1マナを生成します。
普通に出して殴っているだけで毎ターン小物の処理と2マナ分の加速を行うことができるため放置ができず、即除去されても《隕石》は残るため、次の出し直しのための布石を残せるところが強みです。
「放置ができない」のレベルも「出されてターンを返したら負けるから除去しないといけない」という面々よりも一段階劣るため、卓の面々次第では普通に通されることもある絶妙なバランス感覚です(なお、統率者戦においては決定力が無いことをこのようなポジティブな言い換えで表現することが往々にしてあります)。
とある場所で「hybrid of Inferno Titan and Primeval Titan」という意見があって笑ってしまったのですが、まぁCIPと攻撃時にダメージを与えて2マナ増えるのでやってることは近いかもしれないですね。
デッキを組むきっかけはビジュアルのかわいさと《隕石》を出すという能力のパッと見の面白さだけだったので、今回も一発芸のようなデッキになると予想していました。ですが、いざ組んでみると意外や意外。様々な部分にシナジーを見つけられる深みがあり、一筋縄ではいかないジェネラルでした。
軽くアイデアを並べてみましょう。
誘発型能力やトークンを倍増させたりダメージを増加させるカードと相性が良い
宝物、パワーストーンなどのマナを出すアーティファクトトークン全般と相性が良い
アーティファクトを並べやすい
宝物から2マナ出ることで《波止場の恐喝者》関連のコンボが使いやすい
《食物連鎖》でそのまま勝てる
大量のマナが出るためXマナのカードを上手く使える
こうして並べてみるとデッキ全体で一方向を向くような構築は難しそうですが、相性の良いカード自体は中々多そうです。
ロクサーヌ自身と相性の良いカードについて
世界が滅びるまであの手この手で何度でも隕石を降らせましょう。
ロクサーヌの誘発チャンスをなるべく増やすことによって、マナ加速しながら盤面処理を行うことができます。
出して速攻を与えて殴るだけでも4マナ増えて4点飛ばせるわけですから、《稲妻のすね当て》《速足のブーツ》や新カード《溶岩拍車のブーツ》のような速攻付与カードのリターンは大きくなります。
《パンハモニコン》《うろつく玉座》などで誘発そのものを増やす手や、《倍増の季節》などでトークンを増やし疑似的に誘発を増やすやり方もあります。
調整の末に抜けがちなカードの代表格である《パンハモニコン》は、ロクサーヌ自身の能力と着地した隕石の能力をそれぞれ増やすので2個の隕石と4つの2点ダメージが飛ぶことになります。流石に今回はデッキから抜けることはないのではないでしょうか。
後者ですと《倍増の季節》はロクサーヌとマナ域が被っている上にカウンター倍化の方の能力がいらないので《似通った生命》が優先されます。全部入れて気持ち良くなりたい派でしたら《野生の活力》もどうぞ。《焦熱の解放》や《擾乱のドミヌス、ソルフィム》などのダメージ増加系も相性が良いです。
十分に隕石を降らせたあとの《再度の収穫》は凄まじいことが起きる可能性があります。ここまでに紹介した倍化系カードが場に出ていればまさに流星群。
構築次第ですが、《精力の護符》があると《連続突撃》系カードでの無限コンバットがやりやすくなります。無限でなくとも3回4回殴ったらほとんど勝ちそうな盤面になるのではないでしょうか。
《連続突撃》は残念ながらサーチできないので、クリーチャーである《ヘルカイトの突撃者》あたりが現実的なラインでしょうか。
無限と言わずとも単純に戦闘回数を増やしたいなら《今を生きる》や《港を滅ぼす者》《アクームの怒り、モラウグ》などの1枚で2回以上コンバットを増やせる面々が効率良さそうです。
アーティファクトトークンについて
ゲームの序盤は《敏捷なこそ泥、ラガバン》《顔壊しのプロ》《厚顔の無法者、マグダ》のような宝物生成を担当する小型クリーチャーを並べて細かく殴っていくプランが強いです。
令和に入ったあたりから宝物をはじめとしたアーティファクトトークンを扱うメカニズムは猛プッシュされており、戦力には困りません。
サンダージャンクションからはロクサーヌと一緒に使うようデザイン時点で考慮されていそうな《略奪する剣闘士、ジョリーン》。がっちり噛み合っており、入れない手はありません。
変わり種では「氷のマナリス」という氷雪マナを出すアーティファクトトークンを生成する《氷刻み、スヴェラ》なども。ロクサーヌと一緒なら3マナとタップで2マナ出るマナファクトを生み出すというイカした奴です。
他には定番のマナクリーチャーも採用。低マナ域を抑えて《ガイアの揺籃の地》もしっかり使えるような構成にしていきます。
序盤に小物を展開して宝物を出すプランが十分に戦えることは既存の様々なデッキが示しており、懸念点は皆無です。
フィニッシャーについて
ここまでで隕石や宝物を並べる手段を考えてきましたが、ここで新たな導線が生まれます。
《ロクサーヌ》がいれば宝物から2マナ出るため、宝物が1~2個程度でも合計10マナほど使えてしまいます。こうなってくるとゲームを決めるような重いカードも使いたいですね。
《歯と爪》や《呼応した呼集》は重さを考慮しなければ最も簡単にクリーチャー2枚コンボを揃えられるカードです。探すカードは《波止場の恐喝者》と《ティムールの剣歯虎》。元から強力な勝ち手段ですが、ロクサーヌ下で宝物からマナが2倍出る場合はたった3カウントで無限マナになります。無限マナ後はロクサーヌを出し入れすれば無限ダメージです。ただでさえ強いのに相手を選ばず使えるコンボになってしまいましたね。
また、《食物連鎖》もコンボが決まり次第ロクサーヌ出し入れで無限ダメージになります。《食物連鎖》そのもののサーチができないので黒か白が入っているジェネラルよりも食物連鎖ジェネラルとしての質は劣りそうですが、サブの勝ち手段としては悪くないように思えます。
潤沢なマナをしっかり使えるXマナ系も良いですね。コンボがパーマネントを使ったものになるので《起源の波》などは良いかもしれません。
隕石トークンなどの非土地からマナを出す関係上、《激憤明神》《滅殺の命令》《爆裂+破綻》のような《ハルマゲドン》系のカードも選択肢になるでしょうし、単純に重く強いカードなら《頂点壊滅獣》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》《原初の征服者、エターリ》などがパッと思い浮かぶ選択肢です。コンボ強めの環境なら《約束された終末、エムラクール》なども。
《カルドーサの鍛冶場主》や新カードの《変成の泉》なども運用できそうななので、信頼性は劣るものの《荒廃鋼の巨像》や《取り憑かれた扉》《ファイレクシアへの門》のようなアーティファクトにしてみるのも一つの手です。
ご自身の環境と相談し、潤沢なマナでお好きなフィニッシャーを呼ぶのが良いでしょう。
妨害について
《ボトルキャップの炸裂》や《地獄の反動》など宝物が出る除去はそれなりにありますが、ロクサーヌ自身がクリーチャー除去を兼ねているので、一般的な赤緑のデッキに入るような火力除去などは優先度が低いです。
つまり《溜め込み屋のアウフ》は簡単に殺れますが《無のロッド》だと一瞬で詰むということです。置物除去は最低限入れるのが良いかと思います。
一般的な汎用置物対策をある程度入れれば問題はなさそうですが、せっかくなので相性が良いものを入れたいですね。例えば《赤の太陽の黄昏》は、対戦相手のマナアーティファクトを破壊すると何故か1マナ多く出るコピーがこちらの場に出てきます。
先述した《ハルマゲドン》系に加えて《冬の宝珠》や《血染めの月》系も扱えそうです。置物で入れられそうなのは《締め付け》程度な気もしますが、妨害増やすよりも自分のリソースを増やした方が強そうなジェネラルなのでまぁこの辺りは少なめになってしまいそうですね。
叩き台
そんなようなことを考えつつできた叩き台がこれ。
序盤細かなクリーチャーで盤面を作ったかと思えば大量のマナから一気に勝負を決める大型のカードを扱えたり、《食物連鎖》や《波止場の恐喝者》のような定番コンボと親和性が高かったりと構築のし甲斐がありそうな一枚です。
ちゃんと組めば割とまともに戦えるデッキになりそうなのは高ポイントです。あとかわいい。常にテーブル上に表向きで置くことになるジェネラルがかわいいと良いですよね。
久々に記事を書いたら疲れたのでこの辺で。
発売後は世のケモナー有識者によって秒速で研究されそうなので、ナマモノだと思って書き残してみました。普段から統率者戦に慣れ親しんでいる方には少々物足りない話だったような気もしますが、少しでも面白そうだと思っていただけたなら幸いです。
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