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第148回 パレード の巻

宇多上皇の奈良旅行の際、メインストリートである朱雀(すざく)通りをパレードした記録があります。

まだ若い上皇のパレードとあって、沿道は黄色い声援でいっぱいだったのではなかったかなあ…という空想が今回のネタです。

上皇となって肩の荷がおりた宇多は、解き放たれたかのように旅行と仏教に傾倒していきます。 この時、道真は新帝・醍醐の重臣だったわけですが、相変わらず宇多は道真を自らの側近として離さず、旅行にも連れて行きました。

これが周囲の嫉妬をかき立てます。

宇多・醍醐の親子関係に波風は見られません。しかし宇多の取り巻きに対する醍醐周辺の批判は日増しに激しくなっていき、「宇多周辺 VS 醍醐周辺」という対立関係が醸成されていったようです。 今回の奈良旅行でも道真に対する醍醐周辺からのあらぬ誹謗中傷が噴出しまました。

道真と時平は立場上、宇多・醍醐どちらのグループにつくわけでもないはずですが、本人の意志とは関係なく、「道真=宇多派」「時平=醍醐派」 という派閥のようなものが形成されていきます。

この派閥争いに巨大な政争が合わさり、あの悲劇へとつながっていくのです。

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