モノの溢れている日本の片づけ問題
日本にはモノが溢れてるんだと思う。
家の中にも、お店にも、倉庫にも、モノが溢れていて、それでも足りなくて、物置を建てたり、トランクルームを借りたりしている。
安さとか、便利さとか、お得さとか、万が一とか、まとめ売りとか、いろんな売り方があるもんだと感心する。
買ったり貰ったりして溜め続けたモノを、人生の終盤で一気に処分するのが遺品整理や実家の片付けだ。
人が生活するのに、こんなにモノが必要なものなのかな?と感じる。
以前、講師を務めたセミナーでも、SDGsやモノが溢れてる話をしたのだが、講座の後に受講者さんが声をかけてきた。
「今日の話は良かった。
私はイギリス(確かその方向)から帰国したのだけれど、そこではシンプルに暮らしてた。着飾るのはパーティや特別な時だけ。
それなのに日本では、普段からチャラチャラした服で着飾って、お店には溢れるほどモノがあるけど、安物が並んでて驚いた!」
という話を聞かせてくれた。
なるほど、海外生活が長い人が、日本に来るとそう映るのかと、とても興味深い話だと思った。
実際の片づけの現場でもこんな事があった。
実家の片付けでよくある光景で、祖父母の家の食器棚には、使っていない食器が溢れている。そちらのご家族のお孫さんが今度一人暮らしをするというので、
親御さんが
「使えるのを持っていく?」
と聞くと、
娘さんが、
「新しいのが安く買えるから要らない」
という。
新しく買えるし、古い品をわざわざ貰う世代ではないのかも知れない。
そんな不要になった食器の一部は、日本国内で再利用されたり、そのままユーズドジャパンとして海外に輸出されたりする。
それ以外の品も、困窮家庭向けに寄付したり、チャリティに回したり、できるだけ捨てる品を役立てるようにしている。
私たちのサービスを
「捨てないで使ってくれるのね!」
と喜んでくださるお客様が多いのは嬉しい事だが、
根本の「モノの溢れた使い捨ての日本」に変わりはない。
もう一つ紹介すると、
以前、古物市場に連れて行って貰ったら、日本の古物商が10,000円までしか競上がれない品を、外国のバイヤー(それもどちらも女性)が競り続け、数万円以上の値で競り落とされたのを見た。
日本の国内には、海外製の大量生産の品が陳列棚を飾る現代、
高度経済成長期に日本の各地で作られた「メイドインジャパン」という優れた技術の良い品は、海外にどんどん輸出されている。
日本の良い品が海外に売られて、海外製の大量生産品が日本で溢れてるのは、なんだか皮肉に感じる。
最近店頭で売られている品には、大量生産、プリントの技術、割れないガラスのコップ風な品、張り物のプラ製品が大量に溢れていて、買うには安いがリサイクルが出来ない品ばかりなのではないかな〜?と感じる。
かたやSDGsを看板に、エシカルやサスティナブル、アップサイクル品も続々と商品化されているが、モノが溢れている事に変わりはない気がする。
腹八分目、過ぎたるは及ばざるが如し、足りない位がちょうど良い、
必要な品を必要な量だけ、必要な場所に置いて、
今ある品を、まずは使い切る事、
そこから、手離し方、減らし方、役立てて方、そしてどう捨てるのか?
も、考えて行かないとなーと思う。