動物病院の見つけ方・受診時のポイント
ご縁がありお迎えした家族の一員である動物たち。
もしその家族の体調が悪くなった時に考えるのが動物病院ですよね。
すでに信頼のおけるかかりつけ医を見つけられている方はとても良いことだと思います。
その一方で、まだ迎えたばかり・あるいはこれからお迎えしようとしているけれど動物病院ってどこにいったらいいの?と思う方も多いかと思います。他にもかかりつけ病院での方針とご家族の考え方があまり合わないな、、と思う方もいるはずです。
特に専門的な知識が必要となる分野やエキゾチックアニマルのような動物種が特殊な子たちは健康なうちにかかりつけ病院が見つかることを願っています。
本記事が少しでも多くの方の参考になれば幸いです。
(注 記事はエキゾチックアニマルの病院選びをメインとしています)
1 動物病院の探し方
#動物病院の診察内容
診察内容は多くはHPに記載されています。特にエキゾチックアニマルに詳しい先生が勤める病院では「エキゾチックアニマル科」や獣医師紹介で「日本獣医エキゾチック動物学会」に所属している旨が記載されていることが多いです。またそれらの記載がなくても対応動物種に細かく種類が記載してある動物病院は詳しいところが多い印象です。
例:
犬・猫・小鳥・ハムスター → △
犬・猫・セキセイインコ・コザクラインコ・オカメインコ・文鳥・十姉妹・ゴールデンハムスター・ジャンガリアンハムスター・ロボロフスキーハムス
ター → ◯
最近ではエキゾチックアニマル専門動物病院や鳥専門、ウサギ専門などそれぞれで特化した病院も少しずつ増えてきています。
実際にはお問合せをしたり、受診してみないとわからないことも多いと思いますが参考になれば幸いです。上記はあくまで一例ですので他の記載(院長紹介やコラム、インタビュー記事、口コミ)なども併せてご検討ください。
◯◯曜日にエキゾチックアニマル専門の先生が来ます、という病院に関しては病院選びの際に気を付けていただくことがあります。
身体の小さい子たちは急に体長を崩します。健康な時に診てくれる先生が次の曜日までいない、なんてことがよく起こります。この際に大切なことはエキゾチックアニマル専門の先生以外の獣医師や動物看護師が応急処置や入院対応ができるかどうかだと個人的には思っています。ずっとかかりつけだと思っていたのに体調が悪くなった途端に匙を投げられてしまう、という悲しいことが起こらないように先生個人も大切ですが、病院全体として受け入れ可能な体制であるか調べておくと安心かと思います。
#開院時間・通院時間・待ち時間
非常に重要なポイントとして病院の開院時間・曜日が大切です。良い病院に巡り会えたとしても、ご家族の仕事の都合で受診できないとなってしまっては万が一の時に対応できません。その辺りに関しても通院可能な病院かどうかの判断は大切ですのでご検討ください。
同様に一回の通院でかかる時間や移動手段も大切です。特殊な事情では例外もありますが、基本的にかかりつけ病院とする場合はすぐに連れて行ける場所が原則ではあります。呼吸状態が悪い子を2時間かけて連れていくより、15〜30分で連れて行ける方がいいことは想像に難くありません。
またこちらも同様に動物病院についたものの、待合で1〜2時間待つのでは移動時間を短縮した意味がなくなってしまいます。人気のある病院で待ち時間が発生してしまうのは仕方のない部分もありますが、そのような場合に先に預かって処置をしてくれる病院かどうかはあらかじめ診察時に受付の方や先生に質問してみると良いでしょう。
#相性・信頼関係
患者動物およびご家族の皆様と動物病院または獣医師との相性というものは存在します。これは人と動物、人と人との関係である以上、万人受けする病院というものは難しいのかもしれません(全ての方に任せていただけるように精進します。。)
診察室で獣医師と会話した時の印象や考え方を知り、お互いに思うことの意志の疎通が可能かどうかが重要です。これは健康時に知るべきことだと思っています。
急病になった時に入院や手術を勧められた際にその動物病院や獣医師に任せて良いか決断するのに、それまでの信頼関係の有無で大きく異なります。
もちろん初診で急病で受診する場合は、まずは十分な説明を受けその時に心配な点を解消できるか、お任せできるか判断していきましょう。できればこの記事を読んでいただいた方にはかかりつけ病院がまだなければ健康診断からでいいので一度受診を検討していただけると良いかと思います。
#実際の探し方例
①近所の病院
多くの方は近所にある動物病院を受診されることが多いかと思います。もし家の近くに信頼できる動物病院がある方は素晴らしいことです。しかし、エキゾチックアニマル対応の病院で積極的な治療を行なっている病院自体まだ多くはないのが現状です。家の近くの病院がどこまで詳しく対応してくれるかは直接お問合せをするのが確実です。
②インターネット検索
今のご時世、インターネットでの検索が非常に有用です。「◯◯(動物種) 地域名 動物病院」と検索するだけでたくさんの情報が入ってきます。まずは現実的に通院可能な範囲でエリアを絞り、その中で見つけていくことが基本になってくると思われます。
気になる病院でも再診の通いやすさや移動負担を考えて選ぶようにしましょう。
③知人の紹介、口コミ
これが案外一番確実だったりします。お知り合いの方で何度もどの病院に通っている場合は院内の雰囲気や院長やスタッフの人柄を知っています。その上で紹介してくれる場合は信じてみるのは良いと思います。上記で記した相性というものはもちろんあると思いますので一度お話ししてみるのは良いかもしれませんね。
④かかりつけ医からの紹介
こちらも確実な方法です。犬猫の病院に普段お世話になっている場合、その延長で小鳥やハムスターの相談をすることがあるかもしれません。専門ではない場合「うちはあまり詳しくないよ」と正直に言ってくれる病院はいい病院だと思います。その上で応急処置や必要に応じて他の病院を紹介してくれることも多いです。地方では難しいこともありますが、その場合はオンライン診療なども一つの手段となると思います。
2 はじめて動物病院に行く時の準備
まずは動物病院に向かうために「移動」を考えます。
移動手段によりますが、移動の振動や拘束時間に十分耐えることができるケースと温度管理が重要です。
犬猫であれば専用のキャリーケースやリード・ハーネスを着用できますが、小動物では難しいと思われます。(小鳥は移動用キャリーが手に入りやすいですね)
一般的にプラケースやアクリルケースでお越しになられる方が多いです。紙性の箱でも悪くはないのですが噛んで穴が空いてしまったり、フタを止めるのにテープが必要なものは避けていただいた方が無難です。
特に状態が悪い子ではケース越しに観察することからスタートしますので、中の様子が見れるほうが診察時に助かります。
手で直接持ったまま来院されるのは落下の危険性がありますのでご遠慮ください。
ケース自体は保温・保冷バッグなどにいれていただければ外気温による影響を少なくすることができます。
次に動物病院を受診する上で、大切なことは「情報」です。
必ず主にお世話をしている方が連れてくるようにしてください。普段動物病院に行かれている方からすると驚きかもしれないですが、ぐったりしている動物を連れてきて「子供が飼ってるからわからない」「獣医師だからわかるでしょ」という言い方をされる方が一定数いらっしゃいます。見ただけでわかる病気も中にはありますが、基本的には情報を整理して診断を進めていくことが主になります。なかでも十分な検査ができないハムスターなどの小動物ではそれまでの生活で何かきっかけになりうるものがないか、しつこいくらいに問診します。緊急で代理の方が連れてきてくれる時は生活環境の写真や食事内容、環境変化、思い当たることなど可能な限り共有して受診していただけると良いかと思います。
3 引っ越しやセカンドオピニオンで転院する時
お引っ越しや何らかの事情でセカンドオピニオンとして転院をする際にできれば用意してほしいことがあります。
それはこれまでの経過と検査結果、治療内容です。
特に健康で、何も問題ない子に関しては良いですが、すでに何らかの治療を行なっている子に関してはその情報をください。「診断名がわからない」「何の薬を飲んでいるかわからない」このような状況はとても多いです。
移動前に「経過報告書をください」「カルテのコピーください」などを伝えれば必ず対応してくれるはずです。準備に時間がかかることもありますので余裕を持って伝えられるといいと思います。もし直接それらを伝えることが難しければ、最小限「診断名と飲んでいる薬の種類と用量」をメモさせてください、と受付の方などにお伝えしていただければ教えてくれるはずです。
原則、処方薬の内容は診療明細や説明書で内容がわかるはずですが、病院によっては記載がないこともあるようです。錠剤ならまだしも粉やシロップだとこちらも判断することは難しいです。
セカンドオピニオンを希望したら嫌な顔をされるのではないかと心配される方もいらっしゃいますが、普通の獣医師であればそんなことはないので安心してください。セカンドオピニオンも患者様の権利の一つです。また何よりおうちの子の病状が最優先かと思います。タイムロスが発生しないようにしっかりと情報を整理しましょう。
またどうしてもセカンドオピニオンを伝えづらい場合は、「今後のために記録したいので」といえば大丈夫だと思います。
なぜここまでして経過や治療内容を聞く必要があるかというと、今後新しい病院で治療を行う際に「どれくらいの時間が経過しているのか」「これまで何の治療を行い良かったのか、悪かったのか」「今飲んでいる薬との飲み合わせは?」など知っていればそれを踏まえた治療ができますし、知らなければその子が既にやった治療(しかも効かなかった治療)を繰り返し行なってしまう可能性があります。身体の小さな子たちには時間の猶予があまりないことがあります。治療が無駄にならないようにご家族の方々が頑張ってあげてください。
4 健康な時に探すべきか
答えは「YES」です。健康診断や爪切り、悩み相談でもいいです。気軽に受診しましょう。一度受診歴があれば、再診時にカルテの作成などスムーズになりますし、なによりお互い顔を知っている安心感があると思います。何かあったら相談できる場所があることは何よりのお守りかと思います。上記を参考にしつつ、是非おうちの子にあった動物病院探しをしてあげてくださいね。
5 万が一、急な体調不良のときはどうすればいいのか
そうはいいつつも体調は急に悪くなるものです。またたまたまかかりつけ病院が休みだった、なんてこともあるかもしれません。そんな時に最大の力を発揮してくれるのが上で書いた「情報」です。日頃からその子に関する情報を整理し、治療内容を把握し、初めての病院に行った時でも慌てないようにしましょう。
事前にかかりつけ病院が休みの日や夜間に診てくれる病院をさがすことも重要です。
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