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第64回 キヨユキさんとみちざねサン の巻 その2
道真サンは呪術のようなものは異端と考えていたようです。そこで清行サンへの試験には…。
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道真の清行に対する出題は、呪術などの分野について。
「その短長を述べよ」
呪術の長所と短所を論じさせる出題ですが、実際の問題文は「長短」ではなく「短長」。
「短」を前にもってくるあたり、意図的なのか、この時代の通常表現なのか。
道真はこの試験で不合格の判定を出します。
(2年後に判定がくつがえって合格となりますが、これは当時よくあったことで、今でいう補欠合格みたいなものです。)
のちに宮廷内で論争が起こった時(阿衡の紛議)、道真と清行は真っ向から対立。結果は道真側が勝利し、清行は左遷をくらいます。
これら一連の出来事が火種となって、道真追放のときには清行が急先鋒となる…というのが通説です。
◆◆◆
京都の地下鉄・五条駅から徒歩の距離にある三善清行の邸宅跡を訪れました。
清行邸跡は現在、学者の邸宅跡にふさわしく学校になっています。
清行邸は左京区岡崎神社にもありますが、今回訪れたのは、引っ越ししたら妖怪が出てきたという逸話があるほうの邸宅です(今昔物語)。
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実在の人物を悪者で描く時はけっこう気になってしまいます。
今回、清行の邸宅跡に訪れたのは一言、お断りするためでした。
石碑の前で目をつぶり、心の中で「キモ・キャラで描かせていただきます、ごめんなさい〜!」と清行サンにお断りをしました。
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三善清行を研究している学者さんもおられます。
少しマニアックですが、菅原道真の立場から三善清行を書いた本がこちら 。
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ズバリ、タイトルが『三善清行』もあります。
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三善清行について知るにはこれ以上ないぐらい詳しいです。
道真を追放したあと、その追放を正当化し、道真派の抑えこみに成功した論拠の解説が興味深いです。
いやー、ここまで徹底してやっつけるんですね、こわっ!という感想しかありません。道真がガチで右大臣辞めたがっていたのが本当によくわかります。「右大臣に出世できて嬉しいことなんてひとつもなかった」という記述が謙遜ではなかったことがよくわかります。
怨霊より生霊のほうが100倍こわい!?